最後の審判-終末思想で読み解くキリスト教 (中公新書 2708)

  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121027085

作品紹介・あらすじ

世界の終末に神が人類を裁くことを「最後の審判」という。キリストが再び来臨して、天国で永遠の命をあずかる者と地獄へ堕ちて永遠の苦しみを課される者を振り分けるのである。西洋の人々にとっては、希望の証であると同時に恐怖の源でもあった。本書は、このキリスト教の重要主題をわかりやすく解説する。死後の世界はどうイメージされたか。罪は誰が裁き、どんな罰が与えられたか。多くの図版とともに読み解く。

感想・レビュー・書評

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  • 【請求記号:191 オ】

  • ・西洋の文化や思想を深く理解しようとするなら、キリスト教についての知識を欠くことはできない。しかも、護教論的で教権主義的な議論に陥らないためには、異端とみなされてきた考え方や、外典や偽書とされてきたテクストにも等分の注意を払う必要があるだろう。

  • キリスト教において重要な主題である最後の審判を中心として、死後の世界、正義、罪と罰、復活といった要素がどのように解釈され描かれてきたかを解説する。キリスト教が古いものを取捨選択し、異端を退けながら権力を確立していく過程が文学や美術作品を通じて表現される一方、批判や風刺もまた作品の中に見て取れる。当時の人々、特に教養を持たない人々は「最後の審判」に何を思っていたのだろう。

  • 女子栄養大学図書館OPAC▼ https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000058744

  • ふむ

  • キリスト教徒ではないし、キリスト教にも詳しくないので、「最後の審判」の意味するところも全く知らない。そんな状態で読んでみました。

    最後の審判を理解するために、まずは死後の世界の地勢図の解説から入り、裁きと正義、罪と罰について、そして、最後の審判の後にもたらさられる復活について説明されます。

    原始キリスト教の時代からルネサンス期の聖書や外典などのテクストや美術作品を参照しながら、論説が進みます。

    図版が多くて、割とすらすらと読み進めたけれど、キリスト教に関する基礎知識がなさすぎたのか、印象に残った事柄が少なかったので、星2つの評価としました。

    キリスト教世界では、死んだ後、すぐに天国や地獄に送られるわけではなく、最後の審判を待つ間、一旦止め置かれる場所があるとは面白いですね。

    ダンテの『神曲』を多く参照されていて、『神曲』の概要を知りたくなりましま。

  • 東2法経図・6F開架:B1/5/2708/K

  • 『最後の審判』についての解釈を歴史からよりわかった

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著者プロフィール

1954年、広島県に生まれる。2020年、京都大学大学院人間・環境学研究科教授を退職。現在は、京都大学名誉教授、京都精華大学特任教授。専攻は、西洋美術史。
 著書に、『キリストと性』(岩波新書、2023)、『反戦と西洋美術』(ちくま新書、2023)、『ネオレアリズモ──イタリアの戦後と映画』(みすず書房、2022)、『フロイトのイタリア──旅・芸術・精神分析』(人文書院、2008、読売文学賞)、『モランディとその時代』(人文書院、2003、吉田秀和賞)など多数、
 訳書に、ジョルジョ・アガンベン『創造とアナーキー──資本主義宗教の時代における作品』(共訳、月曜社、2022)、同『王国と楽園』(共訳、平凡社、2021)など多数がある。

「2024年 『アートの潜勢力』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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