承久の乱-真の「武者の世」を告げる大乱 (中公新書 2517)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121025173

感想・レビュー・書評

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  • #鎌倉殿の13人 #ラスボス
    #後鳥羽上皇 
    貴族の政治とは儀礼
    衰退した宮廷儀礼を立て直す
    =あるべき貴族社会を上皇が再建!

    1.習礼→諸家の日記提出し研究 
    台記:藤原頼長日
    玉葉:九条兼実
    2.公事堅義→学んだ儀礼の口頭試験
    3.成果→故実諸「世俗浅深秘抄」
    4.実践→直後に節会習礼
    内弁役の九条道家を上皇は見事と褒めた
    ※内弁 大極殿等儀式の主会場の最高責任者
     一之上卿(一上)=筆頭公卿が務める
     作法知識必要=家に伝わる日記が重要
    (清盛は役不足で太政大臣の時もしてない)
    子の順徳天皇も故実書「禁秘抄」著した
    有職故実と帝王学
    ※禁中並公家諸法度第1条→禁秘抄コピペ

  • 叙述が院政開始から始まるというのが、眼から鱗だった。
    わかりやすくエキサイティングな流れ

  • 承久の乱をその前史から結末まで記述した一冊。乱前後で幕府と朝廷の力関係が変化し、社会構造の転機となったことが論述されている。院政期から鎌倉時代初期の流れが良く分かって勉強になった。

  • 一二一九年、鎌倉幕府三代将軍・源実朝が暗殺された。朝廷との協調に努めた実朝の死により公武関係は動揺。二年後、承久の乱が勃発する。朝廷に君臨する後鳥羽上皇が、執権北条義時を討つべく兵を挙げたのだ。だが、義時の嫡男泰時率いる幕府の大軍は京都へ攻め上り、朝廷方の軍勢を圧倒。後鳥羽ら三上皇は流罪となり、六波羅探題が設置された。公武の力関係を劇的に変え、中世社会のあり方を決定づけた大事件を読み解く。

    序章:中世の幕開け
    第1章:後鳥羽の朝廷
    第2章:実朝の幕府
    第3章:乱への道程
    第4章:承久の乱勃発
    第5章:大乱決着
    第6章:乱後の世界
    終章:帝王たちと承久の乱

    承久の乱が、武士の世を決定づけたことは間違いない。
    しかし、歴史の授業で習った承久の乱像を捨てる必要がある。
    後鳥羽上皇は優秀な人であったし、当初は鎌倉と対立するつもりもなかった。
    実朝亡き後の鎌倉幕府が一丸となって戦ったのに対し、
    後鳥羽上皇側の読みの甘さやチーム力の弱さが際立っていた。


    乱に至る経緯や細かな内容まで求めていない人は、
    「承久の乱」日本史のターニングポイント (文春新書) 本郷和人氏の著作で十分だろう。

  • 流石中公新書の乱シリーズ、コンパクト且つきめ細やかな記述で分かりやすく著者の説がよく提示されている。
     はじめにで史料について丁寧に解説してくれるのがうれしい。
     坂井さんの実朝評価はあらためて勉強になっていて、武士として将軍として堂々とふるまおうとしたことがよくわかる。また、和田合戦が初期鎌倉時代における重要な合戦であったことが分かった。そして、実朝謀殺の背景については、公暁単独犯行説をとられている。
     後鳥羽については万能の王だが、部下からは研修ばかりやりたがるめんどくさい会長くらいだったのではないかと、現代風に解説していて面白い。
     承久の乱の経緯については、チーム鎌倉の結束が、北条政子のたくみな演説によって達成されたことが分かった。
     それにたいして、ワンマン後鳥羽、三浦氏を抱き込むのに失敗して大敗である。北条泰時が一時死地に赴いたのは知らなかった。

  • 承久の乱が、貴族社会から武士の社会への転換点であることが、よくわかる。本郷氏の「承久の乱」も読んだので、意見の異なる点があるところを見つけるのが面白い。

  • 20190413読了

  • 19/04/12。

  • 同時に読んだ「承久の変」2冊のうち、資料名が多く覚えきれないのでとりあえず取っておくのはこちら。

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著者プロフィール

創価大学教授
著書・論文:『源実朝 「東国の王権」を夢見た将軍』(講談社メチエ、2014年)、『承久の乱 真の「武者の世」を告げる大乱』(中公新書、2018年)、「中世前期の文化」(『岩波講座 日本歴史』第6巻中世1、2013年)など。

「2020年 『乱世を語りつぐ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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