応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱 (中公新書)

著者 :
  • 中央公論新社
3.46
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本棚登録 : 2565
レビュー : 252
  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121024015

作品紹介・あらすじ

室町幕府はなぜ自壊したのか-室町後期、諸大名が東西両軍に分かれ、京都市街を主戦場として戦った応仁の乱(一四六七〜七七)。細川勝元、山名宗全という時の実力者の対立に、将軍後継問題や管領家畠山・斯波両氏の家督争いが絡んで起きたとされる。戦国乱世の序曲とも評されるが、高い知名度とは対照的に、実態は十分知られていない。いかなる原因で勃発し、どう終結に至ったか。なぜあれほど長期化したのか-。日本史上屈指の大乱を読み解く意欲作。

感想・レビュー・書評

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  • きっかけや長引いてしまった理由など、全貌や戦況をつぶさに調べて書き記している本だと思います。

  • 戦国時代に突入する直前の、混乱した室町時代後記。
    仏教勢力が支配する大和国を中心に、応仁の乱の起こる背景、直接の切っ掛け、戦況をつぶさに記します。
    近年の歴史研究の飛躍的な発展を反映させており、紋切り型でない実情を交えた記述に感じるところが多くありました。
    実際の領地支配の様子、地域支配者同士の小競り合い、室町幕府と有力な大名との関係などがわかりやすく感じました。

    その後の戦国時代に織田信長が仏教勢力に手を焼きつつ徹底的に武力でけりを付けようとするのも尤もだと思う一方、筒井氏を守護に任命したあたりが、改革の放擲とも感じられる、破滅への転換点だったのかも。少々飛躍して思いを馳せました。(結局豊臣秀吉の時代に、筒井氏が伊賀に移封され、仏教勢力による支配は終わるわけですが)

    江戸時代の講談などを元に、俗説を元に語られる事の多い、歴史ものとは一線を画し、最新の歴史学の成果を誠実に、しかもわかりやすく示した良書だと思いました。

  • 2021/2/13購入
    2021/3/23読了

  • 先日読んだ,上念先生の「経済で読み解く日本史」の室町時代編で,応仁の乱はちょっと調べると面白いんではないのか?と思い,読んでみたというのが本書を手に取ったきっかけです。

    本書は,奈良の興福寺に縁の深い二人の僧侶が当時つけていた日記をベースに,応仁の乱のあらましをとらえていこうという意欲的な書籍だったと思います。正直この辺りの知識はほぼ素人同然で,知識ベースが0に近いという状態でした。なので,本書を読み終えた最終的な感想としては,この当時の将軍の名前が似すぎていて誰が誰だかよく分からなくなる,ということでした。

    思えば私が高校時代に日本史の専修を諦めた大きなポイントは,江戸幕府の将軍の名前似すぎている問題,にあったのだということをふと思い出しました。というわけで前提となる人物の背後関係をある程度理解されている人であれば,本書はかなり面白く読めるのだと思うのです。しかし,時の権力者がいついつどこどこで誰それと戦ったという歴史の羅列は,どうしても頭の中にすっと入ってくるものではないということに改めて気づかされた一冊であったように思います。

    最後のポイントで,応仁の乱が第1次世界対戦と似た構造を持つという解説は非常に興味深かったです。第1次世界対戦で戦ったドイツやフランスやイギリスは,元々全面戦争を最初から望んでいたわけではなく,グダグダの戦いのあと最終的にはヨーロッパ全体の没落を招いたと言えます。

    一方で応仁の乱も,東と西に分かれた大名は全面戦争を望んでいたわけではなく,東西両軍ともに短期決戦を希望していたそうです。しかし,戦争が長期化し足軽などが動員される総力戦の様相が呈されることによって,グダグダが続き,参戦大名達の没落を尻目に戦国大名が台頭してくるというのです。

