カラー版 - 地図と愉しむ東京歴史散歩 地下の秘密篇 (中公新書 2403)

著者 :
  • 中央公論新社
3.16
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本棚登録 : 144
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (157ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121024039

作品紹介・あらすじ

見えない世界へようこそ-丸ノ内線はなぜあちこちで地上に顔を出すのか。三田線の終点は他線と接続しない西高島平になぜなったのか。東京の地下鉄にはたくさんの秘密が隠されている。ほかにも霞が関・市谷・麻布・上野など、あちこちにあった巨大な地下壕の跡、日本最大の怨霊である崇徳院をまつった神社など、日常では目にすることの少ない東京の姿を、地図と模式図とカラー写真で紹介する。好評シリーズ第5弾。地下にはドラマあり。

感想・レビュー・書評

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  •  都心を走る地下鉄、都心にあった戦時中の地下壕、あとは神田明神の将門みたいな怨霊についてと、団地について、今の姿になった経緯をカラーの写真とともに説明したもの。
     直前に読んだ同じ著者の『地図と愉しむ東京歴史散歩』が意外と面白かったので、地下系の話も好きなので、こちらも続けて読んでみた。調べてみると「地形編」とか「都心の謎編」とか「お屋敷のすべて編」とか出ているらしいが、その中では最も新しいもの。ただ正直言ってそんなに面白くなかった。特に怨霊と団地は地下とどういう関係がある??地下鉄と地下壕もまあまあ面白かったけど、期待したほどではなかったかなあ。地下鉄だったら地下鉄に特化した本を読んだ方が良かったかも。最初に載っている地下鉄の高低差の図はインパクトがすごい。本文で一番印象的だったのは、「昭和四二年九月一九日、千代田線の工事現場では不測の事態が発生した。不忍池の水面下の工事中、締切堤防が突然決壊して、約二万トンともいわれる池(西側の池之端ボート池)の水が工事中の地下鉃トンネル内に流入してしまった」(p.34)という話。「駆けつけた公園職員は、池の底で跳ねるコイやライギョ、ウナギなど数百匹を隣のハス池に移す作業に追われた」(p.35)ということで、その写真も載っている。
     あと「皇室の防空対策」の話は面白い、というかそれこそ謎。皇居とか国や軍の施設なんてどこまでも謎だから、何を取っても興味深いのだけど、「半世紀ぶりに公開された御文庫附属室」(p.53)の写真とか、すごい秘密を垣間見ている感じなのが面白かった。
     他の話は面白いとは思ったもののそんなに惹かれる話ではなく、団地、とかまったくおれに無縁なので、最後の方はやや退屈してしまった。(23/03)

  • この作者、東京が絡む本を出すとメインが地形であろうと鉄道であろうとお屋敷の話を延々とする癖があるので回避していたのですが、古本屋で220円だったのと地下の秘密ならお屋敷は出てこないだろうと思って買ってきたのでした。まさか後半が団地の話になって延々とこの団地は元々○○のお屋敷と書き連ねているとは思いませんでしたわ……。
    とりあえず、お屋敷の出てこない前半は面白かったです、はい。

  • 2021年1月期の展示本です。
    最新の所在はOPACを確認してください。

    TEA-OPACへのリンクはこちら↓
    https://opac.tenri-u.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=BB00494989

  • 地図で愉しむシリーズ、5冊目。
    いつも思うのだが、やはり地図で愉しむには新書版は小さすぎる。
    今回は地下鉄を中心とした地下にスポットを当てたものだが、半分以上進んだところでネタ切れ…。別テーマに移ってしまった。
    残念。

  • 東京近郊に住む人ならたいてい、ざっと地下鉄などの路線図はおなじみですよね。
    もちろん 他の地域でも JRや私鉄などの交通網を利用する人には見慣れたものでしょう。
    この本を読むまでは、この路線図を平面的にしか考えていなかった。!!(>д<)ノ
    もちろん 地下鉄の駅がどんどん深くなっていることは感じてはいますが、
    初めて路線の高低をあらわした図を見た時は、びっくり。
    それからしばらくは、地下鉄に乗るときは現在地に該当する高低図を見ながら、
    今登ってる! とか 下りだ! なんて 体感していました。
    面白い!

