応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱 (中公新書)

著者 :
  • 中央公論新社
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レビュー : 252
  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121024015

感想・レビュー・書評

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  • 応仁の乱の新しい解釈と言われても、現在の通説自体をよく解っていないので、正直、どこが新しい解釈かはつきりと理解は出来ていないと思う。登場人物を把握するには、自分で図でも作らないと無理。

  • だめだ、途中から誰が誰だか区別付かなくなってしまった。

  • 歴史書としては異例のヒットとなった『応仁の乱』。新進気鋭の中世史学者である著者が、『経覚私要鈔』『大乗院寺社雑事記』という2人の興福寺僧(前者が経覚、後者が尋尊)の日記をベースに、「試行錯誤を重ねがら懸命に生きた人々の姿をありのままに描き、同時代人の視点で応仁の乱を読み解」いている。
    「階級闘争史観」のような先入観なしに、応仁の乱を一次史料を駆使してありのままに描くという点で、本書は優れた歴史書であると思ったが、正直、なぜここまで売れたのかというのはよくわからなかった。売り方が良かったという面と売れたから(より)売れたという面はあったのだろう。
    正直、登場人物が多すぎて、内容を把握するのがたいへんだった。応仁の乱が、様々な人を巻き込んでだらだらと続いた大乱であったことはよくわかった。第1次世界大戦と似た構図を持っているという著者の見立ては理解できる。
    当事者たちはそれなりに「出口戦略」を考えており、終戦に向けて様々な努力や工夫をしていたが、各々の当事者が「損切」に踏み切れず、コミュニケーション不足やタイミングのずれによって、終戦工作は失敗を重ね、戦争は無意味に続いたという著者の指摘は、確かに現代にとっても大きな教訓となると感じた。
    登場人物の全体像を掴み切ることはできなかったが、本書の「主人公」としての経覚と尋尊の2人については、記述が厚かったこともあり、両者の個性をだいぶ掴むことができた。対照的な性格の2人だが、特にしたたかな尋尊に興味を覚えた。

  • 石原莞爾のいう最終戦争を、まったく机上の空論と断ずることはできない
    事実、関が原から大阪夏の陣までの一連の戦いを経て
    関白の推薦権を幕府が握ったことにより
    長い平和と安定が、日本列島にもたらされるのだから
    しかしそこに到るまでの戦乱の歴史は、まさに酸鼻を極めるものだった
    源平合戦、南北朝と、全国規模の総力戦が繰り返されたが
    人々はそれに飽かず、続いて戦国時代の幕を開けた
    その端緒として知られるのが、応仁の乱である
    それは当初、将軍の権勢に生じた小さな綻びにすぎなかった
    しかし対立する部下たちになあなあの態度しかとれない将軍家の無力が
    そこからどんどん露呈していくものでもあった
    なぜそんなことになったのか
    元をただせば無力だからこそ
    大名どうしを争わせて直接の反乱を抑えたい将軍家の意向だったのだ
    そういう、いわば体制維持の必要悪に
    歯止めが効かなくなって生じた大乱だった

    ただし、その長期化・泥沼化の根本原因には
    軽装歩兵「足軽」の誕生が無視できない
    足軽になったのは食い詰めた牢人や、いわゆる悪党たちであり
    その主な仕事は補給の遮断にテロ活動
    すなわち略奪行為、下手をすると独立ゲリラと言ってよいものだった
    戦争を口実に、諸大名が承認を与えるのだから連中にはこたえられない
    乱も終盤になると
    戦を終わらせぬよう無用の混乱を作り続けたのは
    現場の足軽たちではなかったか?

