人生を変える勇気 - 踏み出せない時のアドラー心理学 (中公新書ラクレ)

著者 :
  • 中央公論新社
3.36
  • (11)
  • (16)
  • (27)
  • (5)
  • (5)
本棚登録 : 217
レビュー : 29
  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121505576

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 2018年11月6日読了。日本のアドラー心理学の第一人者による一問一答形式での、青年~老年の様々な葛藤に答える本。アドラー心理学の本を何冊か読んできて、これは「受け入れる準備のある人」にとっては強烈に魅力があり生きる勇気がわく哲学だが、ひとたび体調を崩すなどして現状維持すら難しくなったときにそこから這い上がるためには、周囲は「勇気づけする」「支援する用意があることを伝える」ことしかできない、と思わされる…。まあ、後ろの話も結局「他者の人生に関わることはできない」という厳しい話の現れであり、そこが「厳しいが優しい」とこの心理学が感じられるあたりなのだろうか。「可能性に生きる」とは手厳しい言葉、自分もそこに安住せず、課題があるのであればその解決に向けて摩擦を恐れず踏み出す人生を生きたいもの。

  • 岸見一郎先生による悩み相談の回答。

    私が一番参考になったのはこちら。
    私の場合、相手は夫ではないのですが、しばしばこういう経験をするので、今後役にたちそうです。

    Q「夫がつらい過去の話ばかりする。ことあるごとに延々と。そんなときどんな返事をすればいいのか。『辛かったね』といえば『おまえにはわからない』と返されてしまう」

    A「たずねてみるのが一番安全
    『あなたはどんなふうに答えてほしいの』
    というように。
    『話をきいてほしい』と言われたら話をきけばいいのだし、『助言してほしい』と言われたら助言すればいい。
    助言してほしいといわれる可能性は少ないし、もっと助言してほしいといわれても困るが。
    『辛かったね』と返すと、これまでの人生は本当につらいことばかりだったと本当に思うようになる。
    助言できなくても『大変な人生だったかもしれないけど、人生を勇気をもって切り抜けてきたと思う』というようなことを話せたらいいと思う。
    『つらい過去の出来事ではない話をきいてみたい』と言ってもいい。また、過去の話ではなく、他愛もない話をするのも楽しいことに気付いてほしいので、話題をかえる努力をしてもいいだろう。
    夫がつらい話をするのは屈折した承認欲求であり、今なにかの問題があるのだろう。
    また、今、彼が直面する問題については、あなたにできることはないけれど、『あなたはそのままでいい』と伝えることはできる。」

    それ以外にも、大事なところをメモ。

    ●理解することと賛成することは違う。自分とは違う考えを持った人を理解する、あるいは理解しようとすることは、必ずしもその人の考えに賛成するということではない。

    ●大人になるということは次の三つ。
    ➀自分が決めなければならないことを、自分で決められる→決められないのは、うまくいかなかったときに責任を他の人に転嫁したいからだ
    ②自分の価値を自分で決められる→人からの評価や承認を拠り所にする人は他者に依存している
    ③自己中心的な考えから脱却している→自分は決して自分が所属する共同体の中心にいるのではない

    ●生きる喜びや幸福は人との関係の中からしか得ることはできない

    ●対人関係のトラブルは人の課題に踏み込むこと、踏み込まれることから起こる。

    ●自分にできないことはできないと割り切る

  • 【概要】
    アドラー心理学の第一人者の岸見一郎先生が個別の66の質問に回答する形式の本。
    個別では短いが、事例別だったりするので、具体的に自分や誰かを想像しながら読み進められる。

    【評価】
    59点(アドラーの難しい本の合間)
    【共有したい内容】
    ・大人になるということは
    「自分が決めなければならないことを自分で決める」
    「自分の価値を自分で決められる」
    「自己中心的な考えから脱却できている」
    ・「怒りは人と人とを引き離す感情」
    ・「対人関係の中に入っていく勇気は自分に価値があると思える時だけもてる」
    ・「どんな時に価値があると思えるかといえば、自分が貢献していると感じられるとき」
    【悪いところ】
    質問に対しての回答が薄いので、実際に何かで解決したいってなったら、それで大丈夫か?ということになってしまう。
    【どういう時に役に立つか】
    自分の考えを整理したいとき
    アドラー心理学での具体的な事例の対応を知りたいとき
    【ターゲット】
    入社2年目以降
    マネジメント層
    経営者
    【自由記述】
    岸見先生の一問一答形式であり、他のアドラー関係の本の補完くらいで読むのがちょうどいい。
    似たような本もあるけど、改めて読むといい気付きがありそう。
    というのも事例の数が多いから。

