教育とは何?-日本のエリートはニセモノか (中公新書ラクレ 595)

  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121505958

感想・レビュー・書評

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  • 日本の教育の、よくない意味での特殊性に対して、教育の現場からの批判と実践例。
    純粋な意味での、学びの喜びを、子どもたちに取り戻したいよね、という話。

    「学力低下したのは、ゆとり教育のせいじゃなく、『関心、意欲、態度』を得点力よりも評価の上位に据えたせい」だ、とか。

    スマホ依存についても、いじめ問題などの視点以外に「思春期には、ふっとひとりになる時間、ぼーっとする時間がものすごく重要なんです。/この時間がない子は、自立が遅れがちになるんですよ/ひとりになってぼーっと自分を見つめてみたり、"内なる自分"と向き合ったり、そういう葛藤の時間保障も重要なんだ」とか。

    自分の子どもの頃には、スマホが無くて良かったと思う。
    あるのに、使わないのは大変だもの。

  • 「日本の教育はおわってる」
    義務教育、受験競争を経て、私自身感じてきたことや言いたかったことをずばずば語ってくれてスッキリした。学べることもたくさんあったのでおすすめ。

  • 日本のように資源がない国は、人材育成こそが国を支える根幹になる。
    高校卒業後、まずは社会に出て働いて自分が何を学びたいのか考えてから大学に入るべきだ。
    教師は画一的にではなく、個々の生徒に働きかけねばならない。
    以上が私が著者たちに同意できるところ。

    以下、同意しかねるところ。
    諸外国に倣って大学の授業料は無料にすべきだ。→全国民が税金を収入の50%もとられて良いのか?北欧と人口が全然違うのに。
    偏差値教育はやめるべきだ→でも本書では、大学のランキングをやたら気にしている。日本語で書かれた研究結果は日本国内でしかほとんど利用されませんが、それは国際的大学ランキングには反映されません。でも、英語で書かれている論文が有益かどうか。結構、欧米のは商業目的の臭みのあるものがたくさんある。ランキングというものに対して批判的なのに依存してる。
    著者二人がいまだに第二次世界大戦後のGHQにしばられているところ。

  • 対談形式でそれぞれの教育観、考えを知ることができました。現在の教育をどのように変えて、より良い教育を実践するためにはどうすれば良いかを考えるヒントを得ることができたと思います。

  • 濃い2人。
    同調圧力や前例主義がどこにもそこにもあるこの国で、
    こんな濃さを保てている、このお2人だからこその提言。
    読んで大正解!

    新書だけど、お2人のキャラも相まってさくさく読めます。
    正論をこういう程よい濃度で語ってもらうって大切よね。

    できれば、教育に携わっている方全員に読んでほしい。
    やっぱりひとりひとりの意識が大切なんですよね。

    僭越ながら、とっても尊敬する読書好きな理科の先生にもお貸ししてしまいました。
    「わかるわかる、大賛成!」って返してもらって、満足。

    尾木先生が現役時代の孤軍奮闘に、とても励まされました。
    「規則や手法より、態度や心持ち。まずやってみる」です。

    【本文より】
    「先生っていうのは、何を教えてくれるかわからないけれども、とにかくその人の話を聞きたい、その人と一緒にいたい、と思う人のことだ。」内田樹

    花の拠点”はなふる”センターハウスの蔵書です。

  • 尾木ママと茂木健一郎氏が教育問題について討論した内容が収録されてます。教育問題含め、何事も無関心にならず関心を持ち続けておくことが大事だと感じました。学生たちが被害者であっちゃあいけない。

  • 茂木健一郎も尾木ママも好きなので、この掛け合わせをみた瞬間から読書熱が上がった一冊。
    「一人ひとりの多様な個性を尊重する」と言うは易しな政策を、具体的にどう変化させるかを対談、講義形式で語る。
    ●スマホ依存については、使い方次第、リテラシーを高めよう(脳科学的にぼーっとする時間に内面の形成、自立が育まれる)●学びたい欲望が今の子どもたちに欠乏している(親の先周り、親や学校のいいなり)
    ●教育は国家の統治手段●海外では、一斉授業ではなく個々取り組むページが異なることが当たり前

  • 日本の教育の現状を体系的に理解できた気がする
    海外の教育についてももっと勉強したい

    ✏偏差値で能力が担保され、それがフェアだ、唯一のモノサシだと思い込まされてきた日本人の脳は、いつの間にかそれだけを追いかけて、それ以外のことには「挑戦しない脳」に、規格外のことも受け入れられない脳になってしまったのだ

    ✏先生っていうのは、何を教えてくれるかわからないけども、とにかくその人の話を聞きたい、その人と一緒にいたい、と思う人のことだと思います。

    ✏ネットで、ただ人の意見をコピーしたり、リツイートしたりするだけの人はすぐわかります。自分の言葉を持っていない。
    創造性って、自分の言葉を持っているということ。そして、自分の言葉を持っている人は孤独な時間を持っていた人のような気がします。

    ✏教育は投資です。これは国の国力に関わる問題です。
    (フィンランドの元教育大臣の言葉)

    ✏"わかる子"と"わからない子"の間に生じる理解度の差は、不平等とはいえないのかー
    そこの判断が、ヨーロッパ諸国と日本で異なっているのです

  • 学びは当たり前ではない。自分から学びたいという胸を焦がすような欲求をどうくすぐるか。
    集団の前で「みなさん」と話しかけても、聞き手は当事者意識を持たず、話が入らない。名前を呼び、より個別に話しかけることで。内容がより理解されるようになる。
    学びの欲求階層があり、「テスト合格」や「成績を上げる」という低次の欲求から「学びがい」、「生きがい・働きがい」へつながる。そのステップを理解し、適切な課題を提供することが重要である。

  • SDGs|目標4 質の高い教育をみんなに|

    【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/691658

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著者プロフィール

教育評論家、法政大学教職課程センター長・教授、臨床教育研究所「虹」所長。
1947年滋賀県生まれ。早稲田大学卒業後、海城高校や公立中学校などで教師として22年間、ユニークな教育実践を展開。現在、「尾木ママ」の愛称で親しまれる。
著書『いじめ問題とどう向き合うか』『子どもの危機をどう見るか』(以上、岩波書店)『新・学歴社会がはじまる』『日本人はどこまでバカになるのか』『子どもが自立する学校』(編著、以上、青灯社)『尾木ママの「叱らない」子育て論』(主婦と生活社)『尾木ママの子どもの気持ちが「わかる」すごいコツ』(日本図書センター)ほか多数。

「2013年 『おぎ・もぎ対談 「個」育て論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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