現代美術史-欧米、日本、トランスナショナル (中公新書 2562)

著者 :
  • 中央公論新社
3.65
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本棚登録 : 436
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121025623

作品紹介・あらすじ

二〇世紀以降、「芸術」の概念を揺さぶるような作品や潮流が続々と生まれ、しばしば「現代アートは難しい」と評される。本書は、一見すると難解な現代美術について、特に第二次世界大戦後の社会との関わりから解説し、歴史のなかに意義づけていく。美術は現代の何を映し、社会に何を投げかけてきたか。欧米、日本、そしてトランスナショナルな美術史を、それぞれ主要な理論、アーティスト、作品から紡ぎ出す。

感想・レビュー・書評

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  • やはり難しくて読むのもつらかった
    ただアートといえども社会、世相から離れて存在してるのではない、というのは理解した
    第三章のひしめき合う前衛美術
    第六章の脱帝国のアート
    終章の美術と戦争
    興味深く読めた

  • 2022.10.05 すごく勉強になりました。ただ、情報が多すぎて消化しきれません。

  • 現代のクラフトや古い町並み、環境保護の人気は19世紀の芸術運動ウィリアム・モリスの「アーツアンドクラフツ運動」が源流7
    モリス⇒芸術は必ずしも単独で行われるものではなく、常に他社との協働作業か開かれている(現地の震災復興コラボアートなど)10

    柳宗悦の民芸運動はクロポトキンの「人類や社会の進化、発展は、生存競争ではなく、自発的な助け合いから生まれた」という相互扶助論を元にしている12
    オリエントオリエンタリズム←柳が陥った罠。朝鮮や沖縄などを特殊で独自の文化とすることで、その中心が日本だと設定して周辺と中心化する。西洋の「日本人論」人気の日本版16

    田河水泡はダダから連なる日本の芸術運動マヴォに参加していた25

    マヴォは関東大震災の直後、有り合わせのもので建てられたバラックにペンキを塗るなどの「バラックプロジェクト」を行った29

    ミエレルレーダーマンユケレスはメンテナンス(作品の維持)も「アートの領域だ」と、その地位の確立を宣言した51

    協働アートの嚆矢は1982年ドクメンタでのボイスの「7000本のオーク」69

    新自由主義的な市場原理と結託したアートを「ベアアート」と言う114

    藤田直哉は「前衛のゾンビ」で、日本のアートプロジェクト、アートフェスティバルを「地域アート」と定義。やりがいを理由に地域住民やボランティアが、無償で酷使されているのではないかと批判。リレーナショナルアートの搾取的性質196

    戦争画から考えられるのは、「社会」から完全に自立して存在することの出来ない「芸術」の限界を思考すること306

  • 30 アヴァンギャルド以後の工芸

  • 記録

  • 2022/07/30 Kindle
    かなりわかりやすい!!

  • 芸術を社会という視点から見つめ直した本。

    西洋のお話しだけでなく、日本を含むアジアのことにしっかり触れていて、
    なるほどなーと思いながら読みました。

    それぞれの作品の説明に愛が感じられます。

    内容は難しくなく、知ってることも多いのですが
    改めて知っていることとそれを外に表すことの間にはそれはそれは高い壁があるなと思い知らされました。

    現代美術と自分との接点が見つかるかもしれない、王道美術史がちょっと…という人に読んでほしい一冊です。

  • 現代美術の流れを世界の流れと日本の流れそれぞれを通しで解説しています。なるほど、世界の流れと日本の流れには違いがあるのか。道理で外国の現代美術を見ると首をひねることも多いわけだ。後ろの方には現代美術と政治の関わりを反体制以外の側面も含めて書いてあったのも良いです。良くまとまっている、これこそ新書という感じです。

  • ボリューミー
    普通に美術史
    帯から伺えるワクワク感はなし
    現代美術史を新書でやるとこれが正解なのだろうけどもっと引き入れるように書けるのではと

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著者プロフィール

山本浩貴
1986年千葉県生まれ。文化研究者、アーティスト。一橋大学社会学部卒業後、ロンドン芸術大学にて修士号・博士号取得。2013~2018年、ロンドン芸術大学トランスナショナルアート研究センター博士研究員。韓国・光州のアジアカルチャーセンター研究員、香港理工大学ポストドクトラルフェロー、東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科助教を経て、2021年より金沢美術工芸大学美術工芸学部美術科芸術学専攻講師。単著に『現代美術史 欧米、日本、トランスナショナル』(中央公論新社、2019)、『ポスト人新世の芸術』(美術出版社、2022)、共著に『トランスナショナルなアジアにおけるメディアと文化 発散と収束』(ラトガース大学出版、2020年)、『レイシズムを考える』(共和国、2021)、『東アジアのソーシャリー・エンゲージド・パブリック・アート 活動する空間、場所、コミュニティ』(ベーノン・プレス、2022)、『新しいエコロジーとアート まごつき期」としての人新世』など。

「2023年 『朝露』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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