    このあたりは,戦術の革新なんかも理由付けになるというのが面白かったです。応仁の乱は足軽を使った輜重線の攻撃や,お堀の機能的進化による籠城戦的様相を呈していたというのだそうです。世界大戦でも,塹壕戦によって,戦争の期間が長引いだそうなのですが,そのあたりとの相似性も考えられて,面白かったです

  • 各メディアで紹介された話題のベストセラー。かつてない明快さと圧倒的な筆力!
    室町後期、諸大名が東西両軍に分かれ、京都市街を主戦場として戦った応仁の乱(1467~77)。細川勝元、山名宗全という時の実力者の対立に、将軍後継問題や管領家畠山・斯波両氏の家督争いが絡んで起きたとされる。戦国乱世の序曲とも評されるが、高い知名度とは対照的に、実態は十分に知られていない。いかなる原因で勃発し、どう終結に至ったか。なぜあれほど長期化したのか・・・・・・。日本史上屈指の大乱を読み解く意欲作。
    (本著裏帯裏紹介文より)

    2020年大河ドラマ『麒麟が来る』の主人公が明智光秀。描かれる時代が室町時代末期から安土桃山時代で『応仁の乱』のその後になっていたことが実に良いタイミングでした。
    ドラマで聞いたことのある人物名が出てきたり、応仁の乱から戦国時代にかけての期間が100年にも及ぶことをドラマで言われたり、本とドラマが良い感じでリンクしていて面白かったです。特に戦乱が100年にも及ぶ、ということが自分の中で改めて浮き彫りになったことで『江戸時代の平穏が200年に及んだのは世間が平穏を切望していたから』と実感できたことでしょうか。

    私、日本史は○○時代って覚えています。
    『平安時代⇒鎌倉時代⇒室町時代⇒戦国時代⇒安土桃山時代⇒江戸時代⇒明治・大正・昭和・・・』って感じで。
    でも江戸時代から明治の間には幕末の動乱があり、京都・江戸・北陸・東北と続く内戦が存在するんですよね。そういう意味でいうと室町から江戸の間にも戦国時代が存在しているわけですよね。その戦国時代の引き金になったといわれる『応仁の乱』。

    ということで、判りにくいことで有名な『応仁の乱』を判りやすく解説している。
    という評判を聞いて読んでみました。
    正直、まだしっくりと来ていないです。出てくる人物が多すぎて自分の中で上手く咀嚼できていない、といったところでしょうか。
    あと2~3回、読んでみないと自分の中に入ってくれないかな、と思っています。
    司馬遼太郎の幕末モノを、複数作品・何度も読んだことで、幕末史を覚えることができた経験があるので。

    不満点は一つ。
    人物のフリガナを振ったり振らなかったり、というところ。読み方、一回では覚えきれません。ずっとフリガナ振ってほしかったw

  • 今までほとんど関心のなかった時代だったので、新しい発見があって面白かった。この時代の権力者や武将の名前もほとんど知らないうえに、登場人物が多くて読むのに時間がかかった。

  • 応仁の乱の全貌が結果的に乱の発生につながった紛争にまでさかのぼり、そこから丁寧に時系列に追って書かれている。応仁の乱の原因は単純な対立構造によるものではなく、対立の背景に加え偶発事象や意図の不一致などが重なったことが分かり、応仁の乱の全貌がある程度整理された。現実世界を単純化してとらえようとする風潮もあるが、この本はそうした風潮を否定し、複雑なままとらえる必要性を伝えるものであろう。

  • 京都や奈良(特に京都が顕著)のお寺をめぐっていると、「室町時代に戦乱で失われ…」とか「応仁の乱で焼けて」という説明に出会うことがそこそこあります。京都や奈良周辺での貴重な文化財の多くを短い時代で一気に焼失させてしまった応仁の乱、あれがなければもっとたくさん素敵な仏像が残っていただろうに…と以前から思ってはいたのですが、乱そのものについては教科書で習ったレベルしか知らなかったので、読んでみました。

