理科系の読書術 - インプットからアウトプットまでの28のヒント (中公新書)

著者 :
  • 中央公論新社
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レビュー : 32
  • Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121024800

作品紹介・あらすじ

本を読むのが苦行です――著者の勤務する京都大学でも、難関の受験を突破したにもかかわらず、そう告白する学生が少なくないという。本書は、高校までの授業になかった「本の読み方」を講義。「最後まで読まなくていい」「難しいのは著者のせい」「アウトプットを優先し不要な本は読まない」など、読書が苦手な人でも仕事や勉強を効率よく進めるためのヒントが満載。理科系の合理的な読書術を伝授する。

感想・レビュー・書評

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  • 本を読むのが苦手な人向けに書かれた内容ではあるが、本好きにも役立つ内容も見られる。
    本書の主張の中には、完璧主義にならない方が良いというものがある。書籍を必ずしも最後まで読みきる必要はないということだが、本書もそのように自分に必要そうなところを拾い読みするだけでも得るものはあるのではないかと思う。
    特に、論文執筆などアウトプットを出すための読書をする上では参考になると感じた。

  • まず、タイトルに「理科系の」とあるのは、これまでの著者の本にもよくあった「理系の~」を踏襲した枕詞みたいなもので、特にそこを気にして文系の人間が敬遠する必要はないと思う。
    本人もあとがきで「カマタの使った読書術」を書いた本だと言っているし。
    「京大式」・「カマタ式」よりはこの方が売れると思った出版社の都合でしょう。

    難解な本は書いてる著者が悪いのだ、と主張する一方、言いっぱなしで終わるのではなく、難解に感じるのは著者と自分とのフレームワーク(思考枠組)の違いが原因なのだから、それをすり合わせることを意識して読み方をしていけばよいのではないか、との提案でこれは読書の仕方として参考になる。というかこういう意識で臨むと、これから先難解本に出会っても心が折れなくて済みそうだ。

    目的をもって読むのだから全部読まなくてもいいんだ、とか、読んでいてわからない部分は棚上げしろ、細かく要素に分解してみろ、とかいった具体的な読書術が列記された末に、最後には「読まずに済ませる読書術」。
    脱帽。というかこれくらいの心持ちで本と向き合えば良い、というその姿勢に救われる。
    著者は、読書へのハードルが高すぎて本から疎遠になってしまっている教え子を仮想読者として、彼らへの処方箋として説いているようなところもあるかもしれない。

    また、昨今のビジネス書・自己啓発書の不振について、著者は山田真哉氏の『平成のビジネス書』とは違った見解を述べている。
    曰くこうした書物の「未来はコントロールできる」という思想の怪しさに読者が気づいてしまったのではないか、と。
    「本」という形となったこれまでの「知」を蓄積しても、震災など「想定外」の事態には対応出来なかったという指摘を、愛蔵書にカビが生えてしまったことをきっかけに蔵書の処分を進めた著者自身のエピソードと重ね合わせて論を進める。
    よほどの本でも無い限り再入手することはできるので蔵書を処分しても困らなかったという経験談と、そのことで体が軽くなった、読書も未来志向になった、という告白は、震災以降10年代の断捨離、ストックからフロー、所有から利用・共有・シェア、といった指向に通底しているように見える。

    10年代が到達した読書術の最終形を提示した本。
    今、ここで読む本が、今、ここで生きる自分を変えてゆく。それが読書の終着点、と。

  • 理科系の読書術というタイトルですが、理系じゃない私でも楽しんで読めたのでぜひ読んでほしいと思います。
    読書というものについて、ただのスキルではないアプローチがされています。

    本との向き合い方
    本の読み方
    本の選び方
    本の使い方

    などなど、理系=理論的で合理的な観点から、
    なぜそうするのか、も含めて書いてあるので、
    今後の読書にも生きると思います。

    あくまで、速読や多読のスキルだけを学びたい方にはおすすめしない本です。
    個人的には、これからの読書に対する考え方に役立つ本だと思うので、大学生や社会人になりたての方に出会ってほしい本だなと思います。

