米中衝突-危機の日米同盟と朝鮮半島 (中公新書ラクレ 639)
- 中央公論新社 (2018年12月7日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121506399
作品紹介・あらすじ
★朝鮮半島の南北融和が日本を危うくする
米朝首脳会談を通じて「恋に落ちた」と金正恩を讃えるトランプ。北朝鮮の背後にあって「海洋強国」を目指す習近平の中国。
朝鮮半島は中華圏に引き寄せられ、日本は米中衝突の最前線で烈風に曝されつつある。
「米朝開戦か!」と騒がれていた2017年秋、早くも「米朝はいずれ結ぶ」と言い当てたインテリジェンスの巨匠2人が、「新アチソンライン」という新たな視座とともに提示する驚愕のシナリオとは。日本の危機を直視せよ!
感想・レビュー・書評
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毎度刺激的
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東アジア情勢は米中・日韓を主なプレイヤーにものすごく微妙なバランスを保っているということがわかる
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直接中国のことを語るというより、副題の通り朝鮮半島についての考察がメイン。
結局、トランプと金正恩は「破局」し、出版当時のようにアメリカと北朝鮮が和解するのではないかという気運は後退した。
しかし、日本は有事の際に立たされる立場や、中国が勢いを増し、アメリカが東アジアから後退したときに何が起きるかを具体的に分析する必要がある。 -
●短い20世紀… 1914年からソ連崩壊まで。第一次第二次大戦は連続した「20世紀の31年戦争」であると言う見方。この時代は台頭するドイツを抑えることが大きな目的であり、最終的にはソ連崩壊によって西側が勝利するわけですが、これは欧州においてはドイツの勝利だった。(イギリスの歴史家、ホブズボーム)
●アメリカの大統領を選び、ロシアの情報機関が介入した疑いが生じた。そして選挙結果に影響与えて、クリントン女史が破れるきっかけになったと多くはアメリカ人が考えている。そして今度2018年の秋の中間選挙では、中国の情報機関がサイバー攻撃を加えていたとトランプ政権が批判している。
●2年前の解散総選挙、政権維持の為に戦争を利用するのは禁じ手である。北朝鮮の核開発を利用して、政府に情報操作された。
●Jアラートが使えない、イスラエルのマニュアルをそのままコピーしたもので、核ミサイル攻撃は想定していないのだ。ICBMよりホリエモンが開発していた民間ロケットの転用の方が怖い。
●反知性主義とは知性がない人たちと言う印象になるが、それは違う。簡単に言えば「知性と権威が結びつき、エリートが国の舵取りを担うことに激しく抗う」と言うことになる。前の大統領選挙でトランプと争った、ヒラリークリントンは「知性と権威が結びついた」典型的な人物と言える。
●なんとトランプも金日成も、プロテスタントの長老派。「われわれは選ばれし民である」「苦難を乗り越え、必ず勝利する」と言う思想が貫かれている。
●中国には「安価で豊富な労働力」と言う資源があります。米国企業ではコスト的に見合わない作業も、中国のIT企業アリババグループだったら、人海戦術で乗り切れるかもしれません。 -
韓国を島国とする見方は、斬新だと思う。
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基本的には、海洋国家である米国と如何に連携して、大陸国家である中国に如何に対峙していくか、が本書のテーマ。
気になったのは、今後朝鮮半島にて中国の力が強まれば、否応なく対馬海峡の両岸で向き合うことになる、という事。それはつまり、現在の台湾が置かれている状況に酷似してくる事ではないだろうか?
そう考えると、緩衝地帯・国家の存在(それが如何に気に障るものでも)が重要という事だろう。ただし、本書を読んでいると、その緩衝存在も緩衝として機能しなくなる事を思わされる。 -
手嶋氏。
〈北朝鮮問題が、どうやら終幕に向かい、核ミサイルで攻撃されるような事態は避けられそうだ。たとえそれが事実だったとしても、「やれやれ、ひと安心」とはとても言えない環境に、日本は置かれているー。〉
その結果グレートゲームの日は昇る。
え、こんなこと、本に書いていいの?
という内容。
おふたかたのトークが冴えます。 -
オモロイ。Jアラートがイスラエルのコピーシステムで核弾頭には対応出来ない点、カジノは米朝、米中、日米でもキーワード。22年にマカオの米資本カジノ契約が切れる、北朝鮮と日本にカジノを売り込みたいアメリカ。GAFA新興米グローバル企業を米中、ヨーロッパどこが派遣を取り制御していくか。日本は何がやれるんでしょうか。。。
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米朝首脳会談を実現させ、世界を驚愕させた金正恩とトランプ。だが、北朝鮮の軟化で日本は新たな危険に晒される!
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東2法経図・6F開架 B1/5A/639/K