日本史の内幕 - 戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで (中公新書)

著者 :
  • 中央公論新社
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レビュー : 108
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121024558

作品紹介・あらすじ

豊臣秀吉と徳川家康が転機を迎えた「史上最強のパワースポット」とは。秀頼は本当に秀吉の子なのか。著者が発見した龍馬や西郷の書状の中身は。「昭和天皇を育てた男」の和歌集に秘められた思い――。当代随一の人気歴史家が、日本史の謎の数々に迫る。古文書の中から見えてくる、本当の歴史の面白さがここに!

感想・レビュー・書評

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  •  古文書に書かれた内容から、歴史の真相に迫る手法がとても面白いです。
    (一般担当/カリカリ)令和元年9月の特集「戦国時代」

  • 磯田氏の本はこれで四冊目になります。この本では、日本史における様々な人の素顔に触れることができます。あたかも、タイムマシンに乗って、その時代を垣間見ている気分になれます。

    実際に行く旅行も楽しいものですが、磯田氏が調査した膨大な文献から、イメージが湧きやすいように文章を書いていただき、それを読むだけでその時代にタイムスリップした気分にさせてもらえる、ある意味贅沢な時間を味合わせていただきました。磯田氏は、しばらく追いかけてみたい人の一人ですね。

    以下は気になったポイントです。

    ・古文書が読めない書き手が書いた歴史叙述は、情報をどこからかコピーして借りてこないといけないから面白みがなくなってしまう。このようなコピペとフィクションの歴史叙述が巷にあふれている(前書きp3)

    ・世界は宗教戦争の巷だが、この国にはその風景はない。信長・秀吉時代に武家勢力=天下人が強大化して、宗教勢力が折り合って共存を図ったから。本願寺は秀吉への戦争協力の見返りに、大坂天満での本願寺の維持を許された、籠城できないように塀・堀のない寺にすることで折り合った(p15、17)

    ・加藤左馬之助嘉明は、豊臣・徳川に仕えた勇将、賤ヶ岳の七本槍の一人で、最後は会津43万石となった(p20)

    ・四度目の5月25日の大空襲で、皇居は宮殿をほぼ失った、この頃、皇室の男子は全滅を避けるため分散されていた(p48)

    ・三方ヶ原の戦いにおいて、家康は信長から、九頭(一頭に二千百ずつ=約2万人)に及ぶ援軍をうけていた、その援軍は浜松城、三方ヶ原、岡崎城、吉田城、白須賀にかけて分散配備されていた(p69)

    ・家康は大坂城を落としてから一か月近く捜索させて、精金1万8000枚、白銀2万4000枚を発見、回収している(p81)

    ・家康は水戸藩を成立させるにあたり、武田・北条・今川など、かつて敵対し滅亡した戦国大名の家臣を採用した、さながら敗者復活藩となった(p87)

    ・香道では、お香をかぐことを「聞く」という(p131)

    ・江戸期の史料をみる限り、婚礼は、1)夜間に、2)自宅で、3)神主の関与なし、で行っていた。神の前で誓いを立てる神前結婚は明治以降につくられたもの(p143)

    ・江戸時代は、権力者に武力が集中しているだけで、富や知識の面は格差がすくなく、ひろく庶民まで行き渡っていた(p148)

    ・日本では江戸時代に出された様々な本が、職業知識・礼儀作法・健康知識などのインフラを築いていた、そこが中国や朝鮮と決定的に異なる(p153)

    ・日本が独立を保ってこられたのは、島国だからではない(フィリピン、スマトラも植民地)、自らの出版文化を持ち、独自の思想と情報の交流が行われていたから(p156)

    ・新政府が独自の経済基盤を持つには、新政府が金札(紙幣)を発行して、通貨発行権を徳川家から回収してしまうこと(p166)

    ・鳥羽伏見の戦い、薩長はすんなり勝てると思っていなかった、旧幕府軍の兵力は1万五千と圧倒的、新政府軍は5千、フランス式歩兵が前に出てくれば負ける戦いであった(p170)

    ・日本人の世界シェアが最高になったのは、元禄時代の5%、卑弥呼の時代(230年)は、0.3%であった。現在は2%程度、西暦2100年には1%を切ると予想されている(p195)

    ・江戸時代後期(1820)のGDPの推計によれば、アメリカを1とすると、日本は1.75、オランダは0.3、イギリスは2.8である。しかし1850年には、アメリカは日本の2倍に達する(p196)

    2019年8月14日作成

  • 少々、ミーハーっぽいところが鼻につくが、それも含めて、一次資料である古文書の解読からの歴史研究に対する愛情を感じる
    著者

  • H30.10.3-H30.10.28

  • 配置場所:2F新書書架
    請求記号:210||I 85
    資料ID:C0038408

  • 良い。
    磯田さんはいい人。手間を惜しまない。現代的な歴史学者。
    日本史の内幕というほど突っ込んだ内容ではない。エッセイ集みたいな印象。
    会津に戊辰戦争で亡くなった自分の遠い親戚の墓を探しに行くお話は感動した。

  • サクサクと読める。
    おもしろくないわけではないのだけれども、何かに連載していたものをまとめたもののようで、「武士の家計簿」とか「無私の日本人」と比べてしまうと少し物足りない感じがする。

    古典、原典を読まない歴史作家の作品はどうしてもエピソードの使い回しになるという指摘はあまりに鋭い。海音寺先生や司馬翁の作品に溢れる原典の手ざわりが、よりいっそうリアルに感じさせることを思えば、原典の重要性には大いに頷ける。

  • 図書館

  • 2019/03/24読了
    戦国時代から幕末期まで歴史の蘊蓄満載。古文書解読の結果を教えてくれる。

  • 日本史は昭和しか興味がなかったけど、もっと読みたくなった

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著者プロフィール

磯田道史(いそだ みちふみ)
1970年、岡山県生まれの研究者。茨城大学、静岡文化芸術大学などを経て、国際日本文化研究センター准教授。専攻は日本近世・近代史・日本社会経済史。
実家は備中鴨方藩重臣の家系で、古文書が豊富にあった。高校生のとき実家と岡山県立図書館の古文書を解読している。京都府立大学文学部史学科、慶應義塾大学文学部史学科を経て、慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。「近世大名家臣団の社会構造」で史学博士号取得。
2003年刊行の『武士の家計簿 「加賀藩御算用者」の幕末維新』が第2回新潮ドキュメント賞を受賞し、2010年森田芳光監督により『武士の家計簿』のタイトルで映画化し大ヒット。2015年には『天災から日本史を読みなおす』で第63回日本エッセイスト・クラブ賞を受賞。その他代表作に『日本史の内幕』などがあり、多くの新書がヒット作となっている。

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