日本近現代史講義-成功と失敗の歴史に学ぶ (中公新書)

制作 : 山内昌之  細谷雄一 
  • 中央公論新社
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感想 : 50
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  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121025548

作品紹介・あらすじ

明治維新から150年余り。日本近現代史の研究は日々蓄積され、塗り替えられている。日本国内の閉じた歴史にとどまるのではなく、世界史と融合した新しい歴史を模索する流れが強まっている。明治維新に始まり、日清・日露戦争、第2次世界大戦、東京裁判と歴史認識問題、そしてポスト平成に向けた歴史観の問題まで。特定の歴史観やイデオロギーに偏らず実証を旨とする、第一線の研究者による入門14講。

感想・レビュー・書評

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  • 「日本の将来について考える」というと大げさになるが、誰もが、「日本はどういう国になっていくのかな?」と考えることがあると思う。その時に頼れるものの一つに「歴史を学ぶ」ということがあると思う。特に日本の近現代史(「日本の近現代史というのはいつからの歴史か?」という問いは置いておいて)を知ることは、今現在の日本の国の構造や成り立ちを理解する助けになると思う。
    そういうことを考えているので、何冊か日本の近現代史の本を読んでみた。この本を含めて面白く為になる本が多いのであるが、私が「日本がどういう国になるかを考えるにあたっての一助となる日本の歴史」を理解したかというと、こころもとない。
    それは、たぶん、単純な勉強方法の話だと思う。
    一つは、もう少し集中的に勉強しないと頭に入らないということ。数か月に1冊程度、思い出したように、このような新書的な本を読んでも、その時には面白く分かったつもりになるが、歴史の流れや背景をつかみきれていないのだろうし、単純に読んだものを忘れてしまうということもある。
    もう一つは、日本の近現代史は、日本での出来事だけで出来上がっている訳ではないということだ。第一次大戦、世界恐慌、第二次大戦にあたっての欧米各国の動き、すなわち、当時の世界史を知ったうえでないと、日本の近現代史の理解が浅くなるということである。
    ということなので、いつか、世界史・日本史を集中的に勉強したいと思った。

  • 高校生に近現代史を教える中でもっと詳しく近現代史を知らなければと思い購入した本書。高校1年生以来、日本史を学んで来なかった自分でも、教科書の基礎的な知識の隙間を埋めるように簡潔に書かれているため理解がとても容易だった。
    主観によるイデオロギー対立を乗り越え、まずは自分がどんな主張を持っていようとも、歴史を真摯に見ることは大切であると再認識できた。

  • なぜ第一次・第二次世界大戦が起こったのかであったり、なぜ日中・日韓関係がこじれているのかといったことの理解につながる良い本だと思いました。
    明治維新から戦後までの、諸外国との関係性をざっとつかむのに適していると思います。
    各章で執筆者が異なり、時系列順に主要トピックを扱っていますが、キーワードは章をまたいでも何度も出てくるので、読みながら復習できる箇所も多かったです。
    主張が偏っているような印象は受けませんでしたが、歴史は色々な見方があると思うので他の文献も参考にしたいと思います。

  • 特定の歴史観やイデオロギーに偏らず実証を旨とする第一線の研究者達により、日々蓄積され塗り替えられる日本近現代史の研究成果。

    序 章
    令和から見た日本近現代史
    ヘロドトスの「悪意」から劉知幾の「公平」へ
    山内昌之

    第1章
    立憲革命としての明治維新
    瀧井一博

    第2章
    日清戦争と東アジア
    岡本隆司

    第3章
    日露戦争と近代国際社会
    細谷雄一

    第4章
    第一次世界大戦と日中対立の原点
    奈良岡聰智

    第5章
    近代日中関係の変容期
    1910年代から1930年代
    川島真

    第6章
    政党内閣と満洲事変
    小林道彦

    第7章
    戦間期の軍縮会議と危機の外交
    第二次世界大戦への道①
    小谷賢

    第8章
    「南進」と対米開戦
    第二次世界大戦への道②
    森山優

    第9章
    米国の日本占領政策とその転換
    楠綾子

    第10章
    東京裁判における法と政治
    日暮吉延

    第11章
    日本植民地支配と歴史認識問題
    木村幹

    第12章
    戰後日中閔係
    井上正也

    第13章
    ポスト平成に向けた歴史観の問題
    戦後から明治へ、さらにその先へ
    中西寬

    おわりに
    「無限の宝庫」としての歴史
    細谷雄一

  • 14の観点から明治維新〜戦後の日中関係まで、参考図書の紹介もたっぷりに説明されていて、日本の近現代史について、とても勉強になった。

  • 日本の近現代史について、14人の研究者によって執筆されています。約300ページとコンパクトであり、なおかつ分かりやすいです。特定の歴史観やイデオロギーに偏らないようにしてあるそうで、初心者が基本を学ぶのにも良いと思います。個人的には、戦後の日中・日韓関係の流れがよく分かって良かったです。

  • 自分は日本のことを全然知らなかったと思った。明治維新以降の日本と、中国や朝鮮の関係とその歴史について日本の視点からも世界の視点からも書かれていて、割と中立の視点から見られたと思う。国際政治に興味が沸いたので、良いきっかけにもなったと思う。

  • 210.6-Y
    閲覧新書

  • 面白い 見識のレベルに圧倒された
    日本史の復習ではなく、うーむと考えさせられた論点多
    1.徳川家康への高い評価 正論だが受けない
    天下の政は重箱をすりこぎで洗う 
    細かいことに干渉せず
    才能や知恵ある者を使えず、役に立たない者と議論不可
    家康の大きな構想力→江戸システムの実現
    トップエリートの達観 上洛で討たれても戦争より可
    「覚悟」日頃から読書・哲学・歴史に親しむ
    2.満洲の返還期限 認識されていない

    3.戦略人材の枯渇・育てられなかった
    日米開戦の失敗
    面子と意地を優先
    4.
    5.

  • 2019.12―読了

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著者プロフィール

一九四七(昭和二二)年札幌に生まれる。
現在、東京大学大学院総合文化研究科教授、学術博士。中東調査会理事。
最新著書として、『岩波イスラーム辞典』(共編著、岩波書店)、『歴史の作法』(文春新書)、『帝国と国民』(岩波書店)、『歴史のなかのイラク戦争』(NTT出版)など。

「2004年 『イラク戦争データブック』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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