古代日中関係史-倭の五王から遣唐使以降まで (中公新書 2533)

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  • 中央公論新社
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レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121025333

作品紹介・あらすじ

607年、日本は隋の煬帝に「日出ずる処の天子」で名高い書状を送る。以後、対等の関係を築き、中国を大国とみなすことはなかった――。こうした通説は事実なのか。日本はアジア情勢を横目に、いかなる手段・方針・目的をもって中国と交渉したのか。本書は、倭の五王から、5回の遣隋使、15回の遣唐使、さらには派遣停止後まで、500年間に及ぶ日中間の交渉の軌跡を実証的に、「常識」に疑問を呈しながら描く。

感想・レビュー・書評

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  • とても力強い筆致の本である。わたしは奥付を見るまで、きっとベテランの研究者が書いたものと思っていた。ところが、河上さんはようやく40になろうという精鋭の研究者(奈良女子大)である。この力強さは若さからでていたのか。いや、おそらく、本書の基礎となる『古代アジア世界の対外交渉と仏教』(山川出版社 2011)が自信となっていたのであろう。
     わたしたちは小学校以来、日本は隋唐の時代に中国に対して対等の関係を求めようとしたという説を信じてきた。その根拠となったのが『隋書』(東夷伝)の「日出ずる処の天子、書を日没する処の天子に致す」という有名な記述であり、そして、この隋との対外関係の対等性を主張した聖徳太子は偉大であったという評価である。しかし、この「天子」とは仏教でいう「天子」でそれは国王ぐらいの意味であった。ただ、日本は当時まだ仏教をとりいれたばかりの仏教後進国である。それゆえ、隋帝は日本を不遜と叱ったのである。本書は、日本が中国に取り入るため仏教を取り入れた事実、そしてそれは中国が道教を取り入れ廃仏に走ったりする中で影響を受けたことを詳しく記述する。遣唐使を当時の日本の政治状況とのからみで記述したことも本書の特色である。なかでも、後期になると海商の活躍で、遣唐使の意味がなくなっていったという指摘は興味深い。どちらにしても、当時の中国との関係はまだ外交ということばで語られる内容からはほど遠いものであった。

  • 倭の五王から5回の遣隋使、15回の遣唐使、その停止後まで、500年に及ぶ両国の交渉の軌跡を「常識」を覆しつつ、実証的に描く。

  • <図書館の所在、貸出状況はこちらから確認できます>
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=340346

  • 古代の日本と中国の「関係」を仏教文化などに注目しつつ通説を、切っていくような本で。昨今の中公新書歴史ものらしく骨太でかつ斬新。特に白眉は遣隋使を対等外交でなく、やはり朝貢に近いものであったとする点である。このあたりについてはやはりまだ多くの論者が出てきてほしい部分であるが、確かに筆者の見解に従えばスムーズに関係史を理解できそうである。それにしても、分裂期の中国史は殺伐として混乱を極めているなあ。仏教が大事にされていく背景としてはとても重要な側面だと思う。
     仏教の思想的な面がどのように消化されていたのかは疑問が残るが、それはまたほかの本をあたるとしよう。
     以下、勉強になったポイント。
    ・19p雄略天皇 ワカタケル?
    ・33p天下とは?支配領域のこと
    ・41p雄略 画期性
    ・河内祥輔 天皇の皇位継承 なるべく、皇女と皇族の子供が良い
    ・55p梁の武帝 皇帝菩薩
    ・77p遣隋使 書をいたす
    ・89p仏教的側面から遣隋使読み直す
    ・97p当時は冊封不要の時代だった
    ・112p大一回遣唐使と高表仁
    ・135p則天武后と日本
    ・143p遣唐使は 朝貢
    161p鑑真は密航
    173p称徳女帝と淳仁
    215pさだ軍団
    224p呉越国
    237pなぜ外交でないのか

  • 東2法経図・6F開架:B1/5/2533/K

  • <目次>
    第1章  倭の五王の時代~「治天下天王」の中国南朝交渉
    第2章  遣隋使の派遣~「菩薩天子」への朝貢
    第3章  遣唐使の一五回~一代一度、朝貢の実態
    第4章  巡礼僧、海商の時代~10世紀、唐滅亡後

    <内容>
    思った内容ではなかったが、まずまず読めた。割と事実が淡々と語られる。もう少し突っ込んで書いてほしかった。

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著者プロフィール

1980年北海道生まれ.2002年北海道大学文学部人文科学科卒業.08年九州大学大学院人文科学府博士後期課程単位取得退学,博士(文学).14年より奈良女子大学准教授(専攻・日本古代史).著書『東アジア交流史のなかの遣唐使』(山川出版社,2011年).他共著多数

「2019年 『古代日中関係史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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