戦前日本のポピュリズム - 日米戦争への道 (中公新書)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 179
レビュー : 18
  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121024718

作品紹介・あらすじ

現代の政治状況を表現する際に使われる「ポピュリズム」。だが、それが劇場型大衆動員政治を意味するのであれば、日本はすでに戦前期に不幸な経験があった。日露戦争後の日比谷焼き打ち事件に始まり、天皇機関説問題、満洲事変、五・一五事件、ポピュリスト近衛文麿の登場、そして日米開戦へ。普通選挙制と二大政党制はなぜ政党政治の崩壊と戦争という結末に至ったのか。現代への教訓を歴史に学ぶ。

感想・レビュー・書評

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  • 筒井先生の本はよく読ませていただいているのだけれども,本書はその中でも面白い。戦前期のポピュリズム台頭の様子が,日比谷焼き討ち事件,大正期の大衆運動,朴烈怪写真事件,田中義一寺内閣時代,統帥権干犯問題,満洲事変,五・一五事件裁判,国際連盟脱退,帝人事件,天皇機関説事件,近衛内閣時代といくつかのトピックスを通じて活写している。

    旧平価による金解禁もある意味ポピュリズムの賜物。政治家と新聞が結託して昭和恐慌をもたらした。

    現代のわれわれにとってもモリカケ問題は言うに及ばず,あらゆるところでポピュリズムが蔓延っている。

    最後にマスコミが民主主義の健全な発展に不可欠という指摘はその通りだと思うが,実に暗澹たる気持ちにならざるを得ない。戦前期の湛山や清沢洌を生んだ某経済誌からして,ポピュリズムに汚染されているからなぁ……(ため息)

  • 2018年3月2日図書館から借り出し。
    なんか、途中で既存の本からのりとハサミで切り貼りしたようなところがあって白けた。この人、真面目に新書を書く気はなさそう。定義なしに、片っ端から「ポピュリズム」と言い切って終わりにするところなど、到底学者とは思えない書きぶり。中公新書の編集も、京都はレベルが違うのかなぁ。

  • マスコミが煽ったというのはわかるのだが、なぜ煽ったか、もう少し背景事情が知りたかった。

  • 日本の大衆は、日比谷焼き討ち事件から始まった。日露戦争の講和条約ポーツマス条約に反対する国民大会。
    徳富蘇峰の国民新聞だけが、講和条約に賛成した。

    日比谷焼き討ち事件は、討幕派から226事件までの中間的な思想事件。

    排日移民法排撃運動ではアメリカ大使館の前で切腹。

    初の普通選挙では2大政党時代が訪れた。政策より大衆人気が勝利する。

    ロンドン海軍軍縮条約では国際協調主義の世論が、わずか3年後の国際連盟脱退では、松岡全権を大歓迎した。新聞の誘導が原因。

    515事件は、国民の減刑運動によって海軍による刑は軽いものとなった。

    満州国はフランスでは、不戦条約などに違反していないという論もあった。アメリカの一部にもあった。
    リットン報告は、日本にも配慮した者であった。
    国際連盟には制裁がないのだから、無視してそのままいつづければよかった=頬かぶり論。

    ポーツマス条約では、国民の意向に逆らっても断固たる決断があったが、国際連盟脱退では、日本国中が大衆世論に埋め尽くされていた。

    1937年近衛内閣が成立。空前の人気。進歩的な青年公家。
    第二次近衛内閣のときに、ドイツの一時的な成功に幻惑され、枢軸の道へ走った。
    バスに乗り遅れるな=政党は解党し、大政翼賛会へ合流。

  • 通説だと議会・政党の力が弱いがタメに軍部の暴走を抑えることが出来ず、無謀な戦争に突入したという。
    しかし、本書では政党の力が強いがために内部で、スキャンダル暴露合戦(いわゆるポピュリズム対立)となって、それを後押しするマスメディアの報道(政党を見限り、新たな勢力の台頭を望む議論)によって、政党はみずから瓦解したという。

    つまり、内部から政党政治は崩壊したのである。

  • 図書館本。日比谷焼き打ち事件かはじまる日本のポピュリズム。昔は新聞が主要なメディアだった。メディアの果たす役割は重要だ。

  • ちょっと長い。
    つまみ読みになってしまった。
    日本のこれまでの民主主義は、マスコミの報道によって出来上がったもの、と紹介されていると受け止めた。
    ポピュリズムと民主的手続きとメディア。
    もう少し考えてみようと思う。

  • なぜ普通選挙制と二大政党制はポピュリズム=劇場型大衆動員政治に陥り、日米開戦という不幸な結末へと至ったのか。現代への教訓とは

  • 戦前の新聞が国民を煽りすぎた反省からか、戦後の朝日・毎日は変わってしまった。その穴埋めをするのが産経・読売か。

    大政翼賛会の設立原因が意外だった。軍に対抗するためだとは、、、

  • 日比谷焼き討ち事件から近衛内閣による日米開戦まで。
    日本史の教科書を読んでいるようだ。
    ポピュリズムが大きく反映された世相、政治経済。
    大きな事件には必ず世論が動く。
    それは今でも同じだがネットが無い時代、やたらと人が集まる時代だった。なかなか面白く読めた。
    戦後編は無いのかな?

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著者プロフィール

1948年(昭和23年)生まれ。京都大学文学部卒業,同大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。文学博士。奈良女子大学助教授,京都大学教授などを経て,現在,帝京大学文学部日本文化学科教授.東京財団上席研究員。専攻,歴史社会学。著書に『二・二六事件とその時代』『石橋湛山』『日本型「教養」の運命』『西條八十』(読売文学賞・山本七平賞特別賞受賞),『昭和十年代の陸軍と政治』『近衛文麿』『帝都復興の時代』『満州事変はなぜ起きたのか』『陸軍士官学校事件』『昭和戦前期の政党政治』など。

「2018年 『戦前日本のポピュリズム 日米戦争への道』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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