高学歴な親はなぜ子育てに失敗するのか (中公新書ラクレ 399)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121503992

作品紹介・あらすじ

「高学歴ゆえの過ち」を避けて、「高学歴のメリットを最大限に活かす」子育てのアドバイス。30年に及ぶ受験指導で、多くの医師・弁護士の親子を知る「受験指導のプロ」ならではの豊富なケーススタディ。ベストセラー『「勉強しろ」と言わずに子供を勉強させる法』の著者による新機軸とは。

感想・レビュー・書評

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  • 色々とウッとなるタイトルなのだけど、前から興味があったのです。
    高学歴者は、環境が後押ししたところもおそらく大きい場合が多いけれど、本人はそれを自覚せず、子どもには努力だけを求めたりしないのかと。
    ちょっとそういった方向ではなかったし(まあそれはタイトルで私が勝手に期待してしまったところなので当然ではある)、結局お金と「愛情」だという話だったなぁと思う…。
    学力以外に伸ばせるところがある子どもでも学力に固執してしまう親の話をしつつも、「成功例」として出されるのが難関大に合格して医者や弁護士になりました、というエピソードなのも、うーん…。

  • おっと!なんじゃこの本!
    うちの子育ては、すでに失敗ということか!?
    いちおう、医者なのです。ボク。

    著者の小林公夫さんは、塾の先生だそうです。
    有名な塾とのことで、高学歴なお子様を沢山指導してこられたのですね。
    その経験をまとめておられます。

    そもそも高学歴とはなにか?という分類をされています。
    それは二種類あるのだそうで、
    ・高学歴+家系エリートタイプ
    ・高学歴+頭脳エリートタイプ
    なのだそうです。
    もう、この分類みるだけで、ずいずい引き込まれて読みました。

    家系エリートも、3代はもってないと家系エリートとは言わないのだそうで・・
    その中でも、他の本では守リッチ、黒リッチ、一点リッチ、隠れリッチなんかの分類をしているのもあるとか。
    (from『黒リッチってなんですか?』)
    昔は、家系エリートが私学を支えたのだそうです。
    リーマンショック以来は、家系エリートでお金をつぎ込んで私学に・・というパターンが激減しているとか。
    太宰治さんの『斜陽』ですね。
    沈まない陽はナイノデスな・・・

    高学歴な親が陥る誤解も、5パターンにまとめられています。
    1)私の子供が馬鹿であるはずがない
    2)知育優先で、しつけを軽視してしまう
    3)情報に流されて、自分で分析できない
    4)「公立は駄目だから私立」という意識
    5)子供の目的意識の欠如に気づかない

    ・・・・・胸にビシビシ突き刺さる・・・
    うちの母さんが、このパターンほぼ全部だわ。
    まあ、2)については、しつけだけは厳しかった。。

    1)は当然の前提でしたね。謙虚さは無かったなぁ。。
    3)情報そのものに疎かった・・・
    4)私立に入れようとしたら、僕が馬鹿すぎて受験も出来なかったっていう悲しい現実が・・
    5)高3卒業時点で、大学も決まらず。理系か文系かも決まらず・・もちろん勉強もしてなくて、偏差値40台でした。
    僕の家も医者なのですが、この本に書かれているような子育て失敗例の典型です。
    母親が当時としては教育熱心で、他の子が遊んでいるときに塾と習い事漬けでした。
    「辞めたい」っていうと、たたかれたり。

    父親は、教育と子育てからはどんどん遠ざかっていきました。
    小さいころは、よく遊んでくれたり、教えてくれたんですけどね。
    母親が熱心になって、父親が口をはさめなくなったのだろうなぁ。

    さてさて、この本は目次が素晴らしい。
    いろんなお家との面談や、インタビューから要素を抜き出してきちんと目次が出来ています。
    質的研究ですね。

    さらに、内容にもジーンとさせられました。
    子供の努力を支える親の愛情。
    親を見てさらに努力する子供。。。
    やっぱり、親が子供のことを本当に想っているならば、子供は人生に向き合えるのだなと思いましたね。
    親が子供のことを想っている・・わけじゃなくて、成績とか受験のことばっかりのことが、多いんですね。

    子供はねぇ、大変なんですよ。
    受験に向いてる子ならいいんだけど、向いてない子もいます。
    (親のために)必死になって、精神的に病むやつも、いっぱい見てきた。
    医学部に入ったけど、アイドルの親衛隊をするからって辞めた奴もいたなぁ。。
    高学歴じゃなくても、是非読んでください。
    良い本です。

    子育て本には、二種類ありますね!
    一つは、子育てマニュアル本。
    こういう時はああしろ、とか、何歳はこう育てるってのはマニュアル本。
    駄目じゃないんだけど、大きなビジョンに欠ける気がします。

    もう一つは、教育論、とでも言うべき本。
    マニュアル的なこともありますが、どんな人間に育つのか、まで見据えた本ですね。
    こういう本は、誰が読んでも勉強になります。
    職場の指導にも、役立つでしょう。

    今回ご紹介の『高学歴な親はなぜ子育てに失敗するのか』
    は間違いなく後者です。
    将来どのような大人になるのか、どんな仕事をするのかまで考えましょうというメッセージが印象的でした。

