霞が関残酷物語: さまよえる官僚たち (中公新書ラクレ 56)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121500564

作品紹介・あらすじ

誰をも幸福にしない霞が関というシステム-その元凶、"身分差別"人事。キャリア/ノンキャリア、事務官/技官。そして官もひれ伏す政という雲上界。不透明な腐敗の構造にメスを入れる。

感想・レビュー・書評

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  • たかが4年勤めただけで偉そうに、とか、辞めたから言いたい放題言えるけどさ…、とか、少し思っちゃうところもあるのだが、霞ヶ関の不条理、不合理は確かに存在し、本来の、国民への奉仕という目的に適わない状況が一部であれ続いている以上、耳を傾けるべき意見も多々ある本ではあると思う。
    あと、国家公務員法絡みの、キャリア制度のカラクリなどは、なかなか一般の人にはわからない仕組みなので、平易に紹介されていた点も良い。

  • とりあえず斜め読み。主に官僚のこれまでの人事(どんな人が偉くなりやすいか)について書かれている。内部構造について詳しく、数字を踏まえた具体的な話が多く参考になった。読んでいて辛かった。

  • 変な政策を通る理由-答え「早く帰りたいから」

  • 尊敬する人(キャリア)のあの性格形成の一端を見た気がする

  • おもしろかった。官僚の出世システムや内部事情についてはいろんな「暴露本」が出されていて、今更真新しい情報はそんなになかったけど、官僚の近年の不祥事をおさらいする目的で読みました。
    挿入されているエピソードはどれもすごくおもしろいです。

    特におもしろかったのが旧通産省であったという「4人組事件」。
    なんでも若手の官僚が選挙に打って出るというので、箔つけのためだけに慣例を破って7年くらいすっ飛ばした重役職につけたため、省内ですったもんだがあって…うんぬんという話。
    この時選挙に出るために官僚を辞しているのが、棚橋泰文自民党総裁候補「候補」。しかもこの人、父親は事務次官経験者だし、祖父も政治家という。なんとも華やかな…。

    官僚の考え方については、次の言葉に要約できると思います。
    「官僚は何か真新しいことを始めてみても、給料が増えるわけでも何でもない。それどころか余計な波風を立てたというので後々不利になる可能性の方がずっと高い。それならば何もしない。上から命じられたことを粛々とこなす。そうすれば早く帰れる。ただそれだけのことだ。」

    大部分の官僚は普通の人で、できればやりがいのある仕事をやりたいと思っているんですけどね。
    ただそうはいかないのが現状なんですよね。きっと。

  • 3/21

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著者プロフィール

1965年、福岡県生まれ。東京大学工学部卒業。労働省(現厚生労働省)勤務後、フリーライターに転身。96年、『ビンゴ BINGO』で小説家デビュー。『劫火』『残火』で2005年と10年に日本冒険小説協会大賞(第24回、29回)、『地の底のヤマ』で11年に第33回吉川英治文学新人賞と第30回日本冒険小説協会大賞を受賞。14年、筑豊ヤクザ抗争を描いた『ヤマの疾風』で第16回大藪春彦賞受賞。他の著書に『光陰の刃』『最果ての街』『目撃』『激震』などがある。本作は『バスを待つ男』に続くシリーズ第二弾。最新刊は、シリーズ第三弾の単行本『バスに集う人々』。

「2023年 『バスへ誘う男』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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