- Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121024527
感想・レビュー・書評
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伊勢神宮に仕える未婚の皇女である斎王と、その住まいである斎宮について、飛鳥時代から鎌倉時代まで続いた歴史を様々な角度から紹介する内容。斎王個々人の素顔、古代都市としての斎宮、王権の分身としての意義など、興味深い観点が多く面白かった。
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この本を手に取ったきっかけは#fujinasubiさん描く#足利家の執事で井上内親王様に興味を持ち、もっと知りたかったかったことと、そもそも斎宮、斎王のことを全く知らんので、少しでも分かりたいと思ったが、逆に余計分からなくなった。今まで、伊勢の斎王が廃れてその代わりに葵祭の斎王が誕生したと勝手に思っていたが事実は全く違っていた。また、伊勢の斎宮と伊勢の神宮との関係が腑に落ちへん。なんで神宮を直接統治せえへんのか?なんで14㎞ほど離れたところに斎宮を設置したんか?斎王の普段の日常は、どんな感じだったのか?
そんな疑問の中でも興味が上乗せされたのが、井上様・酒人様・わさび姫様の直系の斎王様達だ。今の俺の考えは、恐れ多いことであるが光仁天皇は皇后様を売ったお人であると認識している。著者の論文を読んだが、それは俺にとってとても参考になったものだったので、思っていたことと違っていた。
やっぱり、万人受けを狙う新書は俺自身、もうそろそろこんなもんかなぁって思って読まなあかんなぁと自分自身を反省したことが、一番の収穫。(R03-0917) -
斎王の歴史がよくわかった
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2018.04―読了
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斎王歴史博物館のキュレーターによる、斎宮に関する概論書。
飛鳥時代から南北朝時代までの600年に渡り、伊勢神宮に仕えた60人以上の斎宮たちをピックアップして解説している。
斎宮の歴史や意義の他、彼女たちの生活や素顔に迫り、古代史観に新たな光を当てている。 -
歴史好きというと戦国時代や幕末になってしまうけれど、日本という国を考えたとき、古代史のことを見逃すわけにはいかない。
今回は天武政権から制度化されたと言われる斎宮の変遷とその歴史を概観する作品。 -
天皇の代理として未婚皇女が伊勢に赴き、神に祈りを捧げる――。『伊勢物語』や『源氏物語』にも描かれたプリンセスたちの素顔とは?
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本書は、飛鳥時代から鎌倉時代まで、天皇の代替わりごとに占いで選ばれ、伊勢神宮に仕えた未婚の皇女である斎王と、その住まいである斎宮について、特に斎王個人を取り上げることにより、その歴史を浮かび上がらせている。
斎宮という現代ではなじみのない世界について手頃に知るにはうってつけの一冊である。
他の古代発祥の諸システム(天皇、上皇、摂関など)と異なり、斎宮はなぜなくなってしまったのか、という問題意識とそれに対する答え(古代の日本「国」の成立とともに、それを象徴するものとして形成された「斎宮」制度は、中世の日本「地域」の成立とともに、終焉することとなった)も興味深かった。 -
斎宮全体についてや個々人の斎宮についてなど章ごとに面白く読めた。
突然の小説調はいったい…と思っていたら、あとがきに氷室冴子先生へのオマージュと書いてあって納得。
個人のエピソード部分を読むだけでも面白い。 -
書籍についてこういった公開の場に書くと、身近なところからクレームが入るので、読後記は控えさせていただきます。
http://www.rockfield.net/wordpress/?p=10564 -
東2法経図・開架 B1/5/2452/K
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タイトルで購買意欲をそそられる(笑)
私の中の斎王と言えば、例えば『伊勢物語』の密通事件であり、『狭衣物語』の源氏の宮(こちらは斎院だけど)の可憐なイメージ。
聖女として、彼女たちはどんな働きをしていたのか、またどんなドラマがあったのか、気になって仕方がない。
ただ、斎王ドラマに関してはやや読みづらく、第4章・第5章のまとめでもう一度全体が振り返られるので、そこからでも良いかも。
あとがきには第2章からがオススメと書かれているので、人によりけり。
天照大神と天皇を繋ぎしモノから、時の流れ、まつりごとの中で形骸化し、衰退してゆく。
けれど、その儚さにしろ、嘆きにしろ、京の都から遠く離れた土地に築かれた小都市の中で隠れて生きる乙女の姿は、想像を掻き立てられる存在には違いない。