  • 著者・鎌田浩毅は火山学・地球科学の大学教授。本を読むのが苦手な学生を念頭において読書術の指南。第1部「苦手な人のための読書術」,第2部「仕事を効率よく進めるための読書術」。本は必要な情報を(例えば3つ)とれれば途中で読むのをやめてもいい(小説は別),と言われるが,根がしみったれな私は中々そうはいきませぬ。また学者ではないので知的生産には縁がなく,もっぱら知的消費ばかりなのですが(楽しく読んでそれで終わり),理科系的には効率よくやるべし(インプット・アウトプットの比率を考える,解ける問題から取り組む,わからないことはとりあえず不完全でもいいから棚上げ)と。補章の「読まずに済ませる読書術」では,現代はストックよりもフローだろ,蔵書なんか持たずに自分の頭でなんとかせえと言われる。うへえ。

  • 読書が苦手な人でも、うまいこと苦にならないような読書の方法について書いた本。それぞれの章の最初に、その章で伝えたいキーフレーズが4つ書かれてあり、分かりやすかった。
    簡単にいうと、読書はあくまで必要なとこだけ読めばよく、重要なのはアウトプットをすることだ、ということを言いたいのだろうなと思った。実際、最後の章は、「読まずに済ませる読書術」というタイトルとなっている(読書術の本なのに)。
    自分の場合、最初から最後まで読むような読書となっているので、うまくいかしきれてないのだろうなと思う。必要なところだけ読むというのはなかなかできないでいる。
    なお、ショーペンハウアーという哲学者は「読書は、他人にものを考えてもらうこと」だからほどほどにせよと説いているらしい。むしろ、本を読みすぎると思考能力が落ちていくのだとか。自分も、多くの本を読むことが目標となっている節があるから、ちょっと気を付けていきたい。
    それと、著者はトランクルーム10室分になるほどの本を所有していた時期があるらしい。本にカビが生えているのに気づいて処分することを決めたのだとか。
    こうやって振り返ってみると、本を読まない人にたいする本というよりも、大量に本を読むだけの人に警鐘を鳴らすための本だったように思えてきた。

  • 国語や歴史が不得意で本を読むのが苦行という理系大学生に向けて、楽に本が読める方法を指南。まず必要性を確認し、楽に読書を済ませて最低限のノルマをこなす。次に、仕事や勉強を効率よく進めるための情報処理としての技術。そして、アウトプット優先の読書術。

    理系の人たちって論理的だから、システマティックで効率的に読んでいるのだろうと思っていたのですが、苦手だったとはびっくり。

  • 京大・鎌田教授の読書術について書かれた本。タイトルの『理科系の〜』については相変わらず深い意味がない模様。同氏の『ラクして成果が上がる理系仕事術』と一部内容がかぶっている部分もあるが、本の読み方についてよくまとめられている。知的生産(アウトプット)を意識した読み方を心がけるというのがポイント。

  • 最後の補講は、面白かった。
    ストックから、フロー。
    所有から利用。未来への計画や、過去の否定ではなく、今を生きるために、今あるものを利用する。
    本も、そんな使い方が良いのかもしれない。
    といってしまうと、本書の本文を補講は、すべて否定しているのだけども。


  • ・目的(=知的生産)を持って読書をする。
    ・必要な箇所だけ読めば良い
    ・筆者の「フレームワーク」を理解する
    ・得ない情報を決めておく(取捨選択)

    面白かった。読書術のみならず仕事術も紹介されている。

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著者プロフィール

1955年、東京生まれ。東京大学理学部地学科卒業。通産省(現・経済産業省)を経て、97年より京都大学大学院人間・環境学研究科教授。理学博士。専門は火山学、地球科学、科学コミュニケーション。京大の講義「地球科学入門」は毎年数百人を集める人気で教養科目1位の評価。火山研究のほか、科学をわかりやすく伝える「科学の伝道師」。96年に日本地質学会論文賞受賞。著書は『地学のツボ』(ちくまプリマー新書)、『火山噴火』(岩波新書)、『富士山噴火』(ブルーバックス)、『マグマの地球科学』(中公新書)、『次に来る自然災害』『資源がわかればエネルギー問題が見える』『火山はすごい』(以上、PHP新書)、『地球は火山がつくった』(岩波ジュニア新書)、『火山と地震の国に暮らす』(岩波書店)、『地震と火山の日本を生きのびる知恵』(メディアファクトリー)、『世界がわかる理系の名著』(文春新書)ほか多数。

「2018年 『座右の古典 今すぐ使える50冊』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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