たちどまって考える (中公新書ラクレ (699))

  • 中央公論新社
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本棚登録 : 291
レビュー : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121506993

作品紹介・あらすじ

パンデミックを前にあらゆるものが停滞し、動きを止めた世界。17歳でイタリアに渡り、キューバ、ブラジル、アメリカと、世界を渡り歩いてきた漫画家・ヤマザキマリさんにとって、これほど長い期間、家に閉じこもって自分や社会と向き合った経験はありませんでした。でもそこで深く深く考えた結果、「今たちどまることが、実は私たちには必要だったのかもしれない」という想いにたどり着いています。この先世界は、日本はどう変わる? 黒死病からルネサンスが開花したように、また新しい何かが生まれるのか? 混とんとする毎日のなか、それでも力強く生きていくために必要なものとは? 自分の頭で考え、自分の足でボーダーを超えて。さあ、あなただけの人生を進め!

感想・レビュー・書評

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  • この春に、北イタリアでコロナ患者が増えていると聞いた時
    真っ先にヤマザキマリさんを思い出しました。
    その後、彼女の本はこれで三冊目。
    テレビにも出演されているようで、
    やっぱり需要があるのかなと思っていました。

    20数年ぶりに日本に長期滞在しているそうです。
    国内での露出が多いのは、そのせいもあるんですね。

    世界中をとびまわって、いろいろな経験をされている
    ヤマザキマリさんのエッセイ好きです。
    日本を俯瞰しているところがよいです。

    ただ、この本では、個人的に最近(ここには書きませんが)
    考えても仕方ないことなのに
    たびたび思い出して嫌な気持ちになる問題
    それが思いがけず解決しました。

    やはり読書するものです。
    マリさんも薦めているし。

  • 軽い風邪でも病院に行く神経質なイタリア人がマスクを嫌がる深い理由 コロナ死者数は世界5位に… | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)
    https://president.jp/articles/-/38296

    たちどまって考える|特設ページ|中央公論新社
    https://www.chuko.co.jp/special/yamazakimari/

    たちどまって考える|ラクレ|中央公論新社
    https://www.chuko.co.jp/laclef/2020/09/150699.html

  • ヤマザキマリさんの著作を読んだことはないけれど「another sky」出演回は拝見していて、自身が美術の道に行く決心をした胸の内の話を聞いてかっこいいな、と思っていました。

    この本を手に取ったのは何となく、ではあったのですがタイムリーに読むことができて良かったと思います。
    パンデミックを経てヤマザキマリさんが考えるあれこれ…という前知識で読み始め、イタリア人の旦那さん・義家族とのこと、今までの外国暮らしの経験を踏まえて日本との違いを語っていくものかなと思いましたが想像以上にヤマザキさんが多岐に渡り関心と知識を持ち合わせ自身の意見を持たれており、またフラットな文章で綴られるので、感心の連続でした。

    第1章:パンデミックが起きたときのヤマザキさんの周りのこと。
    第2章:パンデミックを通して改めて見るイタリアのこと。
    第3章:強制的にたちどまる時間ができた今、文化に触れ考えること。
    第4章:最近の日本社会の世間を騒がせた出来事、人々の反応を焦点にし、日本の未熟さを考える。
    第5章:まとめ

    上記のような感じかな、と。
    2章まではおおむね想像の展開(イタリアのことは知らないけれど)でしたが3章からの展開は予想していなかったのでいい意味で期待を裏切る面白さがありました。
    優れた過去の名作映画が引き合いに出され、文化の重要性を説き、また今現在の日本で作られるもの、発信するものの程度の低さを憂いていて同じ意見だったので、やはりプロの目から見てもそうなのか、と思いました。
    そして4章では検察庁法改正案や木村花さんのSNS誹謗中傷の件にも触れ、それまでの章でも触れてきた日本政府のコロナ対策への曖昧さ、責任逃れの姿勢や国民全体の世間体を気にし見ないふりをするような幼稚さについて改めて言及しており、ここまで言ってくれるのか!と驚きました。

    検察庁法改正案のTwitter反対デモは私はリアルタイムで夜通し参加しました。
    首相官邸や議員へメッセージを何度も送りました。選挙権を持ってから一度も欠かすことなく投票をしてきましたが、今回ほど行動をしなければいけない、と焦ったのは初めてでした。
    辞任という予想しなかった幕引きには呆気にとられました。

    実際に出向くのではないTwitter上のデモですら緊張し不安で寝られなかったり、盲目的な支持者の暴言に凹んだり無関心の人に悲しくなったり、わからないから発言しないという芸能人の発言に反吐がでる気持ちになったり。やきもきしました。
    反対する大勢の中の匿名の一人のポジションの私ですらここまで疲労したのですから素性を明かして反対の意を唱え、行動し続けてくれた議員さんや著名人の方には頭が上がりませんし、自分ができるサポートしたい・応援したいという気持ちを伝えるのはしっかりやろうと思えました。

    右とか左とかではなく、今生きている一人の人間としてみんなが真剣に政治のことを考えて意見を言えるような世の中になっていってほしいと思います。

    黒澤明監督の『生きる』『悪い奴ほどよく眠る』は必見です。
    今の日本も全く変わっていません。

    老人は、いつか自分が行く道ですし話を聞いて敬うべきとは思いますが大事な国のかじ取りを任せられる人々ではないと思います。

    もう日本ダメだ、と私は凹むばかりで、それでもどうにかしないとと思っていましたがどう思えばいいかよくわかりませんでした。
    ヤマザキさんの、長い歴史を持った外国の民主主義をそのまま持ってきても日本の国民性にはマッチしていないのではないかという考えや、日本人の性質の指摘は新鮮で、そして納得できるものでした。

