米国キャンパス「拝金」報告 - これは日本のモデルなのか? (中公新書ラクレ 413)
- 中央公論新社 (2012年3月9日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121504135
作品紹介・あらすじ
ランキング競争が過熱し、産学連携に踊らされ、アメフト、バスケで学生集め…。米国の大学では、エリートへの道も、大学が名を上げるのも、すべてはお金次第になった。日本の大学は、学長のリーダーシップ、外部評価、法人化など、彼の国を範としてきたが、このままで良いのか。
感想・レビュー・書評
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常々疑問に思っていたアメリカの大学の授業料の高騰。友人がミシガン州立大学のMBAへ行った。正味1.5年の留学で、生活費込みで1000万円かかったとのこと。州立大学と言っても、州外者には授業料が優遇されることはない。
日本で地方の学生が東京の私立大学に通った場合、やはり1年に200〜300万円はかかるが、それにしても1.5年で1000万円は高い。
その疑問に答えてくれているようだ。
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データが豊富で米国の大学システムをカネの観点から見る資料として最適。一方で章立てが下手で話のトピックがどんどんずれていくので、冒頭で述べたことの詳細を説明しないまま章が終わることもある。学者が文章作成のトレーニングを受けていない証左でもある。
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大学で働いていると「アメリカの大学では...」とよく言われる.良い点もあれば悪い点もある.基本,ネガティブに見ている本書であるが,やはりアメリカならではの良さも同時に見えてくる.
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アメリカが唯一の大学モデルではないことを自覚しなければ。今置かれた状況で使える仕組みが何であるかを吟味する必要がある。「金」は大切。どう使うかどう集めるか意識しないと。
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勉強になりました。
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本書は、日本の高等教育への示唆となるであろう重要な指摘が豊富だ。市場化された高等教育というより、商業化された大学について説明されている。また、データを用いてこれまでの経緯や現状を冷静にいくつも紹介することで、読了後にずっしりと重いメッセージを残してくれる。この大学界に経済原理を取り入れた弊害の記述は、日本の高等教育界にとって良薬になる可能性がある。
もう一つこの本の良い点は、大学ランキング、縁故入学、社会的階層移動、科学技術政策と大学、ポスドク問題、大学とスポーツといった幅広いテーマについて、新書の特徴を生かして簡潔にまとめていることだ。また特に営利大学の考察が鋭い。専門書や論文以外で、近年のアメリカの大学教育をわかりやすくレビューした本は少ないのではないか。フレクスナー、カー、ボックももちろん登場する。
大学のソフト・ハードの両面における大学間の「軍拡競争」は、高コスト体質となる。しかし当該大学本来の使命を全うするための資源投下のために、コスト意識を持つことが大切だということを再確認した。日本では、各大学予算の5割ないし1割の税が、各機関に投下されている。コスト管理は大学自身の経営問題ということだけでなく、より広く納税者の関心事にもなっているのだから。
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7章の事例メモ http://www.wgu.edu/ -
300252897 S377.253-ラク-413
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資料ID:92120287
請求記号:080||C||413