- Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121506351
作品紹介・あらすじ
古来、農耕民族として生きてきた日本人には、祖先を敬い、互いを尊重し、助け合うという文化が根付いていた。じつは、そのあり方は、儒教の思想と深く親和してきた。江戸時代の朱子学が倫理道徳を強く押し出したため、とかく、四角四面、堅苦しく受けとめられ、誤解も多い。本書は、儒教を歴史的に繙きながら、家族のあり方や冠婚葬祭、死の迎え方、祖先との向き合い方、老後の備えなど、儒教に学び、儒教を生かす、知恵とヒントをやさしく解説する。
【主な内容】
家族主義と個人主義/儒教のイメージ/血縁共同体/冠婚葬祭/盆など年中行事/儒教と仏教の相違/死後はどうなるのか/生命の連続/儒教の成り立ち/道徳と法/儒教の徳目/現代人と儒教
感想・レビュー・書評
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・人類は長きにわたり、家族が助けあって生きる「家族主義」の下で、農耕生活を営んできた。そして中国を中心とする東北アジアにおいて、家族主義の中から「儒教」が生まれた。
・儒教に対し、堅苦しいイメージを抱く人は少なくない。その背景には、江戸幕府が正統的学問とした朱子学の影響がある。
朱子学派は儒教を倫理・道徳として捉え、堅苦しい解釈をし、偏った解釈が広がり、定着した。
・儒教は、自分たちの祖先を祭る祖先祭祀を柱とする。家族主義から生まれた儒教において、祖先は家族や一族が共通して敬意を払う対象であり、精神的な支えとなるから。
・家族主義と祖先祭祀は古代ヨーロッパでも重視されたが、キリスト教が祖先祭祀を禁じたため、いずれも消滅した。同地では祖先への感謝ではなく、神への感謝がすべてとなった。
・江戸時代、儒教派と仏教派は争っていた。仏教は檀家制度の下、安定した地位にあったが、儒教にはそうした基盤がなかった。また、仏教は儒教が生んだ墓や祖先祭祀を取りこみ、儒教の商売を侵食した。こうしたことが争いの背景にある。
・明治維新後、仏教は神道の台頭により衰退した。儒教は、学校教育において倫理・道徳として採用され、生き残ったが、太平洋戦争後は次第に色褪せた。
・明治になり、西洋文明が入ってくると、日本人の倫理規範は大きな影響を受けた。宗教においては、一神教、中でもキリスト教が最高形態であり、仏教や儒教はそれ以下とされた。このような理解が日本の宗教界を支配していった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
人生百年時代、よりよく生きるために。儒教への誤解を正し、倫理道徳だけではない、日本人の生活に根ざした儒教をやさしく解説する。
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東2法経図・6F開架 B1/5A/635/K
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孔子の思想に基づく教えで、多くの日本人の生活に根付く「儒教」。本書は、儒教を歴史的に繙きながら、家族のあり方や冠婚葬祭、祖先との向き合い方など、儒教に学び生かす知恵とヒントをやさしく解説する。
はじめに―まず入塾テスト
第1章 儒教はこうして生まれた
第2章 儒教はすぐそばに
第3章 儒教の深さ―宗教性
第4章 儒教の強さ―道徳性
第5章 現代人と儒教と―人生百年時代の生きる知恵
著者プロフィール
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