ぷちナショナリズム症候群 若者たちのニッポン主義 (中公新書ラクレ 62)

  • 中央公論新社 (2002年9月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784121500625

みんなの感想まとめ

現代の若者のナショナリズムに対する無意識的な感情や行動を、精神分析や社会学の視点から探求する内容が魅力的です。著者は「ぷちナショナリズム」を、深い思想や歴史的背景を持たずに愛国的な感情を抱く現象として...

感想・レビュー・書評

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  • 「ぷちナショナリズム」とは、「ちょっとだけナショナリズムを主張する」という意味ではなく、愛国的(っぽい)の行動が、過去のナショナリズムの思想を経ず、何の迷いもなく、「日本人だから日本が好きなのは当たり前」という短絡的な理由に因るものを指している。
    W杯やオリンピックのような国際舞台観戦における、直情的・即応的な反応に論を発し、そうした社会のマインドを、心理学者らしく個々の人間の内側から淡々冷静に分析していて、頷きながら読み進められる。
    途中でエディプス・コンプレックスの話題が登場していて、エディプスコンプレックスと日本の将来を絡めた考察は面白い(ただ、ナショナリズムとエディプス・コンプレックスの脈絡掴めず、唐突な印象を受けたが)。
    実際に、W杯を応援する側の立場から云うと、諸々の反論はできそうだし、無条件に彼女の説に賛同するわけでもないが、右翼も左翼もなく自虐的歴史観にも飽きてきたこの時代を見るには、有意義な視点だと思う。

  •  確固とした理由もなしに、若者がナショナリズムに走ってしまう違和感を解き明かそうとしている本。精神分析的な知見から階層格差にまで話が及んでいて奥行きの深い本。

  • 若者世代のナショナリズムの形態とか、香山さんの視点から見た実態について書いてあります。
    そこから、愛国心や格差社会について書かれています。

    読みやすい本です。
    ただ、やや強引な部分もある気が(^-^;

    私なんかの若者世代からしてみると「あ、たしかにそういう傾向あるわ」と感じたりする事も多かったです。
    わりと簡単に読める本なので暇な人はどうぞ~。

  • ブックオフで購入。自分の近くにあるものを愛することは、産まれた国を愛することはよいことだと思う。でも家族や友人などを愛することの方がよりよいことだと思う。隣人愛、家族愛の発展系としての愛国心をもてるような大人の国になって欲しい。

  • [ 内容 ]
    W杯サッカー、内親王ご誕生、日本語ブーム等、ポップで軽やかに“愛国心”を謳歌する若者。
    米国テロ事件、欧州極右の擡頭等、世界情勢が混迷する中、この「愛国ごっこ」の次に来るものは何か。

    [ 目次 ]
    序章 「ニッポン、大好き」
    第1章 ぷちなしょな風景―2001‐2002
    第2章 崩壊するエディプス神話
    第3章 日本は「本当のことを言える国」か?
    第4章 進む階層化、変容するナショナリズム
    第5章 「愛国ごっこ」のゆくえ―三つのシナリオ
    終章 歴史への責任―あるコラムニストの予言から

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 大学1年生の春ごろ読んだ本。
    結構賛否両論なのね。
    なんというか・・・自分も結局ぷちなしょかな・・・なんて思ったり、それが悪いことなのか?って思ったり。明確に論理的に解決するのはむずかしいでしょう、そりゃ。なんにせよ自分が無意識に何かに巻き込まれていないかな・ってかんがえた。文が平易で香山リカの書き方が好きだから肩入れしているかもしれないけれど。

  • 10月20日 ~ 10月23日

    北島三郎や西城秀樹が果たしてどれほど国家を意識し、戦意高揚を意識して国歌を斉唱していたかは疑問だ。また、民族意識と国旗、国歌を結びつけることが知識人の使命のように考えているのは時代錯誤もはなはだしい。無階層の平等な社会をおめでたくも信じながら、自らを知識人階級の一員に位置付けるのも矛盾を感じる。
     ナショナリズムとは思想に裏付けられたものでなくてはならないのか。日本に日本人として生まれた人間が無意識、取捨選択なしに日本が好きということのどこに不思議があるのか。大学生は分別があり、社会に対して疑いの目を持っているという常識、認識の裏付けは何なのだろうか。社会の成熟や文化の衰退などの社会学的アプローチ、視点なしに、精神医学と哲学的切り口で現代の若者を論じようとするやり方は全共闘世代の末裔のように思えてならない。

    気候風土がその民族性を作るというのが持論なのだが、現代の若者にみられる気質も当然その影響を受けると考えていい。気候風土の変化(四季がなくなりつつある現代日本、温暖化)が民族性を変化させていると考えてもおかしくないのでは。日本人の南洋民俗化=若者気質。DNAの変化

  • 現代の若者らが「愛国」があたかも自明のこととする風潮に警鐘を鳴らした本。確かに「日本に生まれた=国を愛せ」という風潮がドグマ的だという点については同意できるが、ややもすると「愛国=危険な風潮」ともとれるような内容であったと感じた。

  • ぷちナショナリズムという命名や論の発想自体は面白いのだが、論理の飛躍や思い込みが激しく、大学生のレポートのような印象を受けた。
    分析のふりして、最初から結論は頭の中で決まっているという展開が長々と続き、不快。香山リカは初めて読んだが、拍子抜け。
    まあ新書としてはこのくらいの軽さ、エッセーっぽさがいいのかもしれないが。

