中国哲学史 諸子百家から朱子学、現代の新儒家まで (中公新書 2686)

  • 中央公論新社 (2022年2月21日発売)
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  • 本 ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121026866

作品紹介・あらすじ

春秋戦国時代に現れた孔子や老子ら諸子百家に始まり、朱子学と陽明学に結実したのち、西洋近代と対峙するなかで現代の儒教復興に至る中国哲学。群雄割拠から統一帝国へ、仏教伝来、キリスト教宣教、そして革命とナショナリズム。社会変動期に紡がれた思想は中国社会の根幹を形づくった。本書は中国3000年の叡智を丹念に読み解き、西洋を含めた世界史の視座から、より深い理解へと読者をいざなう。新しい哲学史への招待。

感想・レビュー・書評

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  • 哲学者といえば欧米を思うけれど、孟子、老子、孔子…歴史の長い中国のこれが哲学だったと思い知る。
    例をもとに様々な展開が深すぎず丁度良い。

  • 高校漢文から派生して、岩波文庫や世界の名著、学研版中国の古典シリーズを読み漁った程度の知識では歯がたたないところだらけではあったが、老子注釈でしか名を知らなかった王弼や、漢詩しか知らなかった韓愈の思想にまで視野が広がった。
    新書の限られたスペースではあるが、豊富に訳文を掲載してあるところが、初心者にはありがたい。
    中国思想が仏教・キリスト教との衝突でいかに格闘したか、更には西欧哲学との相互影響のあたりは、殆どが初めて知ることばかりで興味深かった。
    近代から現代にかけての中国思想は、胡適等の僅かな例外を除き、初めて見る名前ばかり。
    講義録が基になっているようで、細かく章立てされているのが、かえって読みやすくなっている。
    巻末に記されている細かな参考文献を見ていると、幼い頃、文庫本巻末に付いていた広告を眺めて、次は何を買って読もうかと舐めるように見ていたワクワク感が蘇る。

  • 哲学史の為、各思想についてある程度の予備知識があればより面白いと思われる。

  • 孔子、老子、孟子、荀子、荘子、韓非子、朱熹、王陽明、胡適、仏教やキリスト教といった外来思想、その他中国の哲学の歴史。中国の哲学が哲学としての普遍性を持ちうるのか、それともあくまで中国の思想としてのローカルなものなのかといった議論も。

  • 大枠は中国思想の通史の解説,本書のポイントは思想を哲学として再構築しているところだろう。

  • ふむ

  • 「中国思想」は耳慣れた言葉であるが、「中国哲学」は私には少々耳慣れない。それは「哲学」が西洋由来の言葉であるからなのだろう。本書では、この「中国哲学」を、孔子から20世紀に至る思想家を時に西洋の哲学を引き合いに出しながら中国の思想を哲学として普遍化することを試みている。単なる概説書を越えた、中国哲学を俯瞰的にまた深く理解できる好著。

  • 難しい。

  • 中国哲学の歴史について。現代に近づくにつれて理解が難しかった。中国哲学の起源が孔子から始まるのか老子から始まるのかで論争があることを初めて知って、勉強になった。近世あたりでマテオ・リッチと中国の仏僧たちが殺生戒をめぐって論争になるのだが、そこのあたりが現代のヴィーガン周りの論争を彷彿とさせるところがあり、結構面白かった。

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著者プロフィール

東京大学東洋文化研究所教授

「2024年 『日本の近代思想を読みなおす4 女性/ジェンダー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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