- Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121505750
作品紹介・あらすじ
ゴリラの世界は、誰にも負けず、誰にも勝たない平和な社会。石橋を叩いても渡らない慎重な性格で、家族を愛し、仲間を敬い、楽天的に生きる。人間がいつのまにか忘れてしまった人生観を思い出させてくれる「ゴリラ的生き方」とは何か?京都大学総長と旭山動物園前園長が、ゴリラの魅力について存分に語り合った話題の一冊!
感想・レビュー・書評
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●「1人ゴリラ」オスは大体、一旦自分の生まれ育った群を出て、1人ゴリラとして武者修行をするわけです。ニホンザルにも1人猿というのがあるのですが、ずっとひとりでいるわけではありません。1人ゴリラは本当に寂しそうなんですよ。
●ゴリラはメスや子供たちが仲裁に入る。雄たちは戦わずして、一応これで収めておくかと喧嘩を止める。これがゴリラの共存ルール。
●あえて加藤寿ない、でも負けないゴリラ社会。勝ち続けていけなければ自分の地位が脅かされるニホンザル社会。
●ゴリラの繁殖が、旭山動物園ではうまくいかなかった。やはりゴリラは群れで飼わなければならない。
●あと、子供の頃に年上の個体の交尾を見ると言う経験が、将来的に自分が交尾をする場合に役に立つと言うのは重要なポイント。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ゴリラ、サル、チンパンジーは似て非なるものだった。人間の目指すべきところはゴリラである。
旭山動物園の前園長との対話形式で読みやすい。ゴリラの繁殖方法など、野生とは異なる動物園で試行錯誤する様子も描いている。サルやチンパンジーなどとの比較もおもしい。 -
ここのところ、類人猿に関する本をいろいろ読んでおりまして、その過程で見つけた一冊。
また、山際先生の話は、3年ほど前に、まったく違う文脈で聞いたことがあり、その話が面白かったこともありまして、借りて読んでみました。
ゴリラを中心に、類人猿に関する話題が多いですが、野生動物を観察する意義や、動物園の意義など、野生動物について、いろいろな視点から語られており、興味深く読むことができました。
進化論的な観点からも、また、動物とヒトの差異からも、ヒトの特質性を理解するのによい本だと思います。
また、動物たち(自然)と人間の共存を考える上でも、いろんな示唆を与えてくれる、という意味でもよい本だと思います。 -
生き物と真摯に向き合い、つぶさに観察してこられたお二人の対話に、度々感涙した。科学技術が発達し、生活は便利になれど、人は生きる力を急速に失ってきている。自然がお手本で、その歴史を遡るとヒトの生きてきた時間は僅かであり、祖であるサルの仲間にもそれぞれ特徴があって、ゴリラの生き様の凄さが比較してよくわかる。難しい言葉が使われていなくて、どんどん引き込まれた。
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ゴリラから、人の生きる道を探る
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ゴリラは周りから押されてリーダーとなる。サルは群れ内で威張るボスとなる。
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ゴリラもサルも同じ仲間だと思っていた…。動物園と野生の違い、想像していたよりも過酷な差があったとは…。
子どもをのびのびと野ザルのように育てたいと思っていたけれど、目指すはべきはゴリラだった。 -
生物学者や動物学者の文はドラマチックであり、神秘的であり、引き込まれることが多いです。動物を見て、カッコいいと思うのは、人間の潜在的な憧れで真実に何を目指しているのかを発見する手助けになるのではと思います。
じっくり観察するゴリラ、孤独の怖さを知っているゴリラ、素直にカッコいいと思うところは、人間に限らず師として見習っても良いのでは。
人間ばかりじゃないぞと気づくキッカケをくれる動物園、久々に行きたくなりました。