東洋脳×西洋脳―多極化する世界で生きるヒント (中公新書ラクレ)

  • 中央公論新社
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本棚登録 : 88
レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121503817

作品紹介・あらすじ

脳科学者と中国文学者が東洋・西洋の普遍について縦横無尽に論じ合う。テーマは「漢字の凝縮力」「見える世界、見えない世界」等。多極化する世界における思考のエクササイズが一冊に。

感想・レビュー・書評

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  • 読みかけとなっていた本です、最後まで読みたいと思っておりますが、現在このような本に部屋が占領されてきており、苦渋の決断ながら処分することに至りました。近い将来、この本を読破できる機会が来ることを願っています。

    2018.1.2作成

    完読できていませんが、以下は気になったポイントです。

    ・人間の思考の過程というのは、ある種の電流の流れというか、脳波の流れのパターンである(p22)

    ・エジプトに行っても、イスラム教徒がいてピラミッドを建造した人とは別の文化の人が住んでいる、インドもインダス文明のインダス文字を読めない、中国は断絶することなく続いている(p25)

    ・韓国、中国は今でも夫婦別姓、日本も江戸時代までは夫婦別姓だったのに、明治から欧州の法律に合わせて夫婦同姓にしてしまった。東アジアでは日本だけグレゴリオ暦、他は旧暦を使っている(p34)

    ・日本の社会は外国に少し長くいて、向こうのような人になって帰ってきた人を必ずしも歓迎しない(p51)

    ・中国も本当は単音節語だけでも話せるが、わざわざ二音節化してスピードを緩めている、思考のスピードに追い付けないのかもしれない(p97)

    ・中国語をローマ字化する計画は、文化大革命とともに終わってしまった、トルコ、ベトナム、とかローマ字化した国を見ると、革命時に一気呵成に決める必要がある。毛沢東もやろうとしたが、「農民たちが西洋の文字を使いたくない、学ぶチャンスがなかった漢字を習いたいと思う」と言われた折れた(p108)

    2018年1月2日作成

  • タイトルから想像していた内容とは違ったけど、興味深かった。

    「王道」と「覇道」の違いが印象的。

  • 同音意義の音は抽象意味が同一・中国人のリスク分散本能・中国は自然現象も哲学とみなしてきた・伊尹の土功・漢文の情報圧縮力・雲門の一字閣・ 単音節マッピングの弊害としての冗長音の必要性・東洋の知識体系は敷居が高い・中国文化は既知ありき,全くの新規は好まない,全てはお釈迦さまの手の上・科学的思索は宗教的感覚があればこそ・心,未知は日本固有の概念 ・内なる野蛮者”リヴァイアサン”がなければ人は輝かない・

  • 読みやすくて、おもしろかった!

    気になったことをメモメモ。

    ・中国の美意識・・・一極集中だという。なるほど。

    ・海外に流出する中国人。リスク分散のハシュ(←携帯で漢字が出なかった)本能で、どこかがやばくなったら、そうではない親族のもとに逃げるという考え。

    ・「自分たちは先祖と同じ民族」

    ・日本は江戸基準 中国は清朝基準

    ・歴史的な経緯で染み付く、身体感覚・・・トラウマみたいなものか。過去こういうことがあったから、それを避けようとする。今読んでいる『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』(加藤陽子)にもそういうことが書いてあったなぁ。感情と感覚。・・・あれ?感覚と感情?

    ・日本化する=日本化できないものは入ってこない・・・なるほど。カタカナ英語とか、いろいろな概念はやはり「日本の身体」を通して得られるのか。その枠組みを広くできたらいいけれど、いずれにせよ、その長所と短所があるんだろう。

    ・鶏鳴狗盗・・・日本は均質性の押し付け合いであるが、中国は異質のものもそのまま受け容れる、というのは目からウロコだった。違って当たり前であるから、多種な民族を抱える大国なのだという。なるほどなー。日本だったら、同じか違うかでグループが変わるもんな。そこで階層も生まれる場合がある(身体的な優劣、クラスのイケてるヤツ、イケてないヤツなど)。それは自分にもがっちり当てはまっていて、弱いものに対して守らなきゃとか可哀想とか思うのは、けっこう日本的なところなのだと思った。道徳ではないとは言わないけれど(言えない)、それは平等に扱っていないという意も含んでいる。

    ・デフォルトは漢民族

    ・オープンエンド=終わりが分からない・・・西洋はオープンエンドであるがゆえに、自分たちのパラダイムを変えて、未知のものを求める。

    ・中国文化の美意識・・・陰陽五行的な、初めに枠組みありき

    ・ブリコラージュ=「手持ちの道具で何とか対応してしまう生命固有の能力をいいます。」 こんなところにレヴィ=ストロース!

