逆説のスタートアップ思考 (中公新書ラクレ 578)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121505781

感想・レビュー・書評

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  • やばすぎる。スタートアップにおける考え方や思考法などが非常にまとまって書いてあり、読みやすく、出典も明確で非常に良書。
    本書にも情熱は行動した後に生まれるし、スタートアップについて勉強するのではなく、最短はまずスタートアップをやってみること、といわれているのだが、同時に、減らせる失敗は減らしながら、ランダム性を楽しむべし、とも書いてあり、つまり本書を読んで全体的な理解を深めることは非常に重要。

    特に重要書籍(ブラックスワン・ゼロトゥワンなどなど)からの参照が効果的にされており、それぞれを読み込まなくても、一旦概要を抑えられるとい言う意味にでもすばらしい。

    さらに言えば、読みやすく1日で読めるので、コスパも最高。

    スタートアップにおける書籍だが、実際にはこの考え方はほとんどのビジネスや、生活、キャリアなどいろんなことに応用が可能な,非常に汎用的な知識だと思う。

    • kuwatakaさん
      スタートアップ(ビジネスをゼロから作る)の文脈で馬田さんの他の2冊「解像度を上げる」も「未来を実装する」も名著ですよ。所属されているFoud...
      スタートアップ(ビジネスをゼロから作る)の文脈で馬田さんの他の2冊「解像度を上げる」も「未来を実装する」も名著ですよ。所属されているFoud XのYouTubeチャンネルもわかりやすいです。
      https://www.youtube.com/@foundx-utokyo/videos
      2023/12/24
    • zxocgjkさん
      コメントありがとうございます!
      ご紹介いただいた書籍、チャンネル見てみます!
      コメントありがとうございます!
      ご紹介いただいた書籍、チャンネル見てみます!
      2023/12/31
  • p.143 スタートアップにとってもっとも重要なことは、「人の欲しがるものを作る」ことです。スタートアップを始める人たちは「誰かが欲しがるもの作る」ということを忘れがちです。人はつい「自分の作りたいもの」や「誰かがきっと欲しがると決めているもの」を作ってしまい、時間を無為に過ごしてしまったあと、資金難に陥ってしまいます。
    →「自分の作りたいもの」ではなく「人が欲しがるものを作る」。常に顧客視点に立ち続けることが如何に難しいか。謙虚な気持ちが大切ですね。

    p.158 「最初のバージョンが恥ずかしいものでなければ、それはリリースが遅すぎだ」とビジネス特化型SNS、LinkedIn創業者であるリード・ホフマンは言っています。
    →生煮えの状態でも一旦形がみえたところでリリースして反応を見る。そもそもの方向性に問題があれば捨てる勇気も必要。仮説と検証を如何に短時間でサイクルできるかがポイントということか。

    p.175 スタートアップが追いかけるメトリクスは一つに絞るべきです。資源の少ないスタートアップにとって、たくさんのメトリクスを設定してもあまり意味がないどころか、視点や行動がぶれてしまうので、よいことはまったくありません。
    →挑戦した数をメトリクスに設定して、徹底的に追いかけることにしました。挑戦する際には短時間で仮説を設定し、挑戦の結果、仮説が正しかったのか日々検証します。

  • 短期間で急成長を目指す一時的な組織体であるスタートアップ
    本書はスタートアップが急成長するための独特な思考法を解説する

    キーワードは「逆説」

      不合理なほうが合理的
      難しい課題ほど簡単になる
      本当によいアイデアは説明しにくい
      スタートアップの成功はべき乗則に従う

    スタートアップでなくても活用できる視点が見え隠れしている

  • タイトルの"逆説"とは、正攻法から考えず、よくある失敗から考えるという思考のことを指している。

    筆者は、MicrosoftでVSのプロダクトマネージャー経験あり。今は東大産学協創推進本部。

    本書の目的は、スタートアップという領域で、反直観的な事柄や逆説的な言説が起こる背景を説明し、それらに基づくスタートアップの思考法を理解深めてもらう。

    とにかく読みやすい。そして事例がかなり豊富。習うべき点が多い良書

  • 馬田氏によるスタートアップの本。教科書的な内容も多くとてもわかりやすいとともに本質的でとても面白い。スタートアップは反直感的とのくだり、バカなとなるほどとも言われるが経営、競争戦略において非常に重要なポイントをついた言葉でよき。
    unsexyこそ最もsexyとも言い表される部分。

