日本史の内幕 - 戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで (中公新書)

著者 : 磯田道史
  • 中央公論新社 (2017年10月18日発売)
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  • レビュー :41
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121024558

作品紹介・あらすじ

豊臣秀吉と徳川家康が転機を迎えた「史上最強のパワースポット」とは。秀頼は本当に秀吉の子なのか。著者が発見した龍馬や西郷の書状の中身は。「昭和天皇を育てた男」の和歌集に秘められた思い――。当代随一の人気歴史家が、日本史の謎の数々に迫る。古文書の中から見えてくる、本当の歴史の面白さがここに!

日本史の内幕 - 戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで (中公新書)の感想・レビュー・書評

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  • 著者は15歳の時に地元の古本屋さんで古文書解読用の事典を買い、そこから古文書が読めるようになっていったという。
    今では、紙質と書体で書かれた年代が大体分かるのだとか。なんと羨ましい。
    そんな著者が、歴史の現場で残された遺留品=古文書から歴史の内幕をみて、そこから物事を考えようというのが本書の主旨。
    新聞や雑誌に掲載された文章をまとめたものなので、ひとつがそれぞれ3ページずつと大変短い。読みやすさもあるが、あっけなさ・物足りなさもある。
    壮大な歴史ロマン秘話などではないのでそこはご注意を。(タイトル、少し盛りすぎかも・笑)

    「武士の家計簿」と「殿、利息でござる!」は見ておいて良かったと、まずはほっとしている。
    第1章で盛んに登場する。
    そうそう、古文書を入手するまでの過程と、古文書の縁が縁を呼ぶ人間関係も詳細に書いてあり、そこも興味深い。
    特に面白かったのは4章の「この国を支える文化の話」。
    能は見るより舞うもの、毒味をさせた毒味役、かぐわしき名香の物語、秘伝書が伝える生け花の化学、上方の富くじは太っ腹、江戸期の婚礼マニュアル、などが楽しい。
    また、寺子屋文化の遺産と、日本人は本が作った国に生きているという記述で、メディアでお見かけする穏やかな顔の著者とは違い、熱く語っている。
    ここで7ページをさいて、日本が独立を保ってこられたのは自らの出版文化を持ち独自の思想と情報の交流が行われたからだと主張する。この歴史の重みを、もう一度かみしめた方が良いと。
    粗製乱造を廃して出版物を吟味し、良い著者を育てていかないとね。
    それには、私たちが良い読者とならねば、である。

    更に貝原益軒の「養生訓」が後世にまで残したもの。
    文章家としての司馬遼太郎がどのように生まれたか、などを読むと、まるで日本人の心のルーツを紐といているような面白さを感じる。が、どちらもやはり短い・笑
    たぶん、これ以上のことは自分で調べてねということかな。
    歴史に興味を抱く入り口として、間口も広いし分かりやすい一冊。
    ラストは熊本城石垣の補強法が書かれている。
    文化財も人間も安全に守れる復興が、すみやかに進みますように。

    • けいたんさん
      こんばんは(^-^)/

      先日磯田さんの講演を聴いてファンになりました(⁎˃ᴗ˂⁎)
      進行の方がテレビによく出ていると言っていたのですが、記憶になく…。
      とても面白いお話で本も読んでみたくなりました。
      nejidonさんは知っているのですね。
      またまた参考になりました(^-^)/

      先日の返信もさせてください。
      私も一気に親近感アップです!
      だって、桃李くん仲間ですものね〜♪
      これからもよろしくお願いします(⁎˃ᴗ˂⁎)
      nejidonさんはnejidonさんのままでですね。

      黒兎のことも見てもらって嬉しいです♪
      「しろいうさぎとくろいうさぎ」は名作ですよね〜
      黒兎を抱っこしたらどうなるか…
      正解は蹴られます(笑)
      うさぎは臆病なので逃げようとしますね。
      でも、随分と慣れて最近では結構抱っこさせてくれます。
      2018/02/18
    • nejidonさん
      けいちゃん、こんばんは(^^♪
        ↑
      (きゃあ!きゃあ!なんだかすごい!)
      コメントありがとうございます。
      はい、磯田さんはよくテレビにも出ていらっしゃいますよ。
      とても気さくな感じの方で、歴史のことを楽しそうにお話されます。
      講演会に行かれたのですか?わぁお、羨ましいです!面白かったでしょうね。

