徹底検証 朝日「慰安婦」報道 (中公新書ラクレ 509)

  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121505095

作品紹介・あらすじ

朝日新聞が誤りを認めた「吉田証言」。その報道は日韓対立をあおり、我が国の国際的イメージを損ねた。正しい歴史認識とは?報道の責任とは?朝日の二大虚報(伊藤律架空会見記事件、サンゴ事件)を振り返りながら、慰安婦報道の問題点と、それが及ぼす甚大な影響を検証する。

感想・レビュー・書評

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  • 報道では無く自分達がこうありたいと信じる内容を垂れ流すのが朝日新聞。最近の誌面を見ていても客観的事実か?と感じることがある。それに誤字が他紙に比べて多い気もする。反省がないからこそ成長がない。成長がないと言う事は批判に耳を傾ける事がないからであろう。謙虚さはなくただただ傲慢。そういう目で読むと惨めな文が目につく新聞だ。

  • 新聞社同士の喧嘩ではない。誰もがよく知る朝日新聞の誤報に関する他紙の考察なのだが、ライバルの読売が出すと攻撃的な内容を期待させる。本書はあくまで新聞の果たす役割と存在意義を第一に語っている(決して期待はずれではない)。
    私が新聞を読まない理由(言い訳)の一つは、社によって必ず思想的な面が出るのでそれすら鵜呑みに出来ないなと若い頃に感じたからだ。朝日新聞がそのきっかけを作ってくれたのは間違いないが。まだ寄せ集めのYahooのニュースを見てた方が、複数のニュースソースの寄せ集めで偏らない分マシだと思う。世の中嘘の情報だらけだというと、とても偏屈な人間に思われるかもしれないが、意外と普通の人間だと思っているし、インターネット情報に溢れた現代人にはその様な認識を持たれた方も多いのではと感じる。兎に角、現代は情報収集力よりも情報選別力の能力の方が遥かに重要だ。時に誤った情報は人々を不幸にするし、それが個人や関係者レベルならまだしも、誰もが眼にする新聞にそれがあった日には、国家レベルの不幸につながることもある。
    朝日新聞といえば慰安婦問題の虚偽記事の掲載で韓国国民感情を逆撫でし、日本に対する世界中からの非難や軽蔑を煽った事で知られる。私も全てが偽りだとは思わないし、部分的にはそういうこともあったとは思う。だが朝日新聞の場合、新聞各社のスクープ競争の中で自ら記事を偽った事を度々認め、組織としてその様な体質である事を自らも認めた。然し乍ら、肝心の煽ってしまった事実に対するその後の報道姿勢は改善されず、国家や、国民が失ってしまった信頼や経済損失は計り知れない。そして未だ日本はその傷から立ち直れず、外交面でも相手国世論に気を配りながら対等な立場からスタートがきれないでいる。昔のただの間違い(虚偽は会社ぐるみだから間違いというより情報テロ)ではなく未だに続く被害だ。
    新聞社にも前述の通り思想があっても良い。真実を伝え議論を巻き起こす役目も担っている。少なくとも朝日新聞の慰安婦に限って言えば、記事を書いた人間が賠償金を得る可能性のある韓国側関係者だった事が問題を大きくしている。個人が利益を得るために新聞と言う「それまでは」信頼されていた媒体を使い、国益を損ねるという結果を導いた。さらに新聞の信頼性を地の底に落としてしまった。色々な面で損害の影響は大きく、天文学的、計り知れない国益の損失と言われる所以だ。
    本書は決してそのきっかけとなった行為そのものを非難しているわけではない。その後の新聞社の対応がさらにまずい。虚偽を認めたにも関わらず、問題はそもそも慰安婦問題自体やだの新聞社との競争、そしてしっかりした調査をしない(できない)政府にあると問題のすげ替えに走る。言いかえるなら、万引きで捕まった犯人が、空腹や空腹をどうにも出来ない社会や市役所のせいにする様な物だ。
    こうした事から新聞特に朝日新聞は二度と読みたくないと毛嫌いしてしまった。民放も朝日はあまり見ないのはその様な過去の経緯から来ている。個人的にはしっかり過去を清算した方が良いし、渦中の韓国に出向いて多額の制作費と放映費を払って番組を流すべきと考える。言い逃れして暫くしたら忘れるだろうとタカを括っているだろうが、その間にも確実に我々の税金はそうした無駄な対応に費やされている。アメリカや世界に確実に悪いイメージを定着化させ、それに対する日本の発言権を奪っている。
    新聞とは未だ影響力のある情報源だと思う。いよいよネット社会に飲み込まれ誰も読まなくなってからでは遅い。そこで取り戻そうとしても気を逸してしまう。早い内に何とかなる内にしっかりとした対応(行為ではなく結果のある)を期待する。

