- Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121505002
作品紹介・あらすじ
修羅場には独自のルールがあり、それに対応する作法がある。イエス、宇野弘蔵、西原理恵子ら多岐にわたる達人から、どんな極意を学べるか?ヒトラーら反面教師の「悪知恵」とは?外交と政治の修羅場を駆け抜け、獄中で深い思索を重ねてきた著者が贈る、実践的アドバイス。
感想・レビュー・書評
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なかなか一般人に応用するとなると難しい。具体的な修羅場の極意ではなく、著者が経験したエピソードを中心に語られる。
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佐藤さんらしく心に響く言い回し。文量の割に心にこたえます。
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引越し荷物に保険をかける時、自らの家財の値段をリスト化する。段ボールが幾つか。また、現金は銀行口座ではっきりと分かる。それらが資産価値だ。これに加え、信頼できる友人、家族。車や家。自らの肉体を除けば、これらが守るべき価値である。
これを失う危険性に遭遇することが、修羅場であり、それを回避する策を提案するのが、本著である。テクニックや精神論を示唆してくれる。大事なのは、絶対的価値を持つことだ。
絶対的価値とは、自分自身の主義、信条、哲学なのだと思う。 -
タイトルに惹かれて佐藤優初挑戦。
馴染みがないので神学の話になると眠くなってしまった。
しかし逮捕されて独房にいた彼がいう
「猫は信用できる」には笑ってしまった。
彼が逮捕されるに至った話も書籍になっているので読んでみたい。 -
本をいくら読んでも修羅場はどうにもならないことを理解した。
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著者にとっての修羅場は"事件の容疑者になって、メディアスクラムで三ヶ月間ホテル暮らしを強いられ、自宅の郵便物を報道陣に荒らされて、逮捕されて足掛け513日間独房に入れられて、公判に4500万円かかって、八年を要して、外務省をクビになったくらい"の時期なので収監記めいたものになる。つまり、面白い。・・・にしてもこの言い草! 敵に回したくないタイプの人だなぁ。
此の本は全11章から成り、各章ごとにひとりの言葉を引用し、その人がどのように修羅場を超えたかを説く。
個人的に響いいたのは下記のマキアベリの言葉。
<blockquote>もし、慎重に、忍耐強く国を治める君主が、時代や状況の動きと政治が上手く合っていれば繁栄へと向かう。だが、時代も状況も変化してしまえば、錐体する。なぜなら、君主が行き方を変えないためである。それにしても、こうした醸成に即応できる懸命な人間はなかなか見当たらない。
その理由は、人間は持って生まれた性質に傾いて、底から離れられないからである。もう一つのわけは、ある道を進んで繁栄を味わった人は、どうしてもその道から離れる気がしないということだ。(マキアベリ『君主論』)</blockquote>
著者は北方領土交渉の経験を振り返り成果をあげていたが故に離れる気になれず、それが投獄という結果を招いたと言う。
失敗した経験を繰り返すのは単に知恵が足りない愚かな振る舞いだが、成功体験に拘ってしまうのもまた危険な道筋なのかもしれない。 -
【期待したもの】
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【要約】
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【ノート】
・体裁としては、1章で1つの「修羅場ってる」本なり人なりを取り上げて、そこから、エッセンスを抽出して見せるというもの。
・「ヘルマン・フィッシャーーヒュルストルンク「フロッセンビュルクからの報告」、『出会い』(192頁)」(P155)とあるけど、この本、見つかんないだよな。
【目次】
はじめに 東京拘置所でに谷底生活から
? 偉人たちのサバイバル術
1章 助言者は絞り込め ニッコロ・マキアベリ
2章 逆説的発想で事態を打開せよ イエス・キリスト
3章 「偽装」というテクニック フョードル・ミハイロビッチ・ドストエフスキー
? 反面教師たちの失敗学
4章 破壊的影響力の秘密 アドルフ・ヒトラー
5章 悪知恵にだまされるな オットー・ケルロイター
6章 ”正義?”の勘違い エドワード・スノーデン
? 「獄中」の教訓は役に立つ
7章 独房で筆者の精神を救ってくれた教え 内村剛介
8章 経済学と小説の力 宇野弘蔵
? ヴァーチャルな修羅場、リアルな修羅場
9章 人間関係に役立つ独学者の言葉 ディートリヒ・ボンヘッファー
10章 ノマド的”処世術” 安藤美冬
11章 不作為は悪 小説「インフェルノ」のラングドン
対談 「最悪のシミュレーションだけすればいい」 西原理恵子
おわりに 「時」を見極めるということ -
ちょっと難しい、今までと違って
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かなり興味深い内容でした。
様々な修羅場に関して、マキャベリ、キリスト、ヒトラーなど、そのエピソードを対比させながら、著者の主張を論じるという方法で、明快に修羅場での作法を解説くださいました。
その根底は、自分の意志を持ち、それを物差しといて、いかに考えていかに行動するかということの大切さかと思いました。 -
アメリカだけでなく英国、イスラエルl、ロシアなどのインテリジェンス機関でもハッカーを重要な戦力にしている。