  • 香山リカはけっこう好きなので、
    図書館でみつけて借りた。

    「ぷちナショナリズム症候群」というネーミングと切り口はいいと思うが、
    内容が説得力に欠ける。

    それでも、こういうテーマでこの著書が書くということ自体が
    意義あることのようにも思える。

  • 著名な作者の著名な本ということで期待していたが、期待外れだった。エディプス・コンプレックスの話や鷲田さんの引用は興味深かったけど、全体として、「私はこう思う」→「ほら、この人もこう言ってる」か「この人こんなこと言ってるけど違うよね」の連続で飽き飽きした。論理的じゃないし、根拠もないので、何か友達のレポート読んでる気さえした。

  • 少し前に書かれている本だが、今読んでも面白い。

    ナショナリズムという問題は非常に繊細な問題なので、読んだ人によってまったく違う感想がでてくるだろうと思う。

    内容は面白いのだが、様々な面からアプローチをしているため、論旨が不明確になっているように感じた。

    この本を急いで書き上げるほどお焦燥感が作者の中にあったと見るべきなのかも知れない。

    ただ、この本の中で懸念されていることが現実になりつつあることだけは確かだといえる。

    「美しい国」や「格差社会」という言葉がとりざたされている今だからこそ読む意義があると思う。

  • 確かにワールドカップの騒ぎ具合はどんなもんよと思うけどさー、そこまで危機感感じなくてもいんじゃね?って思う。
    まぁこうゆう小難しいこと考える人がいて、あたしみたいな楽観的な人がいるからバランス取れていーのかもね。

  • ふむ

  • ぷちナショナリズム症候群
    若者たちのニッポン主義

    サッカーワールドカップの応援で日の丸を振る若い人。→ ナショナリズムの前触れ。
    親に対して全くコンプレックスを持たずにそれを前提として社会的な地位を獲得する若い人。→ 階層化社会の前触れ。
    こういった形で、一部の現象を捉えてそれを元に結論する際の論理の飛躍が目立っちゃいます、リカさん。
    もう少し、丁寧に話を運んで欲しかったです。リカさんは切り口がオモシロイ話が結構あるので、同じ年ということもあり、頑張って欲しいです。
    伊坂幸太郎の「魔王」は、作家本人はこの小説はナショナリズムを描いたものではないと話していますが、結構ナショナリズムへ社会が傾いていく様子を良く表現していると思います。「魔王」の中で、群衆に処刑されて愛人と広場に逆さにつるされたムッソリーニの話が出てきますが、そんな群衆の中で、愛人のスカートがめくれないようにしてあげていた人の話がのっています。
    人は苦しい時には、人のせいにしたがるもので、社会がナショナリズムに傾倒していくことが避けられない場面もあると思いますが、そんな中で前述の人のように自分が思うことを臆せずにできるようになりたいなあと竹蔵は思うのでした。

    竹蔵

  • 卒論の参考文献として読んだ。
    スポーツとナショナリズムの関連性が書かれていて、多くの発見があった。
    特に、ナショナルチームを応援することで発生するナショナリズムについての記述が興味深かった。
    ナショナリズムとスポーツの関係性について書かれている他の文献も読んでいきたい。

  • 無理矢理に小難しく解釈しているだけで、何も言えていない感じの本。

  • ・2002年日韓合同W杯のマスコミの取り上げ方、サポーターの浮かれる様子、この時だけ日の丸を掲げ、アイドルが君が代を独唱するといった現象を香山氏が分析。そもそも国民全員が興味があるわけではなく、マスコミの報道偏重に問題があるはずだが、論点が日本人の一般論とされており、ずれている感が否めない。症候群というタイトルも大袈裟。

  • サッカーのワールド・カップに熱狂する若者たちの心理の考察からはじまり、無邪気なナショナリズムが蔓延することへの危機感が表明されています。

    「分裂」(スプリッティング)や「解離」(ディソシエイション)という心理的なメカニズムをもつ人びとが増えたために、目の前の現実を歴史という大きな流れのなかで考えたり、反省や懐疑の念を抱いたりすることなく、ことばにならないエネルギーをもてあまして爆発させる機会を求めているのではないかと著者は主張します。ワールド・カップでの「ニッポン」への熱狂は、こうした心理現象としてとらえられています。

    おそらく、ここまでは純粋に現代の若者の心理についての考察にすぎず、とり立てて政治的なナショナリズムとの関係を論じるべき筋のものではないのだろう、と思います。ただ、こうした心理的メカニズムを持つ人びとが社会の多数を占めるようになったとき、彼らの無邪気な気性が政治的なナショナリズムに雪崩打つ可能性があるというのが、おそらく著者の危惧の根幹にあるのではないかという気がしています。

    ワールド・カップでの「ニッポン」への肩入れに関して、主義主張のない流動的な「日本的カッコよさ」を特徴とする「超民族性」を積極的に評価する山崎正和の主張が紹介されていましたが、サブカルチャーがナショナリズムを飲み込んだのか、サブカルチャーがナショナリズムに飲み込まれてしまったのか、見分けがつかなくなっていることのほうが、むしろ重要な問題なのではないかと個人的には考えます。「愛国ごっこ」「民族主義のパロディ」が、「無邪気な愛郷心」「ぷちナショナリズム」に連続的につながってしまっている心理的なメカニズムこそが解明されるべきなのでしょうが、著者の議論はそこにまで及んでおらず、不満を感じてしまいました。

  • 香山リカに入門する。

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著者プロフィール

たくましいリベラルとして、右傾化する政治状況から現代社会の病理まで、メスをふるう行動派知識人。1960年生まれ。精神科医。立教大学現代心理学部教授。『若者の法則』『ぷちナショナリズム症候群 若者たちのニッポン主義』『生きてるだけでいいんです。』『弱者はもう救われないのか』『「悩み」の正体』『リベラルじゃダメですか?』ほか、著書多数。

「2017年 『憲法の裏側 明日の日本は……』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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