      おお、まさかの桃李君仲間だとは!彼のファンはとても多いですね。
      あまりTVドラマは見ないのですが、数年前の大河に出演していて、それで一気に好きになりました。
      ええ?あの可愛いうさぎさんは抱っこすると蹴るのですか?  知らなかったわ・・
      そうか、怖がらせないように気を付けないといけないのですね。
      いつも猫とばかり一緒にいるので、可愛い=抱っこになってしまいます。
      では、エア抱っこでもして喜ぶことにします(笑)。
      2018/02/18
  • 古文書オタクとも称する著者の本領発揮ともいえる、古文書から解き明かした「日本史の内幕」エッセイ。
    歴史好きの読者なら、見逃せない一冊。
    目次だけを見ても、興味津々となる。
    「城の便所の天井は高く」「美女処刑と信長の死」「龍馬が導いた西郷書状」「吉田松陰の複雑な側面」「江戸期の婚礼マニュアル」…etc
    歴史の実像は、古文書という一次情報からしかわからないと、著者は説く。
    歴史を語る一方で、現代の課題にも言及する。
    古代の中国人韓信の自制の故事を引いて、かつて日本は大和魂を叫び中国を馬鹿にして韓信の自制を失って失敗したが、いま大国意識を振りかざす中国も、自制を失うと同じ陥穽にはまるのではないかと。
    さらに、他のアジアの国々と違い、日本が植民地とならずに独立を保ってこられたのも、江戸時代が世界一の「書物の国」で自らの出版文化を持ち独自の思想と情報の交流が行われたからと説き、粗雑本を濫造する現状の出版界を自戒する。

  • 先祖が戊辰戦争に参戦していたことを知った
    15歳の磯田少年は「日本史の現場を見たい!」
    と、地元の古書店に向けてペダルを漕ぐ。
    500円で古文書解読事典を購入。
    以来、様々な参戦者の残した記録を
    解読していき、やがて眼前には
    戊辰戦争の実像がありありと立ち昇る。
    本書は著者がこれまで読み解いた
    古文書を手掛かりとし、
    山川の教科書には出てこない、
    戦国期から江戸・幕末期にかけての「細部」に
    フォーカスしたエピソード60話余を収録。

    学校で学ぶ歴史は、日々の営為の集積記録を
    「国造り」「戦さ」「政治行政政策」といった
    視点で切り取ったものを概観しているに過ぎない。
    ずっと戦さをしているわけではないのに
    ついついそういう印象を抱く。
    「安土桃山時代は昨日までで、
    今日からは江戸時代なんだ!」なんて、
    当時の人々は知ったこっちゃなく、
    後世、学者が便宜上「政権交代と遷都」で
    時代を区切ったに過ぎない。

    著者の歴史開陳話が面白いのは、
    フィルターのかかっている
    二次・三次資料でない、
    あくまでも一次史料の古文書の山に分け入り、
    「真相」という果実を掌中に
    しっかと収めているから。

    例えば、家康が武田信玄に大敗を喫した
    三方ヶ原の合戦も、家康の視点と信玄の視点で
    書かれた古文書では、 群勢の数からして
    まったく異なる。
    そう、時の権力の都合で、
    いつの世も情報は操作されるのである。

    今日、我々が英雄と見なしている龍馬だって
    徳川や会津側から見れば、
    一介の浪人テロリストである。
    歴史というのは実に振り幅が大きいことを
    教えてくれる格好の書でありました。

  • 歴史を専門とする大学教授の多くは「お勉強ができたからこの道に進んだ」という印象を受けますが、磯田さんの場合は「もう歴史が好きで好きでたまらない人」という感じがします。
    デートをしていても歴史について延々と語りそう。

    磯田さん自身も
    「私はなかなか結婚できなかった。古文書のオタクだから仕方がないと、あきらめていた」
    「ところが、変わった女もいて、あるとき突然結婚でき、子供も生まれた」
    とおっしゃっています。
    しかも、お子さんのお名前は磯田道史の「道」をとって「道真」だそうです。
    菅原道真…。