プログラミング言語を自由に操ることができるぎーくには言語、民族、国家に対しる意識が希薄。それでスノーデンは罠にはまったのではなくて、つまらない正義感を出してし合った。
プーチンはスノーデンにまったく好意を寄せていない。プーチンは元インテリジェンスオフィサーは存在しないという発言を好む。インテリジェンス機関に勤務した者は、一生この世界の掟に従うべきだと。
死ぬ覚悟ができている、ともに沈めというところまで腹をくくらないと喧嘩には勝てない。 -
マキアベリ、君主論、愛されなくてもいいが、恨まれることなく、恐れられる存在にならなければならない
イエス、受けるよりは与えるほうが幸いである
ヒトラー、政治とは、ある民族がこの現世での存続を求めて行う生存闘争を実行していく上での技術である -
キリストのような超メジャー人物を始め人間から修羅場についての考察を説く。
西原先生との対談が身になる。最悪を想定せよ! -
<何事にも時があり、天の下の出来事にはすべて定められた時がある>「時」を待って行動に移る。決して、時期尚早な戦いをしてはならない。と。
修羅場の技法として最も効果的なのは「個人が個として書き言葉にむかいあい、自立的に思考する」事らしい。
著者の言う所の「修羅場」が主に国家権力との対峙にフォーカスされているので、ちょっと話が高尚というか一般市民のレベルからはかけ離れており、参考になる部分は少ないような。 -
20150117
独房での心理状況 -
修羅場には遭遇しないほうが好ましいが、そういうわけにもいかない。数々の修羅場を経験してきた筆者が、著名人等の言葉を引用しつつ修羅場ならないよう、なってもに立ち向かえるような心構えを説く。宗教や哲学なと難しい部分もあるが、読むほどに深まる内容。
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修羅場の極意と、処世術としてまとめられているが、引用された話と本人の体験から解説されているところが興味深く、すらっと読めた。獄中の話、スパイ絡みの話が多いので面白いのかもしれない。
引用されている人物も多岐(ヒトラーから安藤美冬さんまで)にわたる。
気になった点を幾つかメモ
塀の向こうの話では、リンゴの差し入れという話。未決囚は自分で食品を買えるが、リンゴは自分で買えるリストに入っていない。
トップに立つものは、専門家から助言を得るにしても、その場ではなく、自分で考え抜いて結論を出す。そして、多少の迷いが生じても、それを貫く。
経済学はインテリになる科学的方法、小説は直接我々の心情を通してインテリにするものだ。小説も読めよと。
一人合宿(情報遮断してこもる)。日常を一時的にリセットする。安藤美冬 -
ヒットラーやキリストのみならず安藤美冬も登場する、著者の幅広い認識のなかから修羅場の極意を紹介される。
新書一冊という制約の限界はあるけれど、著者の北方領土にかけた外交官時代と裏切り、その修羅場と歴史上の人物たちの限界極まったときの処世術は場当たりではない処世の習う点がいまみえる。過去の佐藤優の著作も読み返してみよう、。 -
鋭さというか、本質のつき方が昔と比較して
弱くなった気がする。 -
今日から開始
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外務官僚だった佐藤氏の著書。色々とレベルが異なることを書かれているので、人によって違う印象を受けるのでは?
神学者の項が気になった。「あなたが他人の気持ちになって考える努力をすると、自然と言葉の使い方も異なってくるようになる。その結果、あなたの行動が変化する。この影響が自然と他人に及ぶ。」
言葉はコトの葉。口先だけでは直らないけど、すごく大事。
西原理恵子との対談もよい。最悪の事態を想定する。うん、大事。 -
マキャベリ 君主論 フィレンツェの官僚
新君主にあっても、軽軽しく信じず、軽軽しく行動を起こさず、さらにまた、自分の影におびえてはならない。相手を信じすぎて、思慮をなくしたり、かといってあまりに不信の気持ちを抱いて狭量にならないように、思慮と人間味をもって落ち着いて事を運ばなくてはいかない
君主はたとえ愛されなくてもいいが、人から恨みを受けることがなく、しかも恐れられる存在でなくてはならない。なお恨みを買わないこと、恐れられることは立派に両立しうる。これは為政者が、自分の市民や領民の財産、彼らの婦女子にさえ手をつけなければ、かならずできるのである
信義を裏切るような、目的合理的な人が政治の世界では勝利する
トップに立つ者は、助言を絞り込む必要がある。専門知識のある者の
助言を受けるが、その場で結論を出さず、自分の頭でよく考え、決断する。一度決断したら、その後、多少迷いが生じても、決断を断固貫く
壁にぶち当たった時 イエス 受けるよりは与える方が幸いである
プーチン 元インテリジェンスオフィサーは存在しない。インテリジェンス機関に勤務したものは、一生この世界の掟に従うべきだ
西原 相手にいじわるされたからと仕返しすれば、自分も相手と同じレベルに落ちる。だから仕返ししてはいけないといいますが、ケンカってよりえげつないほうが勝つので、同じレベルでも勝てない。もっとレベルを落とさないと。奥さんど同士の悪口の言い合いでも、よりえげつなくとアドバイスしています
山崎拓 不倫騒動 私は浮かぶけどあんたは沈めといった程度の心構えでは喧嘩に勝てない。私は死ぬ覚悟ができている、ともに沈めというところまで腹が決まっていれば、喧嘩に勝てる
教育は重要です。修羅場を切り抜けるにためには教育は役に立つ
人間が本当に怒る時は二通り。本当の事をいわれたか、とんでもない大嘘をつかれた時
本当の悪党は捕まらない。ほとんどの犯罪は巻き込まれ型だ
巻き込まれない、巻き込まない
コヘレトへの言葉 何事にも時があり、天の下の出来事にはすべて定められた時がある