動員の革命 - ソーシャルメディアは何を変えたのか (中公新書ラクレ)

著者 :
  • 中央公論新社
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レビュー : 160
  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121504159

作品紹介・あらすじ

あなたは、この革命を体感しているか? ソーシャルメディアはかつてない「動員」の力を発揮している。「アラブの春」、震災復興からビジネス、報道の世界まで、インターネットの枠を越えて現実社会を動かすエンジンとなっている。ソーシャルメディアでジャーナリズムの可能性を模索してきた著者が「情報」の未来を語る。恐れず理解し、使いこなせ!
モーリー・ロバートソンさん、宇川直宏さん、家入一真さんとの対談も収録

感想・レビュー・書評

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  • この本はある本屋に著者のサイン本が置いてあると言う情報をツイッターでたまたま見かけて買い求めたもので、自分の行動が本書に書かれている内容を体現しているのがとても面白い。

  • 「ソーシャルメディアがリアル(現実の空間・場所)を『拡張』したことで、かつてない勢いで人を『動員』できるようになった」p5

    【インターネットはストック型からフロー型へ】p22
    Cf. Twitterのタイムライン

    「リアルタイム性が高く、社会的な情報交換に使われるメディア」という特徴に焦点を当てれば、最近のツイッターやフェイスブックなどは「狭義のソーシャルメディア」とも捉えられるでしょう。p26

    事例:2009年小国モルドバでの抗議活動。
    同年イランでの民主化活動。→ツイッターなど
    2010年のタイの暴動。→ユーストリーム
    中国では一部の富裕層がVPN(Virtual Private Network)を使ってグレートファイアウォール(Great Firewall:中国政府のネット検閲システム)を抜けている。

    エジプト革命で象徴的な役割を果たしたのは、Googleの中東・北アフリカ地域担当マーケティング部門責任者を務めるワエル・ゴニム氏。彼は1/25にFB内に反政府デモを呼びかけるページ「We are all Khaled Said」を作成し、デモの呼びかけが大きなうねりになるきっかけを作った。p36

    【外へ出て行き、「変われ!」と叫んだから変わった】p40
    中東で起きた革命をソーシャルメディアが起こしたというのは、半分正しく、半分間違っている。なぜか。ソーシャルメディアは、それ単体で政治的な圧力になったわけではない。広場に何百万人も集まるという、民衆のデモが圧力になったのだ。
    ソーシャルメディアというのは、モチベーションを与えてくれるもの―言い換えるなら、背中を押してくれるメディアとして機能している。
    ⇒★ソーシャルメディア革命とは「動員」の革命である。

    【「出る杭」から「納豆」へ】p43
    「ソーシャルメディア=納豆論」:誰かが出た時に付いていきやすい―まさに納豆を一粒つまむと、粘りが次の豆につながるようなもの。
    Cf. デレク・シヴァーズのTED講演「How to start a movement?」

    【多種多様な世界の人と知り合うきっかけに】p47

    「ヒューマン・マイク」※スピーカーを使うと条例で逮捕されるため。p84
    Cf. フラッシュモブ(Flash mob)

    【ソーシャルメディアの5要素】
    ①リアルタイム―速報性と伝播力
    ②共感・協調―テレパシーのように共有し合う
    ③リンク―具体的行動につながる
    ④オープン―参加も離脱も簡単
    敷居は非常に低いコミュニティを形成 Cf. ハッシュタグ
    マイナス面:「熱しやすく冷めやすい」
    ⑤プロセス―細切れの情報が興味を喚起する
    透明性の高さ

    [セーシェル共和国の国家モデル]p118
    体験型消費

    東大教授・児玉龍彦「得手に帆を揚げる」p124

    【ソーシャルメディアは拡声器であり、情報源】p127
    Eg. 尖閣問題
    ジュリアン・アサンジ「不確かな情報の検証はプロの仕事。ソーシャルメディアはニュースへの多様な視点を提供するもの。そして拡声器であり、情報源である」

    アメリカ・シカゴのデポール大学で世界で初めて「ツイッター・ジャーナリズム」という授業を行ったクレイグ・カナリー「ツイッターは情報発信のサイクルをリアルタイムまで短縮したという点が最大の特徴。これは一過性のブームではなく、ジャーナリズム全体に"リアルタイム報道”という手法が確立されていくきっかけになる」p130

