理科系の読書術 - インプットからアウトプットまでの28のヒント (中公新書)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 386
レビュー : 23
  • Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121024800

作品紹介・あらすじ

本を読むのが苦行です――著者の勤務する京都大学でも、難関の受験を突破したにもかかわらず、そう告白する学生が少なくないという。本書は、高校までの授業になかった「本の読み方」を講義。「最後まで読まなくていい」「難しいのは著者のせい」「アウトプットを優先し不要な本は読まない」など、読書が苦手な人でも仕事や勉強を効率よく進めるためのヒントが満載。理科系の合理的な読書術を伝授する。

感想・レビュー・書評

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  • 本を読むのが苦手な人向けに書かれた内容ではあるが、本好きにも役立つ内容も見られる。
    本書の主張の中には、完璧主義にならない方が良いというものがある。書籍を必ずしも最後まで読みきる必要はないということだが、本書もそのように自分に必要そうなところを拾い読みするだけでも得るものはあるのではないかと思う。
    特に、論文執筆などアウトプットを出すための読書をする上では参考になると感じた。

  • まず、タイトルに「理科系の」とあるのは、これまでの著者の本にもよくあった「理系の~」を踏襲した枕詞みたいなもので、特にそこを気にして文系の人間が敬遠する必要はないと思う。
    本人もあとがきで「カマタの使った読書術」を書いた本だと言っているし。
    「京大式」・「カマタ式」よりはこの方が売れると思った出版社の都合でしょう。

    難解な本は書いてる著者が悪いのだ、と主張する一方、言いっぱなしで終わるのではなく、難解に感じるのは著者と自分とのフレームワーク(思考枠組)の違いが原因なのだから、それをすり合わせることを意識して読み方をしていけばよいのではないか、との提案でこれは読書の仕方として参考になる。というかこういう意識で臨むと、これから先難解本に出会っても心が折れなくて済みそうだ。

    目的をもって読むのだから全部読まなくてもいいんだ、とか、読んでいてわからない部分は棚上げしろ、細かく要素に分解してみろ、とかいった具体的な読書術が列記された末に、最後には「読まずに済ませる読書術」。
    脱帽。というかこれくらいの心持ちで本と向き合えば良い、というその姿勢に救われる。
    著者は、読書へのハードルが高すぎて本から疎遠になってしまっている教え子を仮想読者として、彼らへの処方箋として説いているようなところもあるかもしれない。

    また、昨今のビジネス書・自己啓発書の不振について、著者は山田真哉氏の『平成のビジネス書』とは違った見解を述べている。
    曰くこうした書物の「未来はコントロールできる」という思想の怪しさに読者が気づいてしまったのではないか、と。
    「本」という形となったこれまでの「知」を蓄積しても、震災など「想定外」の事態には対応出来なかったという指摘を、愛蔵書にカビが生えてしまったことをきっかけに蔵書の処分を進めた著者自身のエピソードと重ね合わせて論を進める。
    よほどの本でも無い限り再入手することはできるので蔵書を処分しても困らなかったという経験談と、そのことで体が軽くなった、読書も未来志向になった、という告白は、震災以降10年代の断捨離、ストックからフロー、所有から利用・共有・シェア、といった指向に通底しているように見える。

    10年代が到達した読書術の最終形を提示した本。
    今、ここで読む本が、今、ここで生きる自分を変えてゆく。それが読書の終着点、と。

  • 理科系の読書術というタイトルですが、理系じゃない私でも楽しんで読めたのでぜひ読んでほしいと思います。
    読書というものについて、ただのスキルではないアプローチがされています。

    本との向き合い方
    本の読み方
    本の選び方
    本の使い方

    などなど、理系=理論的で合理的な観点から、
    なぜそうするのか、も含めて書いてあるので、
    今後の読書にも生きると思います。

    あくまで、速読や多読のスキルだけを学びたい方にはおすすめしない本です。
    個人的には、これからの読書に対する考え方に役立つ本だと思うので、大学生や社会人になりたての方に出会ってほしい本だなと思います。


  • ・目的(=知的生産)を持って読書をする。
    ・必要な箇所だけ読めば良い
    ・筆者の「フレームワーク」を理解する
    ・得ない情報を決めておく(取捨選択)

    面白かった。読書術のみならず仕事術も紹介されている。

  • 専門書やビジネス書を読むのが苦手な人(社会人、学生のどちらもOK)への読書術の指南書。タイトルは「理科系の〜」とあるけど、理系の書物を読むこのではなく、“効率よく読み進める理科系的考え方”を意味するものであるので、文系の人にもお勧めです。
    (このタイトルだと、パッと見で文系の人が手に取る確率が下がってるんじゃないかな?と余計な心配をしてしまいました。)

    内容紹介にあるように「最後までよまなくていい」「難しいのは著者が悪い」など、安心できる考え方が沢山ありました。

    本書を読んで、「いつか自分にも理解できる日が来るかもしれない」と思って読み進めること出来ないのに何年も手放せなかった本を古書店に持っていく決心がつきました。

    蔵書が増え続けて困っている人にもヒントになるかもしれません。

  • 新聞は10分読めば十分とか,途中で読むのをやめて良いとか,ところどころいいことは書いてあるんだけど,とても読書術という方法論までには高まっていない.
    それにしても,自著への言及が多くてうんざり.
    ビジネス書のカテゴリの本で中公新書のパッケージに合わないと思う.

  • 本は最後まで読まなくて良い。流れる時間をそのまま体験する音楽的な読書と美術館で好きな絵だけを見る絵画的な読書。難しい本は著者が悪い。

  • 苦手意識のある理系に自分なりに近づいてみた結果、面白かった。もう少し距離を詰めて怖がらず理系のことを理解してみたい。おれの中で理系は今のところ物事を分割して理解する事と完璧主義に陥らず平気で必要なところだけ摂ることを躊躇しないこと=サボれる為の最適なルール作りを指向すること。の2点。また他の理系ものにも挑戦したい。また本文で内容とは直接関係のない箇所に2030年代までに南海トラフで西日本に大地震が来るっていうのをサラッと書いてあってギョッとなった。こわ。

  • 本を読むのが苦行です――読書が苦手な人でも、仕事や勉強を効率よく進めるための合理的な読書術とは。京大理系人気教授の実践的講義

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プロフィール

1955年東京生まれ。東京大学理学部地学科卒業。通産省(現・経済産業省)を経て、97年より京都大学大学院人間・環境学研究科教授。理学博士。専門は火山学、地球科学、科学コミュニケーション。京大の講義「地球科学入門」は毎年数百人を集める人気で教養科目1位の評価。火山研究のほか、科学をわかりやすく伝える「科学の伝道師」。96年に日本地質学会論文賞受賞。

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