  • 「徹底検証朝日「慰安婦」報道」読売新聞編集局著、中公新書ラクレ、2014.09.30
    190p ¥778 C1236 (2022.09.19読了)(2022.09.18拝借)
    今日の日韓関係悪化の原因は、「朝日新聞」の誤った報道に原因があったんですね。
    全くひどい話です。
    慰安婦問題だけではなく、徴用工の問題とか、竹島問題とか、他にも問題はあるので、朝日新聞だけとは、いえない面はあるかと思いますが、それにしても、「朝日新聞」の責任は大きいようです。
    ・朝鮮の女性を狩り出して強制連行し従軍慰安婦にした
    著述家・吉田清治氏が1943年夏に済州島で朝鮮の女性を狩り出して強制連行し従軍慰安婦にしたと述べたことを1982年9月2日の朝日新聞朝刊で報じた。
    吉田氏は、1983年に朝日新聞の報道と同内容の本を出版した。1992年に産経新聞が秦郁彦氏の現地調査に基づき、済州島での強制連行という話は、「極めて疑わしい」という記事を掲載した。吉田氏のは体験談ではなく、小説だった。
    ・20万人の朝鮮人女性が女子挺身隊として動員され従軍慰安婦にされた
    女子挺身隊は、勤労動員であって従軍慰安婦とは異なる。朝日が参考にしたという『朝鮮を知る事典』(平凡社)には、「女子挺身隊の名の下に、約20万人の朝鮮人女性が労務動員され、そのうち若くて未婚の5万~7万人が慰安婦にされた」と書かれている。
    慰安婦が20万人とは書かれていない。『朝鮮を知る事典』の執筆者をたどると1970年8月14日のソウル新聞の記事に「挺身隊に動員された韓・日の2つの国の女性は、全部でおよそ20万。そのうち韓国の女性は、5~7万名と推算されている」とある。
    従軍慰安婦の数ではなかった。『朝鮮を知る事典』を参考にしたとしても、5~7万人であって、20万人ではない。
    ・日本に対し賠償請求訴訟を起こした元従軍慰安婦は女子挺身隊の名で強制連行
    1991年8月11日、朝日新聞で、女子挺身隊の名で戦場に連行され売春行為を強いられた女性がいたことが報じられた。ところが、15日の報じられた韓国の新聞によると、挺身隊でもなく、強制連行されたわけでもないことが分かった。「母親によって妓生業者に身売りされ、更に慰安所に身売りされた」ということだった。
    記事を書いた、朝日の記者は、訴訟を起こした関係者の身内で裁判を有利にするために意図的に事実とは異なる記事を書いた可能性がある。

    誤った朝日新聞の報道に基づいて、日本が韓国やアメリカ、国際機関などから非難されているので、朝日新聞の責任は重大である。朝日新聞は、これらの誤解を解くための活動をすべきと思うけど、そのような様子は見られませんね。

    【目次】
    はじめに
    第1章 朝日「慰安婦」報道が生んだ虚構の「強制連行」
    32年後の記事取り消し
    虚偽の「吉田証言」繰り返し掲載
    相次ぐ「慰安婦」での「スクープ」
    朝日報道の「核心」
    慰安婦20万人の誤り
    「挺身隊で連行」と誤報
    「募集を統制」の反響
    第2章 朝日「慰安婦」報道はいかに「害」を及ぼしたか
    怒涛の慰安婦報道
    朝日と韓国との共鳴
    「強制連行」論を広めた河野談話
    世界に拡散する慰安婦問題
    読売は「慰安婦」をどう報じたか
    第3章 「慰安婦」以外の朝日の虚報・誤報
    過去の「二大虚報」
    新聞が信頼される訳)
    第4章 「慰安婦」問題で読売、朝日は何を訴えたのか
    歴史の「事実」直視を
    「強制性」認めた河野談話
    アジア女性基金
    第2次慰安婦論争
    慰安婦像の設置
    朝日の「吉田証言」取り消し
    いわゆる「従軍慰安婦問題」をめぐる関連年表
    資料編
    主な参考文献

