社会学 - わたしと世間 (中公新書 2484)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 213
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121024848

作品紹介・あらすじ

明治期に充ててしまった馴染みの薄い訳語のせいで、現代の私たちにとっても抽象的で今ひとつ理解しにくいのが社会、そして社会学である。だが、社会とは私たちを取りまく世間(せけん)のことに他ならない。
本書では、集団、コミュニケーション、組織、自我などのキーワードを切り口に、世の中の仕組みをよりよく知る方法を伝授。碩学による社会学入門にして、知的好奇心を持ちつづけ、人生を楽しむためのヒント。

感想・レビュー・書評

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  • 社会学とは?を論じた本。社会学とは「世間」についての学問であり、複雑化する現代社会において抽象的である「社会」を正確に理解するのは難しい。筆者は身の回りの社会的な事例を取り上げて、初心者向けに説明している。

    入門書?とはいえ、理解するのは結構難しかった。まだ奥深さを理解できていない気がするから改めて読みなおしたい。

  • 読みやすいが非常に奥深い社会論。大学で社会学を専攻したが、50歳を手前にもう一度学び直し、考え直してみようかと思った。そんな良ききっかけとなってくれそうな本であると感じた。

  • 【目次】
    まえがき

    第一章 「社会学」――現代の世間話
     「世間」というもの/「世態学」と「社会学」/「世間話」の記録/世俗の学/文芸としての「社会学」

    第二章 集団――つながる縁
     「世間」と「人間」/「縁」と「相性」/「むすぶ」心/「みんな」の正体/「みんな」の新陳代謝

    第三章 コミュニケーション――ことばの力
     「体感」について/日常会話/文字でつながる/新聞の功罪/いちどにつながる

    第四章 組織――顔のない顔
     「法人」の時代/「タテ」と「ヨコ」/「仲間」のさまざま/固い組織・やわらかい組織/国家――最大の法人

    第五章 行動――ひとの居場所
     個体空間/居場所のデザイン/職制と居心地/疎外――居場所のないひと/アジール――居場所のないひとの居場所

    第六章 自我――人生劇場
     義理と人情/仮面の世界/演技する人間/ラッキョの皮/プロフィール

    第七章 方法――地べたの学問
     ふるさとの学問/さまざまな現場/定性か定量か/国学としての社会学/「私社会学」のすすめ

    あとがき (二〇一八年四月 加藤秀俊)

  • 社会学とはなんぞや、社会学的な思考やアプローチを期待したが、社会学者による随筆、という趣き。これはこれで、アリなんだろうが、期待値とのギャップで、読みづらさを感じた、

  • 本の紹介動画;
    https://www.youtube.com/watch?v=N_uyRVtln1I

    関連動画;
    https://www.youtube.com/watch?v=cwnatDaCj1w


    内容(「BOOK」データベースより)
    一五〇年前に充てた安易な訳語のせいで、抽象的で理解しにくい「社会」と「社会学」。だが、社会とは私たちを取りまく身近な世間のことにほかならない。本書では、集団、コミュニケーション、組織、自我などのキーワードを切り口に、世の中の仕組みをよりよく知るこの学問の本質、方法を述べる。半世紀以上にわたり研究を続けてきた碩学による社会学入門にして、知的好奇心を持ちつづけ、人生を楽しむためのヒント。

    著者について
    1930年(昭和5年)、東京に生まれる。東京商科大学(現一橋大学)卒業。京都大学人文科学研究所助手、京都大学教育学部助教授、学習院大学教授、国際交流基金日本語国際センター所長、日本育英会会長などを歴任。社会学博士。著書に『加藤秀俊著作集』(全12巻、中央公論社)、『整理学』『取材学』『なんのための日本語』(以上、中公新書)、『メディアの発生』『メディアの展開』(以上、中央公論新社)、『隠居学』『続・隠居学』(以上、講談社)ほか。

    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    加藤秀俊
    1930年(昭和5年)、東京都に生まれる。東京商科大学(現一橋大学)卒業。シカゴ大学大学院修了。京都大学人文科学研究所助手、京都大学教育学部助教授、学習院大学教授、国際交流基金日本語国際センター所長、日本育英会会長などを歴任。社会学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • 著者が高齢なので、文体や話題に時代錯誤を感じるが、仲間や世間についての分析は簡潔で共感できる部分もある。

  •  「科学」でなくてもかまわない。数値は気にしない。その潔さは、長年の研究者としての生き方の反映か。とても快い。

  • 「社会学」ってつまるところ何だろう?と長年モヤモヤしていたものが、「世間についての学問なんだよ」と、更には「学問」であると同時に「文学」でもある、と言ってもらえたことでスッキリしました。
    宮本常一の「土佐源氏」の異常なまでの迫力は、それが誰でもないその一個人の一世間を見事に浮き彫りにしてあるから、そしてその世間があまりにワンアンドオンリーだったからなのですね。
    たくさん推薦図書がついてて嬉しい。もっと世間について知ろう。

  • 社会学とはいわゆる世間話のことらしい。
    生き生きとした語り口で面白かった。著者が88歳と知ってちょっと驚く。
    外国の偉い学者がどう言ったとか、そういう話ではなくて自分の感性を基準にして研究をすることは、どの分野でも大事な事なんだなと思う。

  • 長年社会学に携わってきた学者による、社会学とは?をテーマにまとめてきた随筆的作品

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著者プロフィール

加藤秀俊(かとう・ひでとし) 1930年東京生まれ。社会学博士。一橋大学(旧制)卒業。京都大学人文科学研究所助手、同教育学部助教授、学習院大学教授、放送大学教授、国立メディア開発センター所長、日本育英会会長などを歴任。現在、中部大学学術顧問、世界科学芸術アカデミー会員。 著書に、『加藤秀俊著作集』全12巻、『メディアの発生』『メディアの展開』(中央公論新社)など多数。

「2016年 『加藤秀俊社会学選集 下巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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