外交とは何か 不戦不敗の要諦 (中公新書 2848)

  • 中央公論新社 (2025年3月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784121028488

作品紹介・あらすじ

『日本経済新聞』(朝刊)2025年4月12日、『外交』2025年,vol.91、『公明新聞』2025年7月7日等に書評掲載


米中の覇権争い、あいつぐ戦争。
試練の時代に日本外交はどこへ、どう向かうべきか。
本書が探るのは戦争をせず平和的に問題を解決するための要諦である。
現実主義と理想主義、地政学と戦略論などの理論、E・H・カーやキッシンジャーらの分析に学ぶ。
また陸奥宗光、小村寿太郎、幣原喜重郎、吉田茂、そして安倍晋三らの歩みから教訓を導く。
元外交官の実践的な視点から、外交センスのある国に向けた指針を示す。

みんなの感想まとめ

外交の役割や重要性を深く探求した本書は、現代の国際情勢における日本の立ち位置を考える上での貴重な指南書です。著者は元外交官の視点から、歴史的な教訓や理論を交えつつ、戦争を避けるための平和的解決策を模索...

感想・レビュー・書評

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  • 軍事と外交はどちらも国益を守るために必要なものであるが、外交が上位概念であるべきとう著者の主張には、第二次世界大戦という過ちからの学びが踏まえられており、非常に説得力がある。

    他方、著者は元外交官であり、やや「軍部の暴走」というところに、あの悲劇の責を負わせ過ぎているきらいもあるかなという印象も受けた。

  • 各地で世界情勢が緊迫するなかで、改めて外交とは何かという思いに駆られて手に取ったのが本書、小原雅博氏の『外交とは何か 不戦不敗の要諦 』である。
    中公新書らしい硬派なクラシックな佇まいとは裏腹に、本書は2025年3月刊行と最新の知見が盛り込まれており、ウクライナ侵攻やガザ情勢といった20年代の大きな問題にも鋭く切り込んでいる。

    言われてみれば、外交とは何か、明確に説明できる人は少ないのではないだろうか。自分もその一人だ。
    本書は、タイトルの通り外交の役割や歴史、そして現代におけるその重要性が丁寧に記されている。

    特に大きなページ数を割かれて記される日本の外交史を深く掘り下げている点はとても興味深い。
    1853年のペリー来航に始まる国際社会との関わり、列強の一員として地位向上を目指すも最終的に国際社会で孤立し、第二次世界大戦へと突き進んだ悲劇的な歴史。そして敗戦後、外交優先の国へとシフトした現在まで、日本の歩みが描き出される。

    また、高度経済成長期以降の日本が積極的に行ってきたODA(政府開発援助)についても触れられている。一見すると「ばら撒き」と捉えられがちなこうした財政支援が、いかにして日本の外交力を高め、戦後のアジアにおける日本の国際的地位再構築に貢献したか、具体的な視点から解説されている。

    外交において何が重要なのか。本書は、単なる交渉術に留まらず、外交における要諦、さらには一見無関係に思える国民感情や世論が決定的に重要であると指摘する。

    SNSなどを見ていると、「自国を守るには軍事力や核さえあれば外交はいらない」といった極端な意見を目にすることがある(もちろんフィルターバブルかもしれないが……)
    しかし著者は、外交力こそが国際社会を渡り歩く際に最も重要な力であると警鐘を鳴らす。
    外交を放棄すれば、国際社会での信用は地に落ち、孤立する未来が訪れるだろう。日本はこれまでの経験から極端な政策に踏み切るようなことはないと思いたいが、そのためにも国民ひとりひとりが外交とは何かを知るべきなのだと感じた。そのための入門書としても、本書は非常に示唆に富む一冊だった。

  •  近代日本外交史、現実主義と理想主義、国益、戦略、地政学、外交一元化、日本外交の課題、等等てんこ盛り。そのため焦点がぼやけたとも思うが、内容は妥当で、まとめて一冊で把握するにはいい。
     著者の視点は「理想主義的現実主義」。特に日本外交の章では、国際協調や国際主義よりも国益重視の近年の流れに批判的な論をかすかに感じるが、全体的にはバランスの取れた論調。元外交官だが自分の経験談は少ない。これを大局的と見るか、上滑りと見るか。
     著者は戦前日本の過誤を、軍事が外交を圧倒したためとする。外務省革新派の存在にも触れてはいるが。その要因として、軍部の暴走や指導者の国際情勢認識の欠如、時代の空気等を本書の複数の箇所で挙げる。異存があるわけではないが、一直線で戦争に向かったわけではないだろうにとも同時に思う。

  • トランプ大統領の方針がカオスになってきて、第二次高市政権が発足する、日米外交にとって外交の転機となるこのタイミングでこの本を手にとれた事は価値があったと思う。陸奥宗光と小村寿太郎のすごさ、それを支えた初期の明治政府の要人たちのすごさもよく理解できた。また、外交に影響を及ぼしてしまう、内政、軍事、世論の怖さもわかった。

  • 外交と軍事(防衛)は国外政策の両輪となる。最近は防衛費の増大ばかりが注目を浴び両輪のバランスが取れていない気がする。かつては経済という補助輪が外交を支えていたが、経済のプレゼンスも相対的に低下しつつある今、本輪の外交が防衛と互して回っていかなければならない。車体が横転してしまう前に。つい80年前にも横転して周りを火の海にしてしまったのだから。

    それに防衛は結局の所金食い虫の一面もある(ある程度は金食い虫でいいとは思うが)
    外交に労力を掛け成果を出す事が安上がりで、借金大国にも優しい政策になるはず。

    ジュンク堂書店天満橋店にて購入。

  • 【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/581111

  • 女子栄養大学図書館OPAC▼https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000075631

  • ふむ

  • あらゆる組織において通ずる手段と目的を埋める戦略の重要性を感じると共に、必死になって作っていかなければならない平和に対する責任を持とうと思わせられた。

  • 配架場所・貸出状況はこちらからご確認ください。
    https://www.cku.ac.jp/CARIN/CARINOPACLINK.HTM?AL=01437581

  • 【請求記号:319 コ】

  • 東2法経図・6F開架:B1/5/2848/K

  • 【本学OPACへのリンク☟】

    https://opac123.tsuda.ac.jp/opac/volume/728456

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著者プロフィール

小原雅博(こはら・まさひろ):博士(国際関係学)。東京大学卒、UCバークレーにて修士号取得。1980 年に外務省に入り、アジア大洋州局審議官、在シドニー総領事、在上海総領事を歴任後、2015年に東京大学大学院法学政治学研究科教授に就任。2021年東京大学を定年退職。現在東京大学名誉教授の他、名城大学など複数の大学で特任教授や客員教授を務め、海外では復旦大学(上海)客員教授も務める。10MTVで「大人のための教養講座」を担当するほか、企業のアドバイザーも務める。著書に、『国益と外交』『東アジア共同体』(共に日本経済新聞社)、『境界国家論』(時事通信社)、『日本の国益』(講談社)、『大学4年間の国際政治学が10時間でざっと学べる』(KADOKAWA)、『コロナの衝撃-感染爆発で世界はどうなる?』『東大白熱ゼミー国際政治の授業』『チャイナジレンマ』(ディスカヴァー携書)、『日本走向何方』(中信出版社)、『日本的選択』(上海人民出版社)他多数。

「2022年 『戦争と平和の国際政治』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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