宗教図像学入門-十字架、神殿から仏像、怪獣まで (中公新書 2668)
- 中央公論新社 (2021年10月18日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121026682
作品紹介・あらすじ
十字架、仏像、聖人画、曼荼羅、地獄絵図、神話の神々、竜――。シンボルマークや空間表象、彫刻や絵画、映像などによって形成された「イメージ」は、教義と並ぶ諸宗教の重要な特徴だ。本書は、異文化理解に欠かせない宗教図像の知識を「異形の神々」「聖なる文字」「終末の描写」などのトピックごとに一挙解説。二〇〇点を超える図版とともに、宗教文化の奥深い世界を案内する。巻末に、主要な宗教の「教義と歴史」をやさしく解説するガイド付き。
感想・レビュー・書評
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季節柄、高校野球の取材物で定評のある中村計さんの本を探していたら、似た名前の著者の本作にたまたま行き当たって読んだ。
図表を中心にパラパラ読んだ。
場所と時代は違っても、宗教の基本的なモチーフや布教のためのニーズは結構似たものが多いよう。
ID論のパロディである、「空飛ぶスパゲティモンスター教」までカバーしているのは笑えた。
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こういう切り口で宗教を語る本は貴重。お寺や教会を訪ねる楽しみがまた一つ増えた。
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中村圭志『宗教図像学入門』読了。諸宗教の絵画や彫刻、図像など視覚的な表象を読み解くというか解説した本。鬼滅の刃はじめ最近の映像作品もちょいちょい出てきてとっつきやすい。ミケランジェロ作のモーゼ像に角が生えているのは当時の聖書の誤訳が原因ってのは恥ずかしながら知らなかった。
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パラパラと眺めているだけでも面白い
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クールな宗教概論だ。特別な宗教はない、と全体に主張しているように感じる。
・大宇宙と小宇宙の照応は、仏教だけでなく、キリスト教やカバラーにもあった。
・旧約聖書には、天国も地獄も書かれていない。 -
簡単で短い、非常に読みやすい本。
新書ならではの軽さは相変わらず読むたび嬉しくなる。
世界各地に流布される様々なイメージ群について、各宗教の根本的世界観や教義等に触れながらシンプルかつ堅実に読み解いていく。
巻末にある付録も良かったです。
最高。 -
宗教を図像や空間の表現という感性の側面から捉え、背後にある心性を眺めていく。それぞれのトピックに深入りはせず、その分多方面に好奇心を刺激される内容だった(キリストや聖人が斜めを向いた時だけ頭の輪もちょっとだけ傾くのは、確かに不思議だ)。古今東西の様々な作品の宗教的寓意を理解する手掛かりとしてもおもしろい。
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様々な宗教や信仰、思想を「図像」で串刺しにした本書。
「はじめに」にもあるように、モチーフごとの章立てになっているので、諸宗教を共通点から比較できる。フラットでクセがないから読みやすく、「図解 世界5大宗教全史」と一緒に手に取る機会が多い。
仏教図像やキリスト図像、シンボル辞典などの専門書は多数あるから、この書で気になった図像やシンボルがあれば、またそこを深めることはいくらでもできる。そこからさらに、成り立ちや宗教的意義を読み解くこともできる。
その前提として、手がかりとして、ガイドとして、本書を読んで、ここをもっと知りたい!を見つけることができる。