    政治の話題に拒否反応を示す人や、真面目に政治を語る人を揶揄する人、足を引っ張る人、政治知識の未熟さをあげつらい貶める人。
    そんな人たちに自分の考えや意見の邪魔はさせないぞ、と思います。
    周りの人を、世界を大胆に変える力を私は持っていないけれどまずは、自分。ここは譲らず洗練させていこう。伝播できるように。いつか報われるように。良い世界を子供たちに残せるように。

    ヤマザキさんが本の中で触れられていますが、ヤマザキさんの発言が炎上したり、誹謗中傷のようなことを受けたりあったそうです。
    辛いと思います。でもそんな中でも伝えることをあきらめず、過激な言葉を使わず冷静に客観的であろうと努めて書かれたこの本。きちんと熱意、想い伝わっています。有難いです。

    多くの日本人にとって耳が痛い内容だと思うのですが、目を背けてはいけないし見ないふりをし続けてはいけないと思います。
    知らない・無関心だから責任がないわけではない、むしろ知らない・無関心でいることが無責任な段階に今の日本はきていると思います。

    多くの人に読んでもらいたい一冊です。

  • ヤマザキマリさんの、遠く斜めから物事を読み解く視点が本当に大好きです。表現の仕方はピカイチです。
    島国だからこそ、歴史を遡っても人の行き来が少なく、それゆえに誰よりも地域の結束力が強かった。部外者を招こうとしない精神こそが、今回のコロナ禍では''来るな行くな撒き散らすな''に強く響いたのでは。
    ''憧れ意識''が強い私達は、報道のニュースタイトルだけで情報を読み取った気になり、ましてやコロナ問題では他国の素早い的確な政策に羨んだ人も多いでしょう。一点に集中しがちな日本人の視点を、ヤマザキマリさんが歴史を通して見ろ。といわんばかりの面白い作品でした。

  • コロナ禍を立ち止まってよく考える機会と捉えれば、自ずと時間も有意義になる。トラブルは等しく振りかかっても、生き方は結局その人次第。戦争直後の映画人や作家の作品への感嘆は、戦禍というコロナ禍とは比較にならない災厄と理不尽をくぐり抜けてきた人達の偉業を通した、今日へのヒント。イタリアなど他国人の、今回の騒動に対するの感覚の違いもリアルだった。何事も思い通りには行かない、何かが起こるのが当たり前(人生)と心底割り切れば、一つの成熟だろう。

  • 新型コロナウィルスが世界中に蔓延し、世界中の人間が今までの生活を変容させていかなくてはならなくなった今、その今だからこそ考えなければならないこと、行動すること、個人個人がしなければならないことを提言する。
    十代の頃から、長く日本以外で生活し、世界を体験してきた著者だからこそ、いえることだろう。まただからこそ説得力がある。
    「ヴィオラ母さん」を読んで、著者の母親の人生と子供の育てかたにある意味感動し、だからこそ「ヤマザキマリ」が存在するのだろうと思ったが、この本で著者のブレない人生観、世界を俯瞰から眺める理性的、客観的、論理、思考に圧倒された。
    また、日本人の(私だけかもしれないが)イタリアという国に対する今までの、あまりに少ない知識を変えることができた。海外の人が日本に対するイメージを「富士山、侍、芸者」と少し前までステレオタイプで捉えてきたように、私も「イタリア料理、ラテン的陽気さ、女性に優しい」というイメージしかなかった。やはり、紀元前からの長い歴史の中で培われた民主主義に対する捉え方、芸術等日本人にはかなわない、また受け入れにくいこともあるということもわかる。
    今、読まなければならない「旬」の本である。

  • 【配架場所】 図・3F文庫新書 中公新書ラクレ 699 
    【OPACへのリンク】
     https://opac.lib.tut.ac.jp/opac/volume/448505

  • 久方ぶりのブクログ登録!忙しすぎて全く本を読めていなかったけど、爆発して本屋さんで何冊か購入した中の1冊。

    印象に残ったところをいくつか

    猜疑心。猜疑心。
    イタリアは中国資本に買われても、長い歴史の中のひとコマとして捉えている
    歴史に親しむイタリア人
    日本の民主主義と、縄文時代から続く欧州の民主主義

  • 【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/532572

  • 内容が、心にストンと落ちてきた。

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著者プロフィール

ヤマザキマリ

1967年東京生まれ。漫画家・文筆家。東京造形大学客員教授。84年にイタリアに渡り、フィレンツェの国立アカデミア美術学院で美術史・油絵を専攻。2010年『テルマエ・ロマエ』で第3回マンガ大賞 受賞、第14回手塚治虫文化賞短編賞受賞。2015年度芸術選奨文部科学大臣賞受賞。2017年イタリア共和国星勲章綬章。著書に『スティーブ・ジョブズ』(講談社、ウォルター・アイザックソン原作)、『プリニウス 』(新潮社、とり・みきと共著)、『オリンピア・キュクロス』(集英社)、『国境のない生き方』(小学館新書)、『パスタぎらい』(新潮新書)、『ヴィオラ母さん』(文藝春秋)など。

「2020年 『たちどまって考える』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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