    ☆関連図書(既読)
    「従軍慰安婦にされた少女たち」石川逸子著、岩波ジュニア新書、1993.06.21
    (アマゾンより)
    いわゆる従軍慰安婦問題について、朝日新聞が過去の報道を点検し、吉田証言 (韓国・済州島で慰安婦を強制連行したとする証言。1982年9月報道)の誤り を認めて取り消した。この報道は韓国の反日世論をあおって慰安婦を政治 問題化させただけでなく、1996年の国連人権委員会のクマラスワミ報告にも 引用され、日本について誤った認識が、世界に広がる根拠の一つとなった。 1992年には歴史家の秦郁彦氏が疑問を指摘していたにもかかわらず、朝日は 確認できただけで計16回にわたって、吉田氏について記事にした。20年以上 にわたって、放置してきたのだ。 もう一つの重大な問題は、慰安婦と「女子挺身(ていしん)隊」とを朝日が 混同してきたことだ。 本書は正しい歴史認識を持つために、あくまで真実を究明する姿勢から 朝日の報道を検証するものである。 同時に朝日の2大虚報(伊藤律架空会見事件、サンゴ事件)を振り返りつつ 慰安婦報道の問題点と、それが及ぼした甚大な影響を検証する。

  •  すごくざっくりとまとめる。

     韓国人はこう考えている。


     ・日本軍が武器で脅して村や町の若い女性を強制的に根こそぎさらって行った。
     ・慰安婦が足りなくなると、女子勤労挺身隊という名のもとに、少女もさらって行った。その中には12歳の少女もいた。
     ・慰安所では隔離、監禁され、兵士にレイプされ続けた。
     ・戦時中およそ20万人の一般女性が強制的に連行され監禁された状態でレイプ被害に遭った。のちにその大半が殺された。
     ・これらのことは日本の一流新聞である朝日新聞の報道から読み解いても真実である。
     ・これらの犯罪行為はスターリンやヒトラー、ポル・ポトなどの世紀の大悪人の犯したジェノサイドと同様であり、国際刑事裁判所ローマ規定における人道に対する罪にあたる。
     ・しかし、そんな大罪を犯しながら日本はいまだに責任を認めないし、謝罪すらしない。これは国際社会に広く知らしめ世界を味方につけ責任追求していくしかない。少女像はその象徴だ。撤去なんて到底できない。


     一方、日本(日本人でも韓国人のような考え方をする人はいるので、あえて日本とする)はこう考えている。
     
     ・軍が武力をもって威嚇し、強制的に女性をさらったという事実はない。(証拠とされた朝日新聞の報道が誤報とされた今では、朝日新聞を根拠とした事実認定、そこから導き出された主張はすべて覆される。軍の強制があったと言うなら証拠を示せ)
     ・しかしながら悪徳業者が甘言を用いて、女性をだまして慰安婦にしたという事例はあったと思われる。だから軍の強制連行はなかっと考えるが、騙されて過酷な労働を強いられたという慰安婦の方々にはお詫びしたい(国家としてではない)
     ・女子勤労挺身隊とは軍需工場などに動員された作業員であり、慰安婦の徴用などではない。
     ・慰安婦には正当な対価が払われていた。
     ・朝日新聞が虚偽の報道を繰り返したため、ありもしないことが真実と受け止められるようになってしまった。この誤解を解き、今後は真相を世界に発信していきたい。


     要するに韓国人は武力による強制的な女性狩りによって、多数の女性、少女までが拉致監禁され、兵士の奴隷にされ、反抗したり、飽きられたら女性は殺された。これをジェノサイドと言わずに何というのか。アウシュビッツやルワンダ虐殺と同様の国家の大罪だ、ということを言いたい。