    【合わせて読みたい】
    嫌われる勇気
    困った時のアドラー心理学

  • この本を読むとアドラー心理学への誤解が深まると思います。アドラーが言ってないことも書いてありますね。人生相談したい人には読む価値があるかも知れませんが、アドラー心理学について知りたい方は別の本をオススメします。なお、アドラー心理学は、「建前と本音」があり同調圧力の強い日本社会とは馴染みづらいと思います(逆にハッキリ言うアメリカ社会には馴染みやすい?)し、この本通り実践して、人間関係のトラブルが増えてしまい余計に抑うつ的になる事も多いかと思います。あるいは、嫌われる勇気と言いつつ本当に嫌われてしまい、自分も他人も不幸になる危険性を孕んでいます。あまり間に受けず、生き方の一つの選択肢程度の認識で良いかと思います。

  • 「自分の課題」と「相手の課題」をしっかり分離すること。相手がどう思っても、自分の気持ちに正直になって行動する!!その結果として、相手がどう感じるのかは相手の課題なのだから

  • ●人前で緊張する…緊張すると思ったら、初めから緊張していると言えば気が楽になります。
    ●同窓会が憂鬱…自分を友達と比較して落ち込むのは、自分に価値がないと思い、自分を嫌いになるためです。あなたが参加しなくても誰も気にしていないのだ。
    ●相手と近くなるために褒めるのではない。そのような下心を相手に抜かれると、関係はかえって遠くなってしまいます。
    ●「もしも私がお父さんの考えに従って、お父さんがいいと言う大学に行ったとする。でも4年後にこんな大学に行けなければよかったと私が思ったら、その時、お父さんは私に一生恨まれることになりますが、それでもいいですか」
    ●大人になると言うのは、年齢とは関係がありません。歳を重ねれば自動的に大人になれるわけではないと言うことです。
    ●可能性の中に生きることをやめて、現実に飛び込めば良い。
    ●助けを求められない人は、自分にしか関心がない。できないことをできないと言えなければ、結果的に他人に迷惑をかけてしまう。
    ●叱る事に即効性はあるが、有効性はない。
    ●同じ川には二度入れない…ヘラクレイトス

  • 岸見氏のいつもの内容。異なるのはQ&A形式にしているところか。

  • 自分の行動を振り返ってみて
    できない理由を過去や誰かのせいにしている限り人生は変えられない。

  • 著者の個人的観念が強めに入ってきているのと、アドラー心理学の断片的利用で、少し本質からずれてきているような印象です。

  • アドラー心理学では、原因を求めずに(求めても意味がない)、これからどうするか、変えられることに注目するよう。本書はQ&A方式で悩みに回答していく方式を取っているため、自分と同じ悩みを見つけられれば有用と思われる。ただ、アドラー心理学の観点からの回答なのか、著者個人の考えからの回答なのかが分かりづらく、アドラー心理学を学んでみたいと思っている人には合わないような気がする。

全29件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1956年、京都府生まれ。哲学者。日本アドラー心理学会認定カウンセラー。京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学(西洋哲学史専攻)。専門はギリシア哲学、アドラー心理学。主な著書に『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』(以上、古賀史健氏と共著、ダイヤモンド社)、『老いる勇気』(PHP研究所)、『プラトン ソクラテスの弁明』(KADOKAWA)、『幸福の哲学』(講談社)、『よく生きるために働くということ』(KKベストセラーズ)など多数。

「2019年 『「今、ここ」にある幸福』 で使われていた紹介文から引用しています。」

人生を変える勇気 - 踏み出せない時のアドラー心理学 (中公新書ラクレ)のその他の作品

岸見一郎の作品

人生を変える勇気 - 踏み出せない時のアドラー心理学 (中公新書ラクレ)を本棚に登録しているひと

ツイートする