リクルートという幻想 (中公新書ラクレ)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121505064

作品紹介・あらすじ

「株式上場」「人材輩出企業」「モーレツ営業」「新規事業創造企業」……
リクルートって、そんなに凄いのか?
OBが激白! 気鋭の論客がリクルートの虚像を剥ぐ

リクルートは「人材輩出企業」や「新規事業創造企業」等と賞賛され、
「営業武勇伝」に事欠かない。「やんちゃ」な社風は賛否両論あるが、
日本人の働き方に良くも悪しくも影響を及ぼした。論客として著名なOBが、
自らの体験と新規取材の両面から、リクルートの実態に迫り、将来を展望する。

感想・レビュー・書評

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  • リクルートに対する著者の愛憎半ばする感情は伺えるが、その感情のトレースを見せられることにどれだけ需要があるかは疑問。
    とりあえず私には必要なかった

  • 憂国ならぬ憂社、憂リク。世間の評判からかけ離れる現実。リクルート上場という奇妙な冒険がどこ行くのか、面白い旅、良い旅になって欲しい。歴史から学び現実を直視し、上ではなく前を見て欲しい。リクルート関係者、信者の皆さん、目を覚ましてください!

    糾弾ではなくエール。

  • リクルートを崇める内容の本、逆に外部からの批判の本は多い中、”内部にいた人が批判している”本がなかなかないと思い、興味を持った。

    「まとめ」
    ・世間の多くが思っているリクルートのイメージと実態の差を、実際に内部にいた”元リク”の人が語っている。リクルートといえば営業が強い、新規事業がバンバン生まれるというイメージがそれぞれ実際には評価と評判に差がある(のではないか)という事、”江副モデル”や高収益モデルから外れたものは消される等新規事業としての広がりがない事という本質に迫っている。

    ・特に焦点を当てているのが”リクルートは優秀な社員が多い”の”優秀”とは何か?という事である。不を解決する、自分で意思決定するのが美徳と言われながら結局、世の中の評価基準からして社内に目が向いているだけなんじゃないかというのは納得感があった。

    「感想」
    ・現リクルート、元リク及びそれらの人と付き合いのある人が世の中に少なくなく、それだけの批判を覚悟の上で書いてある事が伝わってきた。筆者個人の主観に基づくものも多分に含んでいるだろうが今のリクルートに対する危機感を正面から描いてあり背筋が伸びる思いだった。あえて主観的な色を強く書いたのかもしれないが、実際の数字で確認してみたいと思った。(例えば人材輩出会社かどうかって指標だと何が使えるんだろう…)

    ・実態がつかめないビジネスモデルである分、イメージで語られ内部の実情が見えにくいという面では電通と被る部分も感じる。例えば就活情報に関するビジネスを行なっている企業は多数あるにも関わらず、リクナビが批判の矢面になっているのはその表れと言えるのではないだろうか。

    ・新規事業へのジレンマは実際に社員と話していても感じる。従来のリボンモデルから、よりクライアントサイド、カスタマーサイド共に寄った施策を(利益追求はずらさずに)目指していく必要がある。

    「学び」
    ・直球の批判が書かれた本を読んでも、「きっとこの人はリクルートのことが好きなんだろうな」と思ってしまうのはもはや病気なんだろうか。← 最近よく思うのだが、最近、リクルートにいれば会社が成長させてくれるという考えの新卒が多いのではないか。自分がリクルートを使ってやる、会社を通じて社会にこういう影響を与えるという気概を持つ。

    ・上記において、ロマンとソロバンをその定義も含めていつも頭にいれているのか社員はもう一度議論をすべきだと思う。会社を大きくすることが大きいことなのか、社員にとってのロマンは果たして生活者にとってのロマンなのか、考えるポイントは多く、根本的な部分だと思う。
    自分ゴトに昇華するなら、地方の若者に情報を与えることが果たして彼らにとってハッピーなのか、就活中から考え続けていることを改めて思い出す。

  • 入りたい人より欲しい人を採用する
    自己有能感の実感、自己決定性、社会承認性を動機付け三条件として置いている

  • リクルート社に抱きがちな幻想を見事に粉砕してくれる。筆者なりのリクルート愛を感じる一冊。

  • 元リクルートで働いてた方の暴露本的な色んな観点から捉えた本。
    ここまで書くのはすごいんじゃないかな。

    下記は抜粋メモ
    リクルート話法やトーク開発があるのが面白い。人を煽り、時には脅迫するような話法だったり、営業の場面で顧客を説得する、納得してもらうための営業トークを開発する。
    また実はリクルートは最強の営業集団と言われてるが本当にほうなのか、そうは思えなかった。商品、知識のサービスが弱くヒアリングも雑、提案も弱いのではと感じていたとのこと。
    営業力が高いのではなく営業マネジメント(目標設定、行動モデルの設定、それらの徹底)が強く、いつも頻繁にやって来るリクルートの営業イメージをつくってるのではないか。

  • 結局興味深く読めたのは著者のリクルート在籍時の話のみ。そこは自分で体験したことだから言葉に「厚み」がある。それ以外の、第三者目線からの批評はほとんど素人。CM批評については思い込みが強すぎるし、昨今のリクルートの経営批評はあまりに表層的。大学の社会学部の学生の卒論を読んでいるかのよう。ブロガーに本は書けないんだなあと、そんなことも考えた。

  •  OBである常見洋平が語るリクルート。

     外から見えるリクルートのイメージには実は微妙な誤解がある。皆がリクルートに対して抱く自由やクリエイティブな印象は決して正しくはない。
     そういう自由やクリエイティブがもうちょっと広い視点で見ると、手の平の上という枠の中だけの自由やクリエイティブだったということはリクルート社自体もそうだし、「人生はマラソンだ」のような最近のリクルートのイメージCMにも共通しているように思えた
     こういったかりそめの自由は常見洋平さんの一連の著書に共通する大きなテーマだと思う。

  • 就活でお馴染み常見さんの本。話を聞いたりブログを読んだりはしていたけれど、本は初めて。
    藤原さんの「リクルートという奇跡」はリクルートへ骨を埋めるぞ!という気持ちがひしひしと伝わってきたのに対し、リクルートdisが強いなと感じる本だった。もちろん愛のある批判だし、賛美本じゃないことをわかっていたから読んだのだが。
    女性は喫煙者が多いというようなことが書いてあった。これはきっと今もそう。週末夜の丸の内南口のトイレには、社員証とタバコがよく忘れられている。

  • 「リクルート」という会社に対して社会が持っている幻想を疑う。常見さんの、かなり気合の入った作品だと見られる。
    わたしはリクルートを称揚しているわけではないのですが、社会的には、「きらきらした」会社やと見られてるのでしょう。こういうのは、リクルートに限った話ではないけど。じっさいのところ、どうなのか。一人ひとりが考えないとねぇ。
    最後のあとがきに、著者の熱がこもっていて、いい読後感でした。

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著者プロフィール

千葉商科大学准教授

「2021年 『POSSE vol.49』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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