    ▲速報はソーシャルメディアで、一次検証をプロが担当しマスメディアで報道を行う。そこから先はソーシャルメディアが再びいろいろな視点を与え、埋もれるニュースを拾い上げ、重要度に応じてニュースを伝播していく。p130

    [「コンシューマライゼーション」の時代]p132
    消費者のためのサービスが技術の最先端で、その後に企業向けに移行していく。
    Eg. クラウドやソーシャルメディアなどのインターネット情報技術、スマートフォンやタブレット端末など。

    【モバイル、クラウドの発展が動員の革命を支えた】
    「ソーシャルメディア×クラウド×モバイル」

    [ソーシャルメディアに対するテクノフォビア]p135
    携帯電話黎明期とのアナロジー

    【フリースタイルが求められる時代】p144
    宇川直宏、重要なのは「スキル、アーカイビング、年齢」

    【デマとどう付き合うか】p174
    [ステーキのアナロジー]
    マスメディア=ウェルダン、ソーシャル=レア

    救済情報が消えない。p177

    モジュール化:「多数の異なる部品を要する生産において部品をグループ化して組み立てる方式」p195

    【マイクロペイメントは世界を変える】p197
    ソーシャルメディアはサイレントマジョリティの「賛」を拾うことができる。p199

    【海外のソーシャルメディアが狙うのは個人間送金サービス】
    Eg. Facebook Credits:仮想通貨を使ったオンライン決済サービス、Google Checkout+Google Wallet

    クラウドファンディング:プロジェクトを実現したり団体を立ち上げたりするためにネットを通じて一般大衆(crowd)から小口の資金を集めること。
    a. 投資型 b. 購入型 c. 寄付型

    購入型クラウドファンディングの代表例:キックスターター

    △クラウドファンディングは現状ではソーシャルメディアの動員力を金銭に換える、現時点で最も現実的なサービスといえるのではなかろうか。p211

    「ドロップシッピング」:ネット上の通信販売の一形態。ショップ運営または注文をとって商品の製造元に発注し、製造元から直接購入者に発送。在庫リスクがなく、発送の手間もかからない。p219

    【おわりに】p239
    ニュージーランド大地震、"Volunteer Army”サム・ジョンソン

    ここ数年で「ちっぽけな自分が何をやったところで社会は変わらない」というあきらめの心境が「自ら動くことで多くの人の共感が得られ、社会が少しずつ変わっていくかもしれない」という希望に置き換わった人は少なくないでしょう。ソーシャルメディアは何を変えたのか。もしかしたらそれは、人々の「希望」の持ち方なのかもしれません。p241

    「サウンドデモ」p248

    [東電の情報戦、戦略]p256
    東電の有価証券報告書「普及開発関係費」65年度:7億5千万円、2010年:269億円。

  • わたしから見てみれば物心が付いたときには
    携帯やインターネットがあって
    無かった時がわからないから、凄いと言われてもよくわからなかった
    わたしにとってSNSっていうのは友達との共有空間に過ぎなくて
    この本を読んでみて、SNSの本当の凄さに少しびっくり

    こういうツールはちゃんと使い方を知らなきゃならないと思うし
    情報が自分で発信できて自分で受け取れる今、
    何を信じるかをもっと考えなくてはいけないなと思った

    恥ずかしいことにブクログを作った人もこの本で初めて知りました…

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「何を信じるかをもっと考えなくては」
      ちゃんと判ってらっしゃるんだ、、、もっと若い方に読ませなきゃ!
      「何を信じるかをもっと考えなくては」
      ちゃんと判ってらっしゃるんだ、、、もっと若い方に読ませなきゃ!
      2013/02/05
  • 4章のソーシャルメディア×未来が興味深かった。金が集まらない福祉業界でも使えそうかなと。

  • ソーシャルを使ってそれをきっかけに動くこと!そこに背中を押してくれる本。

  • 津田大介さんの新刊。

    今まで、ソーシャルメディアによって世界が大きく変わった論がブーム?になっていたが、この本はソーシャルメディアだけでは何も変わらない。twitter呟いたり、FBで友達たくさん作ったって、ただそれだけ。
    大事なのは、そこからソーシャルに人々のネットワークが繋がって、動く事!という、当たり前論を一歩踏み入ったソーシャル本。

    ソーシャルメディアと政権交代や震災というお題目は、他の本でもたくさんされているが、特に感銘を請けたのは、後半の「ソーシャル×マネタイズ』について。

    日本ではまだまだ流行ってはいないが、投資よりも寄付に近い個人間送金システムにペイパル等のインフラが整った時、新たなビジネスの形を出来上がるのかと思った。
    これは切り込み方は違うが、神田昌典氏の「2022―これから10年、活躍できる人の条件」に書かれていた事と重なった。