    この本は、2016年の出版当時、面白いと評判になり、書店で平積みになっていたのをよく見かけました。「応仁の乱」という戦乱の名称、細川氏と山名氏が関わっていたらしいということ、京都が焼け野原になるくらいの大きな戦乱だったこと…くらいは誰でも知っているけれど、なぜ始まってどう終わったのかがよく分からない。そこに焦点を当てて歴史上の大きな転換点として分析されていたことが新鮮だった、ということのようです。

    奈良の興福寺に関わる幹部僧侶2人が残した日記の記述を軸にして、応仁の乱がどのような課程を経て混迷を極めていったのかが記されています。京都からほど近い奈良で、広大な領地と勢力を持っていたであろう当時の興福寺は、寺の領地の支配や収税権に影響するのかという意味で巻き込まれる立場でもあり、時には大名たちの避難場所にも戦場にもなるということで、他人事のような自分ごとのような、微妙な立ち位置にあったようです。

    著者によると、応仁の乱は、きっかけそのものは2つの家での利害対立からだったかもしれないけれど、各陣営が他の大名を自陣に引き込んで当事者が増えたことで、戦争の獲得目標が膨れ上がった(参加・援護する以上、各大名それぞれが成果を求めるから)、それがゆえに戦いが長期化し、被害も増大、そうなるとますます”戦争で払った犠牲に見合う成果”を求めてさらに長期化する…という悪循環になってしまった、ということだそうです。

    将軍家、大名の家々それぞれでの勢力争い・跡目争いが入り乱れるので、登場人物が多すぎる、さらにみんな似たような名前である(親だの兄弟だの親戚だの…一字違いだったりしますから)、そのうえ一人の人物でも時代時代で改名してる人もいる…そんな事情もあり、ものすごい数の人の名前が登場し、読んでいる私は常に大混乱。一人ずつの人物理解は早々に諦め、どこかの時点からは、「東の人」「西の人」くらいに読み替えて読み進めてしまいました(当然ながら寝返る人もいるのでまたややこしい)。
    というわけで、本の内容・詳細を隅々まできちんと理解できたかどうかは甚だ心もとない。ただ、”優柔不断なリーダーの下で混乱した時代だった”、というような単純なものでもなく、いろいろな人が何とか生き延びようと考えながら動き回ったらしいことがなんだか見えてきて、ぼんやりしていた「応仁の乱」がリアルなものとしてイメージできたような気がしました。

    また、日本史の流れで見ると、応仁の乱の前までは、幕府の指示で多くの大名が京都に住まいを構え、それがゆえに武士の文化への関心が広がったり、地方への京都文化の展開があったようですが、乱の後は、ほとんどの大名がそれぞれの国に戻り、その地方での支配も幕府が保証するのではなく実力で確保していく、地方の時代が始まったという点でも大きな転換点になった、ということのようです。

    さらには、応仁の乱は「京都で起きた騒乱」と勝手に思い込んでいましたが、実は奈良や大阪(河内)エリアでもかなり重要なプレーヤーが活躍(暗躍?)していた模様。徒歩や馬で移動する時代だったろうに、畿内エリアを結構縦横無尽に行き来(攻めたり攻められたりも含めて)していた様子が分かったのも興味深かったです。

  • 出てくる人物が多く、二度目の断念。

  • 応仁の乱について、著者の意見が述べられている。

    「はじめに」と「終章」に特に著者の意見が書かれており、他の部分は補足資料的な側面が強い。(まぁ、そもそも形式的にそういう本である。)

    なので、それら2つの章を読んで、気になった部分だけ他の章を読んだ。
    応仁の乱の展開が整理されていて、資料として面白く読めた。また、足軽の誕生などの副次的なお話も興味深くて良かった。

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著者プロフィール

国際日本文化研究センター(京都市)助教。専門は中世の日本の歴史研究。著書に「日本中世への招待」「陰謀の日本中世史」など。

「2020年 『1偉人1分 まんがでサクッと日本史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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