原敬-「平民宰相」の虚像と実像 (中公新書, 2660)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 15
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121026606

作品紹介・あらすじ

初の「平民」首相として、本格的政党内閣を率いた原敬。戊辰戦争で敗れた盛岡藩出身の原は苦学を重ね、新聞記者から外務省入省、次官まで栄進する。その後、伊藤博文の政友会に参加、政治家の道を歩む。大正政変、米騒動など民意高揚の中、閣僚を経て党の看板として藩閥と時に敵対、時に妥協し改革を主導。首相就任後、未来を見据えた改革途上で凶刃に倒れた。独裁的、権威的と評されるリアリスト原の軌跡とその真意を描く。

感想・レビュー・書評

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  • 初の本格的政党内閣、平民宰相、暗殺された総理大臣と、歴史的に有名で、日本の近代史では必ず登場する原敬。そのわりには、その個性が分かりにくい人なのではないでしょうか。本書では「原敬」について、生い立ちから、最後までを辿ることで、その魅力と業績を知ることができます。それによって、「本格的政党内閣」や「平民宰相」が当時の社会や世界に与えたインパクトの大きさを知ることができます。現代では見られない、将来を見据えた行動と、その結実としての総理大臣。国を考えての様々な行動が、昭和天皇含めて、戦後の日本にもつながる重要な影響を与えた人であることを教えられます。賛否の否もあった人であるゆえに、その人間的な苦しみから、為したいものへの執念が世の中を巻き込んで大きな影響を発したこと、今の私たちにも学ぶべきこと多数あると思います。

  • 初の本格的な政党内閣を実現した「平民宰相」原敬の評伝。原は、粘り強い現実主義者として、傑出した政治家だったと再認識した。また、年齢を重ねるにつけ、円熟していく様がよくわかった。現代の、特に野党の政治家にも参考になる点が多いと感じた。

  •  政界入りする前の原は、官立学校を退学処分となり、記者を経て、人間関係から外務省に登用、農商務省に移動、外務省に復帰して次官や公使、そして新聞経営へ。年齢の低さと合わせて現在ではあり得ないキャリアパスに驚く。
     政界入り後の記述は、首相時代やその政策は少なめで、そこに至るまでの日本政治と原の政治的手腕をなぞっており、藩閥政治から政党政治への流れと重なる。「初の政党内閣」隈板内閣の短期崩壊、「準政党内閣」第二次西園寺内閣と山本内閣。そして「初の本格的な政党内閣」へ。常に藩閥政治と二項対立だったわけではなく、山本内閣や寺内内閣への態度のように、協力や是々非々主義でもあった。
     政党政治の進展と共に、原が進めた官僚の政党参加、政党化にも触れられている。政党の政策立案能力を高め将来の大臣候補をプール、との(当時の視点からの)利点を著者は挙げるが、現在の視点からは奇異に見える。米国式の猟官制と言えるのか、議院内閣制以前に必要だった形態なのか。
     講談社現代新書『真実の原敬』と比べ、著者の思い入れめいたものが少なく実証的。中公新書らしい。

  • 功績は大きいが、欲もあり、目的のためには手段を択ばないところもあるマキャベリアンで、でも理想もある。
    とても複雑で魅力的な人物だと思った。

  • 小説みたいで、原敬が死ぬ直前からの描写には涙が止まらなかった。
    本を読む前は平民宰相という印象しかなかったけれど、とてもグローバルな人間で、日本を考えて、着々と総理になっていく様子は、彼は日本のトップになるべくしてなったんだ、と痛感した。
    同時に、明治から大正にかけてのギラギラした時代が伝わってきて、あの情熱がある時代は失われた30年と言われる世代に生まれた私としては羨ましくなってしまった。

  • 女子栄養大学図書館OPAC▼ https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000054315

  • あまり知らなかった政治家。時に強引な手法をとりながらも、政党政治を推し進めた。

  • 東2法経図・6F開架:B1/5/2660/K

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著者プロフィール

1974(昭和49)年長野県生まれ. 99年慶應義塾大学法学部政治学科卒. 2003年慶應義塾大学大学院法学研究科単位取得, 退学. 05年博士(法学). 東京大学先端科学技術センター特任助手などを経て, 07年慶應義塾大学総合政策学部専任講師, 准教授を経て, 17年より慶應義塾大学総合政策学部教授. 専攻/日本政治外交史. オーラル・ヒストリー. 著書に『政党と官僚の近代』(藤原書店,2007年),『近代日本の官僚』(中公新書, 2013年. 日本公共政策学会賞)などほか多数.

「2021年 『原敬 「平民宰相」の虚像と実像』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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