    津田さんの前著「情報の呼吸法」よりも一歩突っ込みブレイクスルーした内容になっているので実戦にも使いやすい。

  • 津田さんと入家さんの対談がおもしろかった。クラウドファンディングをうまく使えば、個人でも地方でも面白いことができると思う。

  • リアルを拡張したことで、かつてない勢いで人を動員できるようになった(はじめにより)

    ソーシャルメディアを媒介して発生した革命、情報発信、震災復興、マイクロペイメントといったムーブメントが、動員という言葉に集約されて説明されていく。
    解説部分も著書自身が感じた動員について、動員して、動員されたことについて書かれている。
    納得できる部分が多い。

    そして、対談でモーリーロバートソン氏、宇川直宏氏、家入一真氏と対談するわけだが、
    三者三様の生きた言葉で語られていて面白い。

    自分自身もソーシャルメデイアの情報で、デモに動員された(参加した)経験がある。
    顔の見えている人がつぶやいていたことで参加の必要性について考えるようになり、またあの人が参加してるならと垣根が下がった。
    動員されたのだ。

    これがソーシャルメデイアの力、可能性だと感じていた。

    本書は自分の感じたことを代弁してくれているようだった。
    実際のデモにて、上げ足ばかり取るような抗議が人を惹きつけないことも感じていたが日本のデモはまだ、特殊な人の行為であると思われている部分だと説明していた。

    ソーシャルメデイアについて感じているオープンと可能性と危うさについて考えるとき、必ず参考になる一冊となるでしょう。

  • ソーシャルメディアが革命に果たす役割とはなんなのか。これらをいろいろな革命を分析することで革命=ソーシャルメディアではなく、ソーシャルメディアをきっかけに実際にデモに参加することが重要だということを語っている。ソーシャルメディアはあくまでもきっかけにすぎない。けれども大きなきっかになる。デモにおいては動員するということが重要である。
    日本でのでもがなぜ成熟しないか、わたしはなぜデモに参加しないのか。
    この著作にも書かれているように主義主張がばらばらで結束できていない点にあると思う。呉越同舟という言葉が使われていたが、同じ目的を達成するためにお互いの主張を一時取り下げるということができていない。
    ソーシャルメディアをやっているだけでは何も変わらない。その先に動員というものが存在する。
    私は、反原発というものに反対である。原発事故自体は非常に残念で悲惨なものであったが、現時点で原発は必要と考える。脱原発なら大いに検討の価値はあると思う。反原発のデモにはまったく共感できない。
    自然エネルギーの開発とともにより安全な原発の開発というものをしていくべきであると思う。自然エネルギー開発で電気をすべてまかなえるならば、より安全な原発の開発は必要ないかもしれない。

    ソーシャルメディアが果たす役割は今後も大きくなっていくだろう。
    寄付の話はとてもよかった。このように低額の寄付が気軽にできるようになるのはとてもいい事だと思う。

    既存のメディアとソーシャルメディアの連系も今後もっと重要になると思う。

    日本で不思議なことが1点ある。反原発のデモを掲げるよりも消費税増税に反対するほうが需要なのではないだろうか。そして東北地方の瓦礫問題も同じように重要である。こちらのデモは起きないのだろうか。
    デモや革命は日本でも起こさなければならければならないと思う。
    これは今までのようにカリスマ性のある人が呼びかけるのでなく一般市民が誰ともなく呼びかけていっていくのが望ましい。音楽が必要とか書いてあるが、必ずしも音楽は必要ないと思う。
    今、日本を革命を起こせるかどうか試されている。

  • SNSが実際にお金と結び付いて来ている事が体感としてあったのでこのタイミングで読めて良かったです。
    日本でクラウドファンディングがここまで広まっている事を読むまで知りませんでした。
    今はまだシステムにおんぶに抱っこでその中で何が出来るか、といった感じですけどユーザーが文化を作って色んなツールを使って、どんどん面白い、為になる事が出来るようになりそうです。

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著者プロフィール

1973年東京生まれ。ジャーナリスト/メディア・アクティビスト。ポリタス編集長。テレ朝チャンネル2『津田大介 日本にプラス+』キャスターほか、ラジオのナビゲーターも務める。

「2019年 『ネットと差別扇動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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