    興味深く読んだのは、京都で香を聞いた話。
    じつはこれ、林真理子さんのエッセイでも読んでいて、
    磯田さんが同席されていたことは知っていました。
    しかし真理子さんに比べて磯田さんは予想通りマニアック。
    このような形で一つのイベントをいろいろな方のエッセイで読むのも、乙なもの。

    そしてこの本の登場人物で私の好きなベスト3。
    仙台近郊の浅野屋甚内&穀田屋十三郎兄弟。
    備中松山藩の山田方谷。
    下野国佐野の中根東里。

    食べてみたいのは浜松の「もちかつお」。

  • 古文書、1次資料を重視した、雑学エッセイ。
    面白かった。
    ふつうの歴史本では、あまりとりあげられない雑学が多く、どれも楽しい。
    個人的には、大河ドラマ「真田丸」「おんな城主直虎」まわりの情報が、興味深い。
    ひとつひとつの文章は短く、小ネタをたくさん集めた本。
    気軽に読めて、いろいろ知れる。

  • ★3.5
    様々なテレビ番組にも出演されているらしいけれど、失礼ながら磯田先生を本書で初めて知った。過去に映画「武士の家計簿」を観ていたというのに…!が、本書と出会って、古文書から紐解く歴史にすっかり魅せられてしまった。ただ残念なのは、新聞等での連載を纏めたものとなっているため、ひとつのテーマに割かれているページ数が少ないこと。本当は、もっともっと掘り下げてほしかったし、さらにどっぷりと古文書に浸らせてほしかった。それにしても、磯田先生の古文書に対する情熱とフットワークの軽さが凄い。他の著作も是非読みたい。

  • 未知の古文書を見つけた時の磯田先生の興奮がとても良く伝わってくる。読みながら一緒になってゾクゾクしてしまう。

    好きな題は「「寺子屋」文化の遺産」と「我々は「本が作った国」に生きている」だ。
    日本文化に誇りを持てる。
    鎖国しているからと言って教育が遅れているわけではなかった。むしろエリートだけではなく、一般人の常識的知識の発達した国だった。

    「災害から立ち上がる日本人」も興味深い。
    400年前にも同じパターンで地震が起きていたとは知らなかった。

  • 古文書をベースに日本史の裏側を説明する。古文書を見つけて解読し、それを書いた人や当時の生活に思いやるのは簡単なことではないとは思うが、筆者の解説でその面白さが垣間見えた。本の中で紹介されていた映画「殿、利息でござる!」も観てしまった。

  • 帯には「小説や教科書ではわからない魅力」とある。
    著者ご本人も、まえがきで「教科書的な、表向きの歴史理解にとどまって、歴史常識を維持したい方は、読まれないほうが良い本かもしれない」と述べている。

    自分はどちらかというと、「歴史は暗記」というイメージを持ち続けていた。これは学生時代の教師が良くなかったのだと、本書を読んでやっとわかった。小学校や中学校の先生が、著者のような先生だったら、きっと歴史の授業は楽しくて仕方がなかっただろう。

    著者は、古文書を読める。ダイレクトにその時代と接点を持つ。誰かから聞いた間接的な情報ではなく、自分の目で直接真実を追求し、そこから見えてくるものをさらに深堀していく。

    通りいっぺんの教科書の歴史は無味乾燥だが、本書を読めば、生々しい当時の真実にアプローチする著者とまるで一緒に古文書を読んでいるかのようで、もっと言えば時代をさかのぼってその時代の現場までいってしまったようなリアリティを感じることができる。

    卑弥呼の時代には卑弥呼の時代の現実があり、家康の時代には家康の時代の現実があったんだな。今とは異なる戦国時代のトイレの実情があったんだな。戦いだけが歴史ではなく、能にも、香にも、生け花にも、そういう文化的なものにも歴史というものがあるんだな。・・・とそういう風に、リアリティを感じさせてくれるのが、磯田氏の歴史であるなと思う。

  • 日本史関連のエッセイ集。
    得意の古文書解読から、それに係わる地への探訪、
    著者が係わった映像やTV、近々の話題等の話も楽しい。
    連載の関係で、短文ばかりだけど、人名索引があるから、
    気になったら読み返しが出来るのも親切。
    西郷隆盛や井伊直虎、築山殿・・・んん?と
    目が留まる内容が多く、
    日本史への興味を大いに掻き立ててくれました。

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