人生を変える勇気 - 踏み出せない時のアドラー心理学 (中公新書ラクレ)
- 中央公論新社 (2016年6月21日発売)


- Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121505576
感想・レビュー・書評
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2018年11月6日読了。日本のアドラー心理学の第一人者による一問一答形式での、青年~老年の様々な葛藤に答える本。アドラー心理学の本を何冊か読んできて、これは「受け入れる準備のある人」にとっては強烈に魅力があり生きる勇気がわく哲学だが、ひとたび体調を崩すなどして現状維持すら難しくなったときにそこから這い上がるためには、周囲は「勇気づけする」「支援する用意があることを伝える」ことしかできない、と思わされる…。まあ、後ろの話も結局「他者の人生に関わることはできない」という厳しい話の現れであり、そこが「厳しいが優しい」とこの心理学が感じられるあたりなのだろうか。「可能性に生きる」とは手厳しい言葉、自分もそこに安住せず、課題があるのであればその解決に向けて摩擦を恐れず踏み出す人生を生きたいもの。
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岸見一郎先生による悩み相談の回答。
私が一番参考になったのはこちら。
私の場合、相手は夫ではないのですが、しばしばこういう経験をするので、今後役にたちそうです。
Q「夫がつらい過去の話ばかりする。ことあるごとに延々と。そんなときどんな返事をすればいいのか。『辛かったね』といえば『おまえにはわからない』と返されてしまう」
A「たずねてみるのが一番安全
『あなたはどんなふうに答えてほしいの』
というように。
『話をきいてほしい』と言われたら話をきけばいいのだし、『助言してほしい』と言われたら助言すればいい。
助言してほしいといわれる可能性は少ないし、もっと助言してほしいといわれても困るが。
『辛かったね』と返すと、これまでの人生は本当につらいことばかりだったと本当に思うようになる。
助言できなくても『大変な人生だったかもしれないけど、人生を勇気をもって切り抜けてきたと思う』というようなことを話せたらいいと思う。
『つらい過去の出来事ではない話をきいてみたい』と言ってもいい。また、過去の話ではなく、他愛もない話をするのも楽しいことに気付いてほしいので、話題をかえる努力をしてもいいだろう。
夫がつらい話をするのは屈折した承認欲求であり、今なにかの問題があるのだろう。
また、今、彼が直面する問題については、あなたにできることはないけれど、『あなたはそのままでいい』と伝えることはできる。」
それ以外にも、大事なところをメモ。
●理解することと賛成することは違う。自分とは違う考えを持った人を理解する、あるいは理解しようとすることは、必ずしもその人の考えに賛成するということではない。
●大人になるということは次の三つ。
➀自分が決めなければならないことを、自分で決められる→決められないのは、うまくいかなかったときに責任を他の人に転嫁したいからだ
②自分の価値を自分で決められる→人からの評価や承認を拠り所にする人は他者に依存している
③自己中心的な考えから脱却している→自分は決して自分が所属する共同体の中心にいるのではない
●生きる喜びや幸福は人との関係の中からしか得ることはできない
●対人関係のトラブルは人の課題に踏み込むこと、踏み込まれることから起こる。
●自分にできないことはできないと割り切る -
この本を読むとアドラー心理学への誤解が深まると思います。アドラーが言ってないことも書いてありますね。人生相談したい人には読む価値があるかも知れませんが、アドラー心理学について知りたい方は別の本をオススメします。なお、アドラー心理学は、「建前と本音」があり同調圧力の強い日本社会とは馴染みづらいと思います(逆にハッキリ言うアメリカ社会には馴染みやすい?)し、この本通り実践して、人間関係のトラブルが増えてしまい余計に抑うつ的になる事も多いかと思います。あるいは、嫌われる勇気と言いつつ本当に嫌われてしまい、自分も他人も不幸になる危険性を孕んでいます。あまり間に受けず、生き方の一つの選択肢程度の認識で良いかと思います。
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「自分の課題」と「相手の課題」をしっかり分離すること。相手がどう思っても、自分の気持ちに正直になって行動する!!その結果として、相手がどう感じるのかは相手の課題なのだから
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様々な悩みへの回答集のような作り。
あなたは大人ですか、との問いにドキッとした。
親子の関係や恋愛の話など思いあたることも。 -
勇気シリーズを日常実践場面に、という感じで、心理学・哲学的なニュアンスはかなり弱め。
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●人前で緊張する…緊張すると思ったら、初めから緊張していると言えば気が楽になります。
●同窓会が憂鬱…自分を友達と比較して落ち込むのは、自分に価値がないと思い、自分を嫌いになるためです。あなたが参加しなくても誰も気にしていないのだ。
●相手と近くなるために褒めるのではない。そのような下心を相手に抜かれると、関係はかえって遠くなってしまいます。
●「もしも私がお父さんの考えに従って、お父さんがいいと言う大学に行ったとする。でも4年後にこんな大学に行けなければよかったと私が思ったら、その時、お父さんは私に一生恨まれることになりますが、それでもいいですか」
●大人になると言うのは、年齢とは関係がありません。歳を重ねれば自動的に大人になれるわけではないと言うことです。
●可能性の中に生きることをやめて、現実に飛び込めば良い。
●助けを求められない人は、自分にしか関心がない。できないことをできないと言えなければ、結果的に他人に迷惑をかけてしまう。
●叱る事に即効性はあるが、有効性はない。
●同じ川には二度入れない…ヘラクレイトス
著者プロフィール
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