いじめ論の大罪 - なぜ同じ過ちを繰り返すのか? (中公新書ラクレ 448)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121504487

作品紹介・あらすじ

体罰事件、いじめ事件が起きるたび、教育界やメディアは「狂騒」を繰り返す。いつまで同じ論議を繰り返すのか?「プロ教師」の著者は、いじめ論の不毛さを痛感してきたが、退職した今こそ、ホンネを明かす。尾木ママ、橋下市長らの識者や大手マスコミのどこが問題か、徹底検証。

感想・レビュー・書評

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  • いじめ論の多くは「いじめ」をいかに無くすかという論点で書かれている。しかし、諏訪さんはいじめは子供の生活では必然的に生じるという論から出発している。
    本当のことを言えば相手は分かってくれると思っている人は多いが、本当のことを言うことは実に恐ろしい結果になることが多い。たいていの場合は、本当のことを言うと人と人の繋がりは壊れてしまう。
    いじめも自分の思っている本当を相手に押し付けようとすることから発生する。子供たちは、本当のことを言うことが正しいと信じているかぎりいじめは無くならない。子供たちが学校や家庭で自分の正義を相手に押し付けないという作法を学ばさせる必要がある。

  • 諏訪さんの本にしては、読みづらい本でした。いろいろいいたいことがありすぎて、話が散らばったような、そんな感触があった気もする。
    でもこのひとがいうように、いじめはあるものだという前提に立ったうえで、いじめをどういうふうにとらえるのか、減らしていくためにはどうすればいいのか、ということを考えたほうが、よっぽど生産的ではあるように思う。

  • 教師の視点からいじめ論議を検証した本。子どもが社会的な個人へ成長する跳躍の過程に、いじめが組み込まれている。教師は「いじめは必ず発生する」として、対策を講じる必要があると主張する。

  • <閲覧スタッフより>
    昨今、反乱する「いじめ論」。「いじめ」を語る著書があれば、「いじめ論」を語る著書だって出てきて当然!果たして「いじめ論」は「いじめ」を解決できているのか??教育論、いじめ論を改めて考えてみませんか。
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    所在番号:新書||371.4||スワ
    資料番号:10219815
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  • 学校の先生という立場からみた「いじめ」の本。なるほどなぁと思う部分が多かった。マスコミで報道されるいじめ問題を見ていても、いつも学校ばかりが責められて、そういうところにものすごく違和感を感じていたんだけれど、すっきりした。そもそも先生と教師が平等ということになって秩序が乱れておかしくなったとか、いじめって何なのか、何で加害者は守られ逮捕されないのか、犯罪じゃないのか。うまく説明できないけれど、いじめは気をつけていれば見つけられるなんてないと思う。子どもは必死で隠そうとしているのだから。子供にどう接するべきか、親が、地域の大人が考えなくてはいけない。

  • 学校視点からのいじめ論。新たな視点が満載。

  • 尾木ママと橋下市長の主張の根幹に共通点があるとは…。

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著者プロフィール

1941年千葉県生まれ。東京教育大学文学部卒業。埼玉県立川越女子高校教諭を2001年に定年退職。「プロ教師の会」名誉会長。作家。著書に『オレ様化する子どもたち』『いじめ論の大罪』『尊敬されない教師』など。

「2020年 『学校の「当たり前」をやめてはいけない!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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