雑草は踏まれても諦めない - 逆境を生き抜くための成功戦略 (中公新書ラクレ 432)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121504326

感想・レビュー・書評

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  • 生き抜くための戦略が凄い雑草についての教科書って感じかな。稲垣栄洋さんの本はいろいろ読んできたので、知っていたことが多かったし、概論的なことが多いかな。でも、全般的によくまとまった本だ。具体的な雑草の例が少ないのが残念だが、仕方がないだろう。別の本を読めばいいわけだ。具体的な例で面白かったのを少々。
    コニシキソウは、匍匐的に伸びていってぺっちゃんこだが、アリをにおいで惹きつけて受粉してもらうので、花が目立たなくてよく、エネルギーをそこについやさなくてもいい。
    タンポポは、じっと地に伏せていても、花の時期になると、花茎だけを上に伸ばす。スピード勝負なので、葉も新たに付けないし、茎のなかも空洞なのだ。
    イギリスの小麦畑の調査では、1㎡あたり75000粒もの雑草の種があったそうだ。シードバンクとして休眠しているのである。同一植物でも発芽する時期もそれぞれ違うのでやっかいではある。何百年も休眠する種もあるそうだ。

  • 稲垣栄洋さんを知るきっかけになった本。
    久米書店で紹介されていた。
    ようやく読めた。
    雑草の力強さが恐ろしい。
    引っこ抜かれても、土の中に残った根の一部から再生する種類があるとか、より早く太陽に近づくために成長を重視して茎の中身は空洞とか、奴らの成功戦略は憎いばかり。
    でも、稲垣さんの雑草愛で、愛すべき点が多数ある事も認識した。

著者プロフィール

稲垣 栄洋(いながき・ひでひろ):1968年静岡市生まれ。岡山大学大学院農学研究科修了。農学博士。専攻は雑草生態学。農林水産省、静岡県農林技術研究所等を経て、静岡大学大学院教授。農業研究に携わる傍ら、雑草や昆虫など身近な生き物に関する記述や講演を行っている。著書に、『身近な雑草の愉快な生きかた』『身近な野菜のなるほど観察録』『身近な虫たちの華麗な生きかた』『身近な野の草 日本のこころ』(ちくま文庫)、『植物はなぜ動かないのか』『雑草はなぜそこに生えているのか』『イネという不思議な植物』『はずれ者が進化をつくる』『ナマケモノは、なぜ怠けるのか』(ちくまプリマー新書)、『たたかう植物』(ちくま新書)など多数。

「2023年 『身近な植物の賢い生きかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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