腐女子化する世界―東池袋のオタク女子たち (中公新書ラクレ)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 285
レビュー : 73
  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121502292

作品紹介・あらすじ

腐女子とは、男性同士の恋愛物語を嗜好する女性をいう。なぜ彼女たちは、「自分不在」の妄想世界に遊ぶのか?密かに、しかし確実に進行する女性のオタク化、その裏側をレポートする。

感想・レビュー・書評

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  • 格差論を腐女子を結び付けるのは強引すぎじゃない?

  • 2006年刊行。タイトルに即した内容は5章まで。現実逃避のツールの一つとの感。6章以降は格差論、特に世代間の認識の異同、女女格差に焦点が。前者・後者の関連性は見えて来ずじまい。なお、メイドカフェの向こうを張る執事喫茶は興味深いところ。

  • 2006年出版のため、現在と事情が異なる。前半は面白い。腐女子のオタク隠し、物語を妄想することこそが物語の消費の仕方、現実離れした話を好む、感情移入できない物語を好む。など腐女子分析は面白い。
    しかし、後半は女性の格差の話がメインとなり、腐女子は関係なくなる。非正規雇用、子育て、女性の競争。

  • 読み終わった後に何とも言えぬ居心地の悪さを感じた。著者の中に主張があってそれに都合よく参考文献やインタビューを切り貼りしてきたような、そんな感じである。そういう風に展開しちゃうのって飛躍じゃない?とか……
    別に扱う存在は腐女子でなくてもよかったのでないの?ただ腐女子を掲げておけば私のようなおっちょこちょいが本を手にとってくれるから触れといた、みたいな印象を読み終わった今強く感じている。格差や階級については面白く読ませてもらったが。
    腐女子ってこんなもんでしょ的な括りの大雑把さが根本の揺るぎとして違和感の源になっているのかもしれない。

  • この人の分析好き

  • 2006年代のことなので、2013年現在とは少し事情が変わってきているものはあるけど全体的な嗜好性は変わってない。

    本書は「腐女子」といったオタクカルチャーから格差社会にまで拡がっていく。女性性と他者からの承認など、腐女子の生態から何故こういった文化が生まれ、愛されてきたのか。といった論文。卒論資料として読んでいたが、女性の世代別価値観の推移も見ることが出来たので良かった。

  • 終盤、現在の日本の格差社会(特に女性間の格差)まで風呂敷を広げちゃって大丈夫か?!とハラハラしてしまった。シンドイ現実から逃避するための「腐女子」、ということなんすかねぇ。最後のまとめが、ちょっと駆け足だったような気がした。

  • ・同人誌:自費出版の刊行物
    ・BL市場メイン顧客:アラサー女子(可処分所得が多いため)
    ・進学女子校に多い傾向
    ・年間のBL市場:119億400万(代々木アニメーション学院2005年の試算より)

  • 著者は、「腐女子の特徴は?」「ファッションには無頓着なの?」「現実の恋愛には興味がないの?」といった質問を受けるたびに、「お洒落な女性もいれば、そうでない場合もあります」「彼氏がいることもあれば、いないこともあります」と答えてきた、という。

    メディアではステレオタイプで描かれがちな「腐女子」だが、じっさいには見た目も行動も一般の女性と違いはない。したがって本書でも、婦女子の「生態」を解き明かすことよりも、ごく普通の女性たちがBLなどのオタク文化にのめり込んでゆくのはなぜか、という社会的な観点からの分析が中心になる。

    バブル崩壊以後の格差社会は、「新しい階級」を生み出した。現在、かつて女性誌などが提唱してきた「ライフ・スタイルの選択」は、多くの女性たちにとって不可能になっている。よりよいライフ・スタイルをめざす「選択」が不可能になり、競争から降りた女性たちが、「ライフ・スタイル」が介在しない、ただ「趣向」だけでつながることのできるような「場所」を求めてオタク文化へ参入してきたというのが、本書の主張だ。とくにBLなどの男性同士の恋愛を扱うコンテンツは、読者自身が作品内の登場人物に感情移入するのではなく、現実離れした世界の「妄想」を読者に提供しており、こうした作品が腐女子に受け入れられているのだと著者は述べている。

    読む前に想像していた内容とはかなり違っていたが、こういうレポートもありだと思った。バブル以降の社会状況の変化を踏まえた上で腐女子コンテンツという「異文化」の出現を説明する本書の議論は、1970年生まれの著者の世代が腐女子を理解する道筋ではあるだろうが、腐女子の人たちの自己理解とはあまり切り結ぶところがないのでは、と思ってしまう。

  • 私のまわりに腐女子はいないと思ってたけど、この本によれば、どんな婦女子も腐女子にされてしまうようである。

    前半は腐女子の生態、オタクとの違い、BL、など近代人的な私にはびっくりな内容が多く、啓蒙書としていいと思う。

    女子はいくら腐っても女子のようで、マンガやら同人誌やらと共にファッションや現実の恋愛も、普通に並行して行っているらしい。
    だからオタクほど目立たないんだって。

    あとね、おすぎが酷評したゲド戦記が結構受けた理由は、ストーリーの欠落さ、にあるんだって。つまり、目立たない実は腐女子の方々が、欠落部分を妄想で埋めていく、という作業をしていたらしい。
    めからうろこ。

    しかし最後の4分の1くらいのところで急に、格差が腐女子という生き方を生む!みたいな感じになってきて、最初丸め込まれて、確かに!とか納得しちゃったけど、若干無理やり。

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