    その時代、奈良の興福寺は仏教の求心力でもって
    安定した統治に寄与していたが
    戦の激化から、その影響力はやはり衰えていた
    寺の生き残りをはかる経覚は武士に接近し
    結果として、尋尊が尻拭いをさせられた
    ふたりの動静から応仁の乱を読み解こうとする試みが
    成功したと言えるかどうかはよくわからんが
    階級闘争史観によって語られがちだったという戦後歴史学に
    一石を投じようという著者の意図は汲み取れる

  • 歴史の教科書で、名前だけは覚えた応仁の乱。
    応仁の乱を幕開けに、世は戦国時代に突入していくというざっくりとした知識しかなかったが、話題の本ということで読み始めてみた。

    応仁の乱の概要があまり知られていない理由がわかったような気がしました。
    奈良と京都の土地勘と、なんとなく天皇の系図、将軍幕府の系図が頭に入っていなかったら、恐らく自ら地図を見、系図を確認しながらでないと読み進めるのは困難。
    しかも、興福寺という要素が重要な意味を持っていることも理解でした。
    新書ということで、軽い気持ちで入門編として読み始めると読みづらいと思いますが、登場人物相関図と地図を思い浮かべながら読むと複雑な面白さが伝わってくる。

  • 新書の役割は学術論文を一般大衆向けにわかり易く書き直し、大衆が教養を身に着ける事に寄与するもの、トカナントカらしいが、この本は内容的にはかなり細かくて(一説によると登場人物が300人程度とか)、「大衆の教養」レベルを遥かに超えてしまっているように思う。40万部売れているそうだが、ブームなので買ってしまったのはいいが、数十ページで挫折してしまって、殆ど読まない人が半数以上いるだろう。自分は歴史はワリと好きな方だし、応仁の乱の要所は巡った事もある程度には興味はあるレベルだが、それでも、ざっと読んだだけで、細かい所までとても追いかける気にはなれない。著者も登場したNHKの『英雄たちの選択』程度深さで調度いいくらい。これをシッカリ読みこなすには大学の史学科在籍で中世を研究テーマにしようと考えている学生レベルの基礎知識と体力が必要だろう。

  • 奈良の興福寺の別当経験者2名、経覚と尋尊の残した日記を基礎資料として、応仁の乱の経緯を追っている。京の乱というより、荘園支配を巡る争いという感。
    応仁の乱ブームの中心のようにいわれる本書だが、読み解くのが大変。別の解説本で人物相関図を参照しないと、東軍、西軍が混乱してくる。

  • やっと読み終わりました.名前が途中で省略されたりしていて,誰が誰やらわかりにくく,混乱しました.
    山城国一揆など,今まで思っていたことと違ったことも多く,畿内の入り乱れた権力争いも面白かったです.

  • その後約100年続く戦国時代の原因と言われることもある応仁の乱。勝ち負けが判然としないことや、小説などで取り上げられることも少ないことから、細部は分かりにくい。その「解説本」が本書。
    奈良の興福寺を率いたふたりの僧が残した記録などを元に、京や奈良でなにが起こっていたのかを詳述している。
    しかし、ただでさえ登場人物がわんさかいるのに、足利氏、畠山氏など一族間の争いが重層的に展開される上に、一族の通字や将軍の偏諱などのせいで似たような名前も多く、ぼさーっと読んでるとすぐに、「コイツ誰だっけ?」となってページを戻る羽目になる。
    それでも、さすがに読みごたえあり。「乱の全貌を知る」のは新書サイズでは現実的ではないだろうが、奈良から見た応仁の乱という視座を得たことで、(人物名以外ではw)分かった気になれる。
    たまーに挟まれる戦後の唯物史観批判は、今となっては一般人にはどうでも良いことなんだけどね。

  • 教科書でさらっと触れただけで、ほとんど良く分かっていなかった応仁の乱の原因、経過、乱後の影響が分かりやすく書いてあって良かったです。
    乱の前20年ぐらいからの経緯があって、途中経過として必然的に戦争となり、最終的には勝者が存在せず、その後の下剋上の流れにつながるという点に目から鱗でした。
    これは教科書の数行で理解するのは無理ですね。
    本書は奈良の興福寺の二人の門跡の日記から乱を読み解いていますが、大和国の豪族の状況にこちらの知識があればもっと理解できたのかなと思いました。

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著者プロフィール

国際日本文化研究センター(京都市)助教。専門は中世の日本の歴史研究。著書に「日本中世への招待」「陰謀の日本中世史」など。

「2020年 『1偉人1分 まんがでサクッと日本史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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