    メモ
    ・アイデア 
    不合理な方が合理的
    難しい課題ほど簡単になる
    本当に良いアイデアは説明しにくい
    スタートアップの成功はべき乗則に従う

    ・今の時代の集団が間違っている信じている幻想を見抜き、それに異を唱えることが、スタートアップに必要な資質。
    ・あわせてwhy now?も重要。
    ・難しい課題の方が簡単になる理由
    周囲からの支援が受けやすくなる
    優秀な人材採用につながる
    競合がいないマーケットに進出できる
    ・スタートアップのアイデアは考えだすのでなく、気付くもの。
    ・未来仮説。未来に生きて欠けているものを作れ。今から10-20年先に世界はどうなっていて、自分のビジネスはその世界にどう適応しているだろうか。誰も築いていない、価値ある企業とはどんな企業だろうか。
    ・独占のための戦略 ピーターディール
    小さな市場を選ぶ
    少数の特定顧客が集中していること
    ライバルがほとんどいないこと
    顧客に刺さり続ける仕組みがあること
    スケールのために必要な限界費用が安いこと
    ・スタートアップの成功要因の80%は市場の選択によるという分析もある。
    ・長期独占に必要な要素 ピーターティール
    専売的な技術
    ネットワーク効果
    規模の経済
    ブランド
    ・まず独占し、徐々に広げること。
    ・先行者利益より、終盤を制すること。
    ・独自の価値を独自のやり方で作るという二つの条件を同時に満たすことが重要

    ・あえてスケールしないことをすることで、創業者は自分たちの会社、そのすべての業務のエキスパートになれる。
    ・週次成長率は5%以上を設定する
    ・成長率を軸に置くことで、方向性が定まってくる他、新しいアイデアにつながることも。
    ・バーベル戦略。極端に保守的な投資と極端に陶器製の高い投資を組み合わせ中くらいのリスクは一切取らないと言うもの。
    ・アンチフラジャイル。変化によってダメージを受けるんじゃなく大きな利益を得るもの。
    ・検証の速度と回数はコントロールできる。

  • スタートアップとは何なのかについてよく理解できた。スタートアップ思考は普段の直感的な考えとは異なるところが多く思考としての幅が一気に広がったように思う。コモディティが避けにくい現代社会においてスタートアップで働かなくてもこの考えを持つことは意味があると思った。

  • 米国で「スタートアップ」と呼ばれる会社はとにかくクレイジー。出資するVCも同じ。「三振かホームランか」で一攫千金を夢見る凄まじい連中が、一日も早く市場を独占することを至上命題としてしのぎを削る世界。「儲かるかどうか」を丁寧に説明して何ヵ月後かに出資が決まる日本とは基本的に違う。「最近できた会社」をスタートアップと呼ぶのだと思っている人は本書を読んで勉強不足を反省すべし。

  • この本に書いてあることを、自分のプロジェクトを見直そうと思いました。
    わかりやすく、納得感もあって、行動しようという思いがふつふつとわいてくる。
    スタートアップで挑戦したくなら本です。

  • 起業したい人だけでなく、スタートアップを支援する立場だったり、スタートアップと戦う立場である人にとっても非常に有益な事がまとめられた一冊。

    自分が今の会社で働き続けるにしても必要な考えが幾つもあった。


    筆者の思考の基底に人類発展、日本復活のような大きなテーマがあり、そこに向けてのスタートアップという考えも好感。

  • 1.不合理なほうが合理的
    2.難しい課題ほど簡単になる
    3.本当いよいアイデアは説明しにくい
    4.スタートアップの成功はべき乗則に従う

    「リスクを取らないリスク」といった威勢のよい文句を言う人に対して否定的な意見。
    背水の陣ではなく、いかにリスクをコントロールするかが大事。

    普通の人でも、この本の思考法を活かせば成功に近づけるような気がする。

    「10年後、本当に価値のある仕事は何か」「いまだ築かれていない、価値ある仕事は何か」

著者プロフィール

東京大学 FoundX ディレクター。
University of Toronto 卒業後、日本マイクロソフトを経て、2016年から東京大学。東京大学では本郷テックガレージの立ち上げと運営を行い、2019年からFoundXディレクターとしてスタートアップの支援とアントレプレナーシップ教育に従事する。スタートアップ向けのスライド、ブログなどで情報提供を行っている。著書に『逆説のスタートアップ思考』『成功する起業家は居場所を選ぶ』『未来を実装する』。

「2022年 『解像度を上げる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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