     日本は、遊郭には借金の肩に売り飛ばされてきたり、騙されてきた女性は大勢いた。乱暴されたり自殺に追い込まれたりと、不幸になった女性も多かっただろう、しかしそれは国家の責任ではない。というような(ニュアンスの)ことを言いたいのだろう。


     韓国の扇動はひどすぎだが、日本の態度も冷淡だ。双方が100%納得する答えが出るなんてことはすでにあり得ない。


     、日韓の認識の隔たりは大きいが、戦時中に被害を受けた慰安婦の方々の苦痛は事実なんだから、ひとまず責任の所在は棚上げして、その救済を優先すべきではないのか、という考えの下の今回の日韓合意で、基金の設立だったんじゃなかったのか(違うかもしれないけど)。お互いの主張をそれぞれ言い合っていては、そもそも合意に至るわけがない。政治なんてものはそもそも妥協なのだ。


     それなのに、自らの人気を高めるために道義を振りかざし正義感ぶる輩が次から次へと出てくる。
     
     あぁ、気持ち悪い。


     

  • 別段自社を、ほら、朝日とは違ってちゃんとやってんだよ、というつもりもないのだろうが、比較するのは他社のどこかの方が客観性を前に出せたんではないかな。
    いずれにしろ、朝日のこの問題についての「問題」を述べているわけで、朝日も、きちんと「解決」しないと、一歩も前に進めないと思うわね。
    歴史をきちんと認識し、目をそらさずに背負っていくことが大切で、詫びろと言ってたのはどこのどいつだ。

  • 評価が高めですが、これを出版するという行為への賛辞です。本の内容自体は、ページが余ったのか、埋草にサンゴと伊藤律という過去の事案を使っています。結構な報酬を受けていた慰安婦の話も読みますが、本当のところはどうだったのかというのは、この本ではわからずです。

  •  私が大学3年生だった1994年頃、親しい韓国人留学生と慰安婦問題の話になった。彼が慰安婦と挺身隊を混同して日本を非難したので、この問題に関心があって自分なりに勉強していた私は、「そうではない」と説明し、彼に理解してもらえたのを覚えている。当時すでに、吉田清治氏の「慰安婦狩り」の虚偽性を否定する指摘も出されていた。
     それから20年。朝日がようやく誤報を認めたが、執拗に繰り返された誤報によって、日本の国益や日韓関係は大きく損なわれた。朝日は紙面で誤報を認め、会見で謝罪したが、損なったものを取り戻そうという努力は何もしていない。
     本書は、こうした慰安婦問題での朝日の報道の経緯や、それに対して読売がどう反論してきたかなどをまとめている。巻末には年表や河野談話、クマラスワミ報告などの資料もついている。この問題に関して、読売はよく頑張っていると思うが、いかんせん、損なわれた国益の甚大さは計り知れない。まずは多くの人が、この問題の本質を知ることで、失ったものを取り戻すための動きを国民が後押しする必要がある。本書は、そのための手軽な一助になると思う。

  • 朝日を潰すチャンスと讀賣が判断した!

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    「いわゆる従軍慰安婦問題について、朝日新聞が過去の報道を点検し、吉田証言 (韓国・済州島で慰安婦を強制連行したとする証言。1982年9月報道)の誤り を認めて取り消した。この報道は韓国の反日世論をあおって慰安婦を政治 問題化させただけでなく、1996年の国連人権委員会のクマラスワミ報告にも 引用され、日本について誤った認識が、世界に広がる根拠の一つとなった。 1992年には歴史家の秦郁彦氏が疑問を指摘していたにもかかわらず、朝日は 確認できただけで計16回にわたって、吉田氏について記事にした。20年以上 にわたって、放置してきたのだ。 もう一つの重大な問題は、慰安婦と「女子挺身(ていしん)隊」とを朝日が 混同してきたことだ。 本書は正しい歴史認識を持つために、あくまで真実を究明する姿勢から 朝日の報道を検証するものである。 同時に朝日の2大虚報(伊藤律架空会見事件、サンゴ事件)を振り返りつつ 慰安婦報道の問題点と、それが及ぼした甚大な影響を検証する。 」

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