物語 ポーランドの歴史 - 東欧の「大国」の苦難と再生 (中公新書)

著者 : 渡辺克義
  • 中央公論新社 (2017年7月19日発売)
3.11
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  • レビュー :8
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121024459

作品紹介・あらすじ

十世紀に産声をあげたポーランド王国は、十四〜十六世紀に隆盛を極めるが、王朝断絶後、衰退に向かう。十八世紀、ロシア・プロイセン・オーストリアによる分割で国家は消滅。第一次大戦後に束の間の独立を勝ち取るも、第二次大戦中にはドイツとソ連に再び国土を蹂躙された。冷戦下の社会主義時代を経て一九八九年に民主化を達成。潜在力を秘めた地域大国は今、どこへ向かうのか。栄光と悲運に彩られた国と民族の歴史。

物語 ポーランドの歴史 - 東欧の「大国」の苦難と再生 (中公新書)の感想・レビュー・書評

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  • ポーランドの歴史をコンパクトにまとめた通史(2017/07発行)。

    本書は第2次大戦前後のポーランドの政治、外交などに重点をおいているため、通史とは云えやや偏りのある内容となっています。 又、比較的おおくのページを割いているワルシャワ蜂起の記述に付いては一部内容に間違いも見られ、微妙な感じの内容でした。

    期待していた程の内容ではなっかたので、個人的には残念な書籍です。

  • 小学生の時に初めてショパンを聴いてから、
    ポーランドは私にとって特別な国になりました。
    だから、「偏見でしょ」と言われること百も承知で、
    「ポーランドの歴史はショパンの音楽と重なります」と断言します。

    ロシアのチャイコフスキーやラフマニノフ、
    ドイツのベートーヴェンやワーグナーは
    「勝ち組の音楽」。
    それにくらべてショパンはつねに哀愁をおびている。

    ただ、「大国に蹂躙されて、ポーランドという国が消滅していた時期もあった」けれども、
    今は存在している。
    完全に消えてしまった国なんてたくさんありますよね?
    なのにポーランドはのこっているんだから、
    それは「強い愛国心のなせるわざではないか」と思う私。

    バッハの音楽にメヌエットとかガボットとか舞踏曲があるけど、
    愛国心など全く感じられない。
    ショパンのポロネーズ、マズルカ、ワルツには、
    彼のポーランド愛がすさまじく感じられる。
    ただただ明るいヨハンシュトラウスのウィンナワルツとはまったく別の。

    そして、この本で初めて知ったこと。
    ポーランド王家略系図があるのですが、
    そのうちの一人であるジグムント三世ヴァザ(在位1587~1632)。
    彼はポーランド史上、命を狙われた唯一の王なのです!
    ただし未遂。

    私はここ数年たくさんの歴史本を読んできましたが、
    王家が身内同士で暗殺なんて日常茶飯事じゃないですか?!
    ですから、そんなところにポーランド人の優しさっていうのか、
    うーん、なんていうんでしょう。
    大国と違う何かを得ることができました。

  • ベルギーに続いて、物語シリーズのポーランド。ベルギーもそうだがヨーロッパの歴史はむしろ小国から学ぶべきなのかもと思った。大国に翻弄され、綱渡りをし、時には国家としては滅亡し、また復活する。しかしその復活の際には領土は以前と違っている。感覚的にはそんなことあるの?という話が普通にあり、「固有の領土」という概念は、現実世界には存在しないこと理解させられる。その教訓のなかでは色々な問題があるとしてもEUの成立は画期的だし、存続することは重要なのだ。西洋文化だけを賛美する必要ははないが、両大戦の重みを背負った上での文化がそこにはある。

  • 中公新書の『物語~の歴史』シリーズ。ポーランドにも前から興味があるので、久しぶりに読みました。

    個人的には中世の話をもう少し読みたかったというのはあるのですが、近現代、とくに現代の話題はあまり知らなかったので楽しく読めました。
    紙幅の都合はあると思うのですが、章によっては事実を時系列に追うくらいにとどまっているところがあったので、もう少し深く知りたくなりました。

  • 王国の出現から現代に至るまでを網羅した、ポーランド歴史書です。
    強国に挟まれた立地が続き、強国でありながら苦難が続いてきたポーランド。
    やがて共産主義と全体主義の強国が生まれ、国境だけでなく民族的・主義的にも分断されてしまいます。
    戦争の見え隠れする時代での講和は、ポーランドにとっては嬉しいものではありませんでした。
    第二次世界大戦後の世界で、彼らはやっと自分たちのために生きることを始められたように思えます。
    情報量が多いですが、内容はとても難い一冊。

  • 東2法経図・開架 B1/5/2445/K

  • 手堅くまとまっている。ポーランドは理解の難しい国だ。まあ、理解の簡単な国などないが。読んでいて、また、読み終わって、暗澹たる気持ちになる。国家の発展の可能性は、ポーランドも日本もどこにあるのだろうか?

    蛇足だが、コラムがどれも面白かった。


  • 「ポーランド史は、『抵抗と挫折』という言葉で語られることも多い。その言葉どおり、独立を喪失している時代にあっても、ポーランドの民は抑圧に耐えるだけではなかった。この国の歴史を繙くと、『蜂起』と名の付く事件をたびたび目にする。『抵抗』こそ、ポーランド史のキーワードと言っていいだろう。しかし同時に、蜂起は毎回のように失敗し、その後が『挫折』で彩られるのもまたポーランド的であった。ともあれ過酷な運命に打ち克ち、不屈の精神を備えたポーランドの民の歴史に感動を覚えないわが同胞はいないだろう。」(p.ⅱ)

    「本書の執筆中に幾度かデジャ・ヴュ(既視現実)のようなものを感じた。ある事件について書いている時、これはすでに書いたのではなかろうかという感覚である。調べてみると、実際似たような事実が起きているのである。ポーランド人によるユダヤ人迫害・虐殺は、イェドヴァプネ事件(1941年)、キェルツェ事件(1946年)、三月事件(1968年)がそうであるし、大衆が指導者を熱狂的に迎え入れた出来事といえば、ピウスツキの場合しかり、ゴムウカの(復帰の)場合しかり、ワレサの場合しかりである。労働者の暴動で言えば、1970年と1980年は似ている。歴史的に見ると、先行する事件が教訓となった場合もあれば、そうならなかった場合もあり、人間の営みの不思議を見るような気がした。」(p.211)

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