    ・痩せ我慢の美学(日本)・・・騙されてもいい、踏まれても蹴っ飛ばされても、美しい嘘を信じたい。←これに笑った。ははは、でもわかる。

    ・「西洋では、社会のそのときの「常識」に反する個人の行為が「天才」と讃えられる。一方、東洋では何よりも「調和」が求められる。」

    ・対人関係にものすごく依存している思考形態

    ・摩擦抵抗が大きい東洋、小さい西洋・・・結果、そこにエネルギーを費やしてしまう。なるほど。

    ・今の脳科学では、個人というのは社会的に構築されるものだ、ということが普遍的

    ・自分の中に異質なものが混ざり合うような動きがない人は、結局リヴァイアサンとしてのエネルギーも出てこない←これは大事な気がする。せめぎ合いの造るエネルギーは、それが負だろうと正だろうと大きい。ちなみに文学の意義のひとつは、このせめぎ合いをいかに、どう、みせるかなんじゃないかな。

    ・直接本書とは関係ないが、違う本を読んでいたのに重なる部分があると気付くと楽しい。今回(というか今のところ)、先述した歴史的トラウマと、もうひとつ、『ガリヴァー旅行記』。これ、『シンデレラの時計』(角山栄)でも紹介されていたな。よし読もう。

  • 西洋はオープンエンドエンド、東洋(中国)は予定調和。
    中国人のリスク分散の考え方と、『解体新書』はオランダ語を日本語にではなく漢文に訳した本、というのが面白かった。

  •  脳トレがブームになったときによくテレビでみた茂木先生のかかわる本としては、初めての本だったので、興味心身で読み始めた。
     内容は、およそ中国のことと日本のことで、夏目漱石や森鴎外などがよく出てきた印象。前々から思っていた、文学を読まないといけないな、という感情がまた出てきた。
     加藤先生は、実は知らなかったのだが、中国についての茂木先生からの質問を次々に的確に答えて、中国の姿を浮き上がらせてくれている。
     よく考えたら、確かに中国は単純労働するには最適な国であるし、漢字を使うハードルの高い国であるし、現在の多くの日本人の考える理想の「東洋」ではないだろうし…。
     自分はあまり東洋とか西洋といったように、ざっくりわけてしまうのは、やっぱり危険に感じるものの、あえてざっくりわけることよによって、衝突をおこさせて、そこにパワーを感じるのも事実だなぁと考えてしまった。、

  • 西洋脳と東洋脳、読んでいて確かに違いはあるって思った。イギリスの大学に出す日本についての論文には論ずる視点を沢山提供してくれる本だった。

  • 東洋と西洋の考え方の違いを踏まえ、それぞれの文化の得意な部分を生かしていくヒントを与えてくれる本。ハイブリッド車のように、東洋と西洋の良さを相互作用によって、上手く動かしていくには、中国を知ろう!ということ。
    中国4000年の歴史に学ぶものは奥が深そう。

  • 脳科学者と中国文学者の対談。
    欧米を追いかけてきた日本をあっさり抜き去った中国は、独自の進化を遂げた国だ。独特のバランス感覚で55の他民族をまとめ上げる中国のリーダーは尋常ではない力量と度量を持っている。
    いま世界が中国に注目するのは、欧米とは異なる普遍を持っているからだ。
    科学は一神教の宗教観が根底にある。20世紀、科学の進歩とともに欧米の文化が世界を席巻したのは偶然ではない。アジアは多神教だ。そのアジア的宗教観を根底にしたもう一つの普遍が中国にはある。
    そして、日本は古来より中国の文化を取り入れ、そして20世紀は欧米の文化を取り入れた。いわば東洋と西洋のハイブリッドになる可能性を秘めているのが日本だ。

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著者プロフィール

1962年生まれ。脳科学者。東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻課程修了。理学博士。理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て、ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。『脳と仮想』で第四回小林秀雄賞、『今、ここからすべての場所へ』で第十二回桑原武夫学芸賞を受賞。著書に、『脳を活かす勉強法』(PHP研究所)『化粧する脳』(集英社)『最高の雑談力』(徳間書店)ほか多数。

「2020年 『もうイライラしない! 怒らない脳』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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