藤原氏―権力中枢の一族 (中公新書)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 234
レビュー : 21
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121024640

作品紹介・あらすじ

「大化改新」で功績を残したとされる鎌足に始まる藤原氏。律令国家を完成させた不比等から四家の分立、ミウチ関係を梃子に天皇家と一体化した摂関時代まで権力中枢を占めつづける。中世の武家社会を迎えても五摂家はじめ諸家は枢要な地位を占め、その末裔は近代以降も活躍した。本書は古代国家の成立過程から院政期、そして中世に至る藤原氏千年の動きをたどる。権力をいかにして掴み、後世まで伝えていったかを描く。

感想・レビュー・書評

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  • 藤原氏という古代から中世にかけて日本の中心にいた一族。中臣鎌足の話はあまりにも有名ですが、そこから始まる藤原氏のことについてははっきりとした一本として把握できていませんでした。日本史の中ではところどころにその名前が出てくるので、政治組織には絶えることなく続いていたのだとはわかるのですが、その実態はあまりにも広大で良く分かっていませんでした。
    鎌足の子供の不比等があり、そこから四家が起こり、平安時代に道長などが栄華を誇り、その後武士の世の中になり、近衛家、九条家に別れ、さらに五摂家になり・・・という日本史にところどころ顔を出す藤原氏。その間を埋める、藤原氏の流れを、本書を読むことで把握でき、少しすっきりとしました。
    ただ、読んでも読まなくても分かることですが、藤原氏は広大に膨らんでおり、とても全体を把握しきることは不可能です。できるだけそれに挑戦しようとしたところに、本書の価値はあると思うのですが、同時に読むものに忍耐を強いるものでもあると思います。日本史の古代と中世についてあらかじめ勉強しておかなければ付いて行きにくい、前提として知っているはずで勧めてくる部分もあります。中級者向けと言えるものではないでしょうか。

  • 藤原氏の起こりから中世の諸家分立について概観しています。摂関政治の発展によって衰退した御堂流以外の藤原諸氏が、院政期には上皇と結びついて権力を高める、というのは大変興味深く読みました。

  • 歴史上の藤原氏の歩みを、始祖鎌足から中世までを中心に辿る一冊。摂関期までの権力の推移を眺めるのも面白いが、時代と共に拡大を続ける氏族の全体像に圧倒させられる。

  • 好:不比等,四家の分立,五摂家
    やや消化不良

  • 気づき;
     藤原不比等が当時日本貴族社会のベースをいろんな面で設定したということは聞きしっておりましたけども。中でも重要なのはやはり「蔭位制」であることが指摘されていました。実際は菅原道真、大江維時など、藤原氏以外でも議政官になった方は結構いますけど。やっぱり権力抗争に対する年期が他の氏族(とくに文人系)とは違うんでしょう。敵ではなかったんだろうなと思いました。

     新書ですから、藤原氏の長い歴史を詳しく述べることは不可能ですが、図版、年表などの付録の部分がわたしにとっては大変重宝です(笑)。あと藤原各流の大雑把な流れがまとめられているのも、参考になりました。

  • 藤原基経は時々長期休暇を欲しがる
    働き方改革でもあるまいに
    意外と無欲ではないかと妄想をする

  • 大化の改新で功績があったとされる藤原鎌足に始まり、天皇家とのミウチ的結合を基本戦略として日本古代・中世政治史の中で中心的役割を果たしてきた(その後近代史に至る中での時々政治の表舞台に顔を覗かせる)氏族である「藤原氏」について、主に古代国家の成立過程から院政期、そして中世の成立までを舞台として、どのようにして権力をつかみ、それを形を変えながらも後世にまで伝えていったのかを描く。
    本書を読んでいて、藤原氏の歴史をたどることは、まさに日本古代・中世政治史をたどるのとほぼ同義であると感じた。日本古代・中世史の良い復習になった。一方で、同じ「藤原氏」といってもそれぞれの家系や人物により、悲喜こもごも、それぞれの時代でその境遇の差が大きかったのだということも感じた。
    藤原氏というあまりに大きな存在を扱っているので仕方ないのだが、登場人物が多すぎ、読んでいて親子関係や姻戚関係などについて、頭の中で混乱した。また、比較的広範囲の時代を扱っているので、大きな流れを俯瞰するのには良いのだが、一つ一つの人物やエピソードの記述は薄いので、そこは別の専門書等で補完する必要があるだろう。

  • 藤原氏の歴史を1冊にまとめるというのはなかなか大変な作業と思われる。いわゆる藤原氏が様々な家・流れが存在する。

    面白かったのが、奈良〜平安初期における藤原氏と天皇との関係をどう見るかという視点であった。
    高校日本史では、皇親勢力と貴族勢力(藤原氏)との対抗関係と習った記憶がある。天武朝に始まり長屋王・橘諸兄そして延喜天暦の治に言われる天皇親政。それに対して外戚関係を通じて、その影響力を強める藤原氏。

    だが、今日では両者の相互依存関係に重きを見るらしい。へぇって感じ。

  • 難しい。所々Wikipedia等での補完を要した。
    家格のことが詳しく書かれていたのはよかった。

  • 大学図・1F開架 081.2/58/2464
    東2法経図・6F開架 B1/5/2464/K

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著者プロフィール

1958年三重県津市生まれ。東京大学文学部国史学専修課程卒業後、同大学大学院人文科学研究科国史学専門課程博士課程単位修得退学。博士(文学、東京大学)。現在、国際日本文化研究センター教授。専門は日本古代政治史、古記録学。主な著書に、『一条天皇』『壬申の乱』(いずれも吉川弘文館)、『三条天皇』『藤原伊周・隆家』(いずれもミネルヴァ書房)、『藤原道長の権力と欲望』(文春新書)、『蘇我氏』(中公新書)、『藤原道長「御堂関白記」全現代語訳』『藤原行成「権記」全現代語訳』(いずれも全三巻、講談社学術文庫)。また、講談社現代新書に『藤原道長の日常生活』がある。

「2021年 『新説争乱の日本史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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