「新中流」の誕生: ポスト階層分化社会を探る (中公新書ラクレ 225)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121502254

作品紹介・あらすじ

アメリカ型の競争社会でいいのか。「勝ち組」国のフィンランドやスイスは中流社会だ。目を国内に転じても、日本型を大切にするトヨタに学ぶことは多い。古くて新しい日本型を模索せよ。

感想・レビュー・書評

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  • 教育水準と給与水準を高めることを通じて、高品質の商品・サーヴィスを求める消費者を増やすことが、ひいては国益につながるという考えを明快に押し出した本です。

    ヴォリューム・ゾーンが高い水準にあれば、企業もそれに照準を合わせた商品・サーヴィスを生み出すようになるはずだし、そうした企業経営を支える高い教育へのニーズも高まり、好循環を生んでいくことになると著者はいいます。そのうえで、日本の進むべき道は、アメリカ型の格差社会ではなく北欧型の福祉社会だと論じられます。

    教育心理学や経済心理学に依拠しているところが著者の独自の視点といえるように思います。心理学では、あまりにも高い目標を提示すると、ごく一部の人びとだけにしかインセンティヴが働かないことが明らかにされており、著者はこの理論を援用することで、「ものすごく努力をすれば億万長者になれる社会よりも、ちょっと努力すれば給料が少し上がる社会のほうが、みんなが総じてがんばる」はずだと論じます。

    最終章では、こうした社会を実現するための、かなり大胆な方策が提言されています。どれほど実現可能性があるのかは不明であり、また個々の議論については完全には首肯しがたい点もありましたが、全体を通して非常に明快な議論がなされているように思います。

  • 日本はずっと欧米のマネをしてきたけど日本には日本のよさがある。
    新たな視点で物事を見れた気がする。

  • 書かなきゃー

  • 一部の金持ちに富が集中するより、中間層に分散した方が経済効率が良いという話。

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著者プロフィール

1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、高齢者専門の総合病院である浴風会病院の精神科を経て、高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたり高齢者医療の現場に携わっている。
主な著書に、『80代から認知症はフツー』(興陽館)、『病気の壁』(興陽館)、『70代で死ぬ人、80代でも元気な人』(マガジンハウス)、『80歳の壁』(幻冬舎)、『70歳が老化の分かれ道』(詩想社)、『老いの品格』(PHP)などがある。

「2024年 『死ぬまでひとり暮らし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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