脳の意識 機械の意識 - 脳神経科学の挑戦 (中公新書)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 330
レビュー : 21
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121024602

作品紹介・あらすじ

科学のフロンティアである「意識」。そこでは、いかなる議論がなされているのか。本書は、意識の問題に取り組む研究者による最前線からのレポートだ。豊富な実験成果などを通して、人間の意識のかたちが見えてくるはずだ。

感想・レビュー・書評

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  • むずかしかった。

  • 意識とは何か、という根元的な問題を(哲学や心理学ではなく)脳科学的に解明しようとした書。

    著者は、「意識の担い手を神経アルゴリズム、とりわけ生成モデルと捉えている」が、まだ仮説の域を出ないようだ。

    「意識」はとらえどころのないものであるがゆえに、何か崇高で特別なもののように思っていたが、所定の情報処理システムに宿る、実はありきたりなものなのかもしれないな。自由意志も錯覚に過ぎないとすると、人間の存在って…。

    脳内には、三次元仮想現実世界があり、常に五感から得られた情報を使って現実世界との誤差を修正している(=生成モデル)。修正された仮想現実世界が意識に上る仕掛けになっているため、この修正にかかる時間分だけ意識の時間は遅れる、という説明はなかなか面白かった。

    本書、一般書としてはかなり分かりにくい。専門用語連発だし、飛躍があって理解できない箇所が所々にあった。あと、主観的というか自己アピール的というか。もうちょっと客観的な方が読みやすいんだけどなあ。ということで星三つ。

    (逆説的だが)人工知能=ディープラーニングの仕組みの理解の助けには結構なると思う。

  • 解き明かされつつある脳科学の入口とその先
    ニューロンや視覚の仕組みから、深層学習のアルゴリズムから迫る脳の仕組み
    意識の遅れの解釈など、成る程と思わされっぱなしで、脳について分かった気分になる。
    一方でマウスの脳と機械を繋ぐ実験など、現代の感覚からすると、聖域である一面を侵しつつあるようにも思え、刺激的である反面、怖い気もした。

  • 色々この本はいいところがあるのですが、脳科学が確立されるに至った代表的な実験をざっくり概説してるところが好きでした。地道な「当たり前」の積み重ねである科学の営みから、意外な事実を見つけだす画期的な実験をするのがいかに大変か、ということも認識させられました。

  • 自分の思い込みとかと合わせていろいろ対話しながら、しっかり読んだ。
    あっ終わりかって感じとふむふむって感じだった。
    いろいろ思い込みを考えたり、現実や宇宙を考えたり、認識していない存在を考えたりと

  • 文系かつ数学赤点の私が理解できる。
    さすが新書、一般向けである。

    平易な解説に務めている。
    挿画がわかりやすくて良い。

  • 科学のフロンティアである「意識」。そこでは何が問題とされ、どんな研究が行われているのか? 最前線の挑戦が本書から見えてくる。

  • 意識とは何か、そして機械にも意識はあるかを取り上げた1冊。様々な実験で、無いものがあるようにして見せることが出来ることを知ると、クオリアは所詮、脳が作り出したものであり、真実とは何か、深~く考えさせられてしまう。

  • 好きな分野の本だけど思った以上に難しかったー。

  • 【感想】
    <知りたかったこと>
    ①最新の脳科学の状況は?
    ②意識をどう考えている?・人間とは何か?
    ③どうやって、研究を進めているのか?(研究のアプローチ方法・考え方)

    【理解とは?】
    新たな知見とは、研究対象への理解の深まりである。
    あなたが選んだ現象には、おそらくいくつかの仮説が存在する。理解の深まりには、誤った仮説をふるい落とし、可能性のあるものをいくつか絞り込むことによって得られる

    [人間の視覚の限界]
    人間は、視覚情報を一度に多面的にみることができない。
    そこにあるのはいつもひとつの見方だ。

    【自分が選んだものを正当化する性質】

    選択盲→人間は自分が選んだ選択肢をあたかも正解のように信じ込み、
    選択したものが変わったとしても、気が付かない。
    女性の顔のすり替え実験

    実際には存在しないはずの、「意識のもとの自由意志」を、我々がなぜ信じて疑わないかを説明してくれる。
    答えは簡単だ。脳が自由意志という、「壮大な錯覚」を我々に見せてくれるからだ。

    【専門家とそれ以外】
    専門家とそうでないものの違いは、
    「何も知らない」ことを知っていることだ。
    専門家の知る「知らないこと」これこそが
    前述の主観と客観の間の隔たりである。

    【科学と哲学の違い】
    科学は、検証のまな板にのらないと意味がない。
    正しいことを証明したり、正しくないことを証明して、真の自然則を導くことも意義がある。

    【世界は虚構でできている】
    世界の隅々まできちんと見えた気になっていても、それが実際に外界を反映したものであるとは限らない。
    我々の感覚は、外界を直接的にモニターしているわけではない。あくまで脳の仮想現実システムが、目や耳などから得た外界の断絶的な情報をもとに、「それらしく」仮想現実を作り上げ、我々に見せているに過ぎない。

    【人の記憶】
    「記憶の方法」
    エピソード記憶は、海馬と呼ばれる脳部位に一時的に情報が保持される。そして、夜寝ている間に、その海馬に蓄えられた情報をもとに、実際にエピソードが生じた状態が、大脳皮質に再現される。それが何度も繰り返されることによってヘブの学習則が働き、大脳皮質そのものに記憶が移行する

    ーーーー
    【本質を追求する】
    ある機能の本質ではない何かに操作を加えた場合も、その機能へと影響が及んでしまうことがある。特に、NCCを探求する操作実験には注意が必要だ。NCCの定義自体に、「本質」の意味合いが深く込められているからである。

    →本質の探求の仕方



    「ACTION」

    意識の本質をさぐる研究アプローチからは
    本質を探る方法論が詰まっている。
    ・削ぎ落としたり
    ・削ぎ落とした結果、本質にまで影響してしまうものがあったり
    ・様々な状況を想定したり
    しながら、本質を探る。


    ーーーー

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プロフィール

1970年千葉県生まれ。1993年東京大学工学部卒業、98年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。98年から2000年にかけて東京大学大学院工学系研究科部助手、2000年から同助教授、カリフォルニア工科大学留学などを経て、現在は、東京大学大学院工学系研究科准教授および独国マックスプランク研究所客員研究員。専門は脳科学。共著に『理工学系からの脳科学入門』(東京大学出版会、2008年)、『イラストレクチャー認知神経科学』(オーム社、2010年)など。

「2017年 『脳の意識 機械の意識 脳神経科学の挑戦』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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