  • 前半は論理が飛躍ししており、面白くなかったが、後半の具体例に入るとなるほどと思えることが増えてくる。決して高学歴の親ではないが、子供に対する過度の干渉が子供を駄目にするという点は、気をつけていきたい。話が断片的であちこちに話が飛ぶので、読む方としてはつらい。

  • あまり評価が高くなかったけれど、なかなか面白かった。

    実践してみようと思ったこと↓
    子供の適性を客観的に見て、あなたは⚪︎⚪︎に向いてるんじゃない?とさりげなく伝えてあげる。
    →そうしてもらったことによって自分の夢を見つけた、という子が多かったので。

    多感な時期に素敵な大人に会う機会をたくさん作ってあげる
    →どういう職業や生き方があるのか知れるため。これは自分もそうしてもらいたかった。

    片目をつぶって見守る。過干渉になりすぎない方が上手くいく。

  • 高学歴な親はなぜ子育てに失敗するのか。小林公夫先生の著書。タイトルは高学歴な親はなぜ子育てに失敗するのかだけれど、それは高学歴な親ほど子供に期待するものが大きくなりがちというだけであって、高学歴な親が子育てに失敗することが多いということではないみたい。高学歴な親から見た成功と失敗、低学歴な親から見た成功と失敗は違うだろうし、そもそも成功とか失敗なんて個人の価値観次第。

  • タイトル負け、ただ我が家が失敗したのは過干渉のせい。

  • 期待はずれの本だった。本書を取る問題意識のある人にとっては、ほぼ当たり前のことが書かれており、本書を取らないであろう親には、読ませてあげたほうがいいかもしれない。

    極端な例を取り上げては一般化して解説するところがあり、説明内容に首をかしげたくなる。またこの手の本に陥りがちな失敗として「私の○○年の経験に基づくと」という言い回しを多用すること。読者は筆者が何年経験あるかなんて興味ない。いちいち誇張されるとうっとおしくなるだけ。

    最終章のケースのみは、ケースをまとめ読みできたので役に立った。


    <目次>
    第1章 「高学歴な親」とはどんな人たちか
     1 現代のお受験事情
     2 高学歴者には2つの類型がある
    第2章 「家系エリート」が陥りやすい誤り
    第3章 「頭脳エリート」が陥りやすい誤り
    第4章 高学歴のメリットを活かすには
     1 子どもと正しい距離を保つということ
     2 経験を活かして、子どもに学問の本質を伝えよう
    第5章 30年の受検教育歴から見えてくること
     1 “期待外れ”な子どもたち
     2 高学歴な親が子育てに成功したケース

  •  特に買う必要のない本でした。

     私学・公立校、学力向上、教育論、教育格差・児童虐待などを中心に読みたいのならもっと別によい本もあるので手に取らなかった方がよかったです。

     子どもに対する母親の過干渉を問題視しておきながら、イクメンを批判するなど著者が児童虐待、性役割、フェミニズムに関して詳しくないまま書いてしまった。

     学力向上、生活指導に関しても本当に関わっているのか?とかんがえるほど抽象的かつ曖昧、乱雑です。

    よかった点は

    P40の家柄・血筋タイプ
    P78からの頭脳タイプ
    に関する考察はおもしろかったです。

     私立幼稚園、小学校受験を経験して、よかった経験から子どもを入れさせているのではなく、お受験戦争で苦労した親たちがエスカレーター式の学校を望んでいるようです。


    「幼稚園受験、小学校受験を経験した親はそれほどいない」P26

    「みずから受験で苦労した親は、我が個にエスカレーター式の進学を望む」P28

  • 頭のいい親は自分の子供が馬鹿なことが信じられない。

  • 題名のせいか評判が悪いが内容には良いことが多く書いてある。
    高学歴の親の分類が雑でロジカル・シンキングで言う“MECE”になっていない。
    それは著者が論理ではなく、ハートで熱い想いで書いているからだと思う。←著者が論理思考を勉強しておらず、塾の教師と言う現場の経験から書いた本とも言える。
    高学歴・低学歴に関係なくエッセンスを読み取るとためになる。
    子育て本を読むと結局、親に行き当たる。この本も。
    僕は「成功体験の有る親は同じやり方を押し付け、違う人間である子供には歪みが生じる」などという内容を想像していたが思ったより深かった。

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著者プロフィール

小林公夫(こばやしきみお、ハカセ公夫)
一橋大学大学院法学研究科博士後期課程修了。一橋大学博士(法学)、作家。
ハカセ公夫名でFM栃木RADIOBERRYのDJも務める。新書を多数書いており、主著に「ドラゴン桜」9巻でも取り上げられた「論理思考の鍛え方」(講談社)をはじめ、『「勉強しろ」と言わずに子供を勉強させる法』、『「勉強しろ」と言わずに子供を勉強させる言葉』(以上、PHP研究所)、「東大生、医者、弁護士になれる人の思考法」、「公立中高一貫校」(以上、筑摩書房)、「高学歴な親は何故子育てに失敗するのか」(中央公論新社)などがある。

「2022年 『2025年度版 出るとこだけ! [一問一答]一般常識&最新時事』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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