間宮林蔵・探検家一代: 海峡発見と北方民族 (中公新書ラクレ 297)
- 中央公論新社 (2008年11月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121502971
作品紹介・あらすじ
世界地図からその名が消えかけている間宮海峡。厳寒の地に乗り込み、多様な民族と過ごした林蔵の真の偉業とは。発見から200年、現役の探検家がその足跡をたどりつつ、探検の意義を問う。
感想・レビュー・書評
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間宮林蔵の辿ったサハリン、アムール川流域での道程を振り返りながら、探検家の著者も現代の同地域を訪れる。資料や地震の探検から林蔵がどのような気持ちで探検をしていたかを考察する。間宮海峡発見以外の林蔵の姿が見れてよかった。
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間宮林蔵の足跡を追う旅は、読んでいて大変興味深かった。暑い夏に読むのにちょうどいい。
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220623
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本当なら世界地図に名前が残っているハズの「間宮海峡」。
もったいなし。 -
井上ひさしの『四千万歩の男(二)』を読んでいたら、
伊能忠敬が間宮林蔵に出会った。
間宮林蔵は今まで時々私の人生にチラッとかかわっては消えていっていたので、
この本を書店で見たときには飛びついた。
読んでみると、とても面白い。
探検家が書いているので、時々文章にぶれが生じるものの、
現地へ足を運び、文献に当たるその姿勢は気持ちいい。
乗り物で読んでいると、入り込みすぎて到着時にあわてることもしばしば。
今まで知らなかった間宮林蔵のこと、
著者独特の近しい目線からの人物ぞうも嫌いじゃない。
ハラハラどきどきしながら、好奇心も満たされる。
やはり自分で足を運んだ著者だからこそかける文章というのが、この本の価値。
著者の「物語を旅する」というテーマがよくわかる。
どうしてこんなに楽しく読めたのかということを考えてみたのだけれど、
上海のまちを歩いて歩いて陳独秀の足跡を追ったりしてみた、その感覚に似ていたからだとおもう。
身を切るような思いをして、生死の境界をさまようようなことをするのが探検のイメージだったけれど
新しい感覚、自分だけの価値観を見出すために自分の足で歩くのも
これも探検なんだ。というささやか発見に感動。