    第1章 「深すぎる地下鉄、浅すぎる地下鉄」を読み終えたらなんだか満足して
    それ以降は あまり印象に残っていません。
    でも、サブタイトルに 惹かれて 数冊借りた 東京の地下に関する本のうち これだけ読破しました。 (*^_^*)♪

    カラー版 - 地図と愉しむ東京歴史散歩 地下の秘密篇 (中公新書)

    内容と目次は

    内容 :
    地下鉄の丸ノ内線はなぜあちこちで地上に顔を出すのか。
    霞が関や市谷などにあった巨大な地下壕の跡、日本最大の怨霊である崇徳院をまつった神社…。
    たくさんの秘密が隠された東京の地下を、地図と模式図とカラー写真で紹介。

    目次 :
    第1章 深すぎる地下鉄、浅すぎる地下鉄
     (銀座線と丸ノ内線 日比谷線と都営浅草線 東西線、千代田線、都営三田線
      深すぎる地下鉄、複雑化する乗り継ぎ)

    第2章 都心の地下壕の話

    第3章 怨霊神の系譜

    第4章 団地の土地を読み解く
     (東京に団地が根づいた理由 団地の土地の来歴を探る)

    著者 : 竹内正浩
    1963年愛知県生まれ。北海道大学卒業。文筆家。地図や近現代史研究がライフワーク。
    著書に「写真と地図でめぐる軍都・東京」など。

    2017/06/05  予約 6/8 借りる。6/9 読み始める。7/20 読み終わる。

  • 地下鉄、地下壕、怨霊を、非日常を地図と共に、著者が解説する。
    知らなかった、違った東京の歴史を教えてくれる。
    カラーは親切なのだが、解説があっさりしすぎたところが、難点。

  • 半分が、地下鉄の話。情報いっぱい、面白い。
    2章の地下壕は地下だが、3-4章は地上の話。

    あまりに情報が多く、土地勘のないわたしには読み勧めるのが大変だった。

  • 面白い! 地下鉄の話題でずっと引っ張って欲しかった!

     都心の地下を走る地下鉄線の断面図が載っていて、地中の高低差が見て取れるのが本書の白眉。
     その高低差図を見ながら、開設された歴史的背景、東京都の地形としての制約、そしてそれだけでは説明のつかない謎の存在などが小気味よく紹介される。
     丸の内線や銀座線の古い路線の逸話などはたびたび耳にするが、近年新しく延線された路線の話も面白い。電車は駅を出てまず下り、次の駅に向かって登っていくジェットコースター式(すり鉢状のアップダウン)になっている。理由は電気代節約のため。年間15億円の節電効果があるのだから、この手間のかかる施策も侮れない!
     本書を片手に地下鉄を乗り回してみたくなる。

     本書はシリーズもののようだ。同じタイトルで、地形編、都市の謎編などが出ている。本書は「地価の秘密編」ということで、地下鉄のウンチクの他、地下壕、怨霊、団地の秘密と章が続くが、地下壕以外は必ずしも”地下”に直接関連はない。
     関連なくても、明治維新の折、崇徳上皇の怨霊を鎮めるため王政復古の大号令の前に鎮魂の催事が、近代の世にまことしやかに行われたというのは面白い。
     団地の話も高度経済成長のあの頃、昭和を懐かしむ意味では興味深い(団地の語源、団地の三種の神器のひとつが内風呂”バランス釜”だった等の話)だが、本書にまとめてしまうのはいかがなものか。これはこれでもっと深堀りの出来るテーマだと思うし、ちょっと惜しい後半の(やや)蛇足部分。

  • 半分ほどは、地下鉄にまつわる地下の話だが、残りは、今に伝わる様々なランドマークの由来に関する話。特に最後の方は、都心部に存在する巨大団地の由来を説明していて、その多くが、旧軍用地や旧名家の跡地などと言う解説がある。あまり知る人が居ないと言うそういう意味でも“地下の秘密”なのかな(笑)

  • <目次>
    第1章  深すぎる地下鉄、浅すぎる地下鉄
    第2章  都心の地下壕の話
    第3章  怨霊神の系譜
    第4章  団地の土地を読み解く

    <内容>
    このシリーズ、意外な視点で面白いんだが、今回は地下鉄部分が半分を占める。言われてい見れば、地下鉄は道路の下を通っていることが多く、上の道路の道幅がそのまま地下鉄にも反映されているのは当たり前。したがって東京の地下鉄が迷路状なのも、そこに一因があるわけだ。また下町の方が地盤の関係で、かなり深いところをとっているとか、電気を食わないように、ジェットコースター的に線路が上り下りしているとか、門外漢には面白かった。後半は、団地の部分をもう少し踏み込んでほしかったな…。

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著者プロフィール

1963年愛知県生まれ。文筆家、歴史探訪家。
地図や鉄道、近現代史をライフワークに取材・執筆を行う。
著書に『妙な線路大研究 東京篇』(実業之日本社)、『鉄道歴史散歩』(宝島社)、『ふしぎな鉄道路線』(NHK出版)、『地図と愉しむ東京歴史散歩』シリーズ(中央公論新社)など多数。

「2021年 『妙な線路大研究 首都圏篇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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