理科系の読書術 - インプットからアウトプットまでの28のヒント (中公新書)

著者 : 鎌田浩毅
  • 中央公論新社 (2018年3月20日発売)
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  • レビュー :9
  • Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121024800

作品紹介・あらすじ

本を読むのが苦行です――著者の勤務する京都大学でも、難関の受験を突破したにもかかわらず、そう告白する学生が少なくないという。本書は、高校までの授業になかった「本の読み方」を講義。「最後まで読まなくていい」「難しいのは著者のせい」「アウトプットを優先し不要な本は読まない」など、読書が苦手な人でも仕事や勉強を効率よく進めるためのヒントが満載。理科系の合理的な読書術を伝授する。

理科系の読書術 - インプットからアウトプットまでの28のヒント (中公新書)の感想・レビュー・書評

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  • まず、タイトルに「理科系の」とあるのは、これまでの著者の本にもよくあった「理系の~」を踏襲した枕詞みたいなもので、特にそこを気にして文系の人間が敬遠する必要はないと思う。
    本人もあとがきで「カマタの使った読書術」を書いた本だと言っているし。
    「京大式」・「カマタ式」よりはこの方が売れると思った出版社の都合でしょう。

    難解な本は書いてる著者が悪いのだ、と主張する一方、言いっぱなしで終わるのではなく、難解に感じるのは著者と自分とのフレームワーク(思考枠組)の違いが原因なのだから、それをすり合わせることを意識して読み方をしていけばよいのではないか、との提案でこれは読書の仕方として参考になる。というかこういう意識で臨むと、これから先難解本に出会っても心が折れなくて済みそうだ。

    目的をもって読むのだから全部読まなくてもいいんだ、とか、読んでいてわからない部分は棚上げしろ、細かく要素に分解してみろ、とかいった具体的な読書術が列記された末に、最後には「読まずに済ませる読書術」。
    脱帽。というかこれくらいの心持ちで本と向き合えば良い、というその姿勢に救われる。
    著者は、読書へのハードルが高すぎて本から疎遠になってしまっている教え子を仮想読者として、彼らへの処方箋として説いているようなところもあるかもしれない。

    また、昨今のビジネス書・自己啓発書の不振について、著者は山田真哉氏の『平成のビジネス書』とは違った見解を述べている。
    曰くこうした書物の「未来はコントロールできる」という思想の怪しさに読者が気づいてしまったのではないか、と。
    「本」という形となったこれまでの「知」を蓄積しても、震災など「想定外」の事態には対応出来なかったという指摘を、愛蔵書にカビが生えてしまったことをきっかけに蔵書の処分を進めた著者自身のエピソードと重ね合わせて論を進める。
    よほどの本でも無い限り再入手することはできるので蔵書を処分しても困らなかったという経験談と、そのことで体が軽くなった、読書も未来志向になった、という告白は、震災以降10年代の断捨離、ストックからフロー、所有から利用・共有・シェア、といった指向に通底しているように見える。

    10年代が到達した読書術の最終形を提示した本。
    今、ここで読む本が、今、ここで生きる自分を変えてゆく。それが読書の終着点、と。

  • 本を読むのが苦手な人向けに書かれた内容ではあるが、本好きにも役立つ内容も見られる。
    本書の主張の中には、完璧主義にならない方が良いというものがある。書籍を必ずしも最後まで読みきる必要はないということだが、本書もそのように自分に必要そうなところを拾い読みするだけでも得るものはあるのではないかと思う。
    特に、論文執筆などアウトプットを出すための読書をする上では参考になると感じた。

  • ストックではなくフローで本を管理すればよい。現在は、また手に入れたければネットですぐに手配できる。

  • 期待していた程の内容でなかった。

  • 2018年刊。

     パラパラと読了。
     内容に特異な点はなく、読書術としては悪くはない本だ。
     良く言えば、仕事読みの読書法という観点で、オーソドックス。かつ奇を衒わない王道読書術だ。しかし、逆に、他の著名な先行類似書の引用も散見され、新味がないとも言える(もっとも、きちんと引用するあたりが研究者としての良心を感じる)。

     正直なところ、理系の著名研究者が著した近時刊行の著作であれば、電子論文の渉猟・収集・不必要なものの分別・排除につき、多く言及して欲しかったところ。

     学生向けらしいが、高校から大学初年生あたり、また読書体験の少ない新卒リーマンあたりがターゲットの感。

     それより何より、帯に書かれた煽りに絶句…。
     帯にはこうある。「本を読むのが苦行です-」と。著者は京都大学の教授である、まさかその教え子の京大生が……、読書が苦行って……。そんなはずはないよね。

  • 鎌田先生ならではの痛快な読書&情報収集術。参考になるところが多いかも…

  • 著者自身が本は最後まで読まなくてもよいと何度も言うので、私も何度も本書を読むのを途中でよそうかと思ったが、結局最後まで読んでしまった。時間が無駄とまではいわないが、得るものはほとんどなかった。そもそも私は本を読むのが好きな人間なのだから、最初から本書の対象読者にはあてはまらない。だいたいこの手の本はもう買うまいと思っていたのになぜ手にしてしまったのか。もちろん、著者の「地球の歴史」などを読んで興味を持っていたからだし、同時に購入した山極先生との対談は極めて興味深い内容なのだ。だがそれでも、本書購入の最大の動機は帯にもある、「難しい本は著者が悪い」という一文なのだ。よくぞ言ってくれた、私もいつも思っていながら大きい声では言えないその一言。古典として読み継がれてきたものならともかく、最近書かれたもので読みにくいのはやはり書き方に問題がるのだと思いたい。それでも、中身が知りたいと思って性懲りもなく郡司ペギオ幸夫さんの本も買ってしまったのだが、やはり途中で中断したままだ。さあ、これからはいかにしてたまってしまった書籍を処分するかだ。一人暮らしを始めた長男は、結局1冊も持って行ってはくれなかったし。

  • おっしゃっていること至極真っ当。文章が読みやすい。読書術の本の中では、買ってよかった部類。

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