天気でよみとく名画 フェルメールのち浮世絵、ときどきマンガ (中公新書ラクレ 810)
- 中央公論新社 (2024年2月9日発売)
本棚登録 : 369人
感想 : 44件
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784121508102
作品紹介・あらすじ
「悪魔の風」の正体は局地風(ゴッホ《星月夜》)、描かれた雲から降水確率もわかる(フェルメール《デルフト眺望》)、天気の表現でわかる作家の出身地などなど、古今東西の名画やマンガを天気という視点で見直すと、意外な発見に満ちている。画家たちの観察眼は気象予報士よりも凄い!? さらに、同じ地域でも時代の異なる作品を比較することで、温暖化などの変化に気づくことだってできる。現役気象予報士による美大の人気講義を再現。
みんなの感想まとめ
天気という視点から名画やマンガを新たに読み解くことで、作品の背景にある気象や季節、さらには画家の心情までを考察することができる。各章では、オランダの光の絵画やイギリスの風景画、フランスの印象派、日本の...
感想・レビュー・書評
-
天気という視点で読み解く、世界の名画+マンガ、アニメ。
絵が描かれた当時の、その地域の気象にも言及している。
・カラー口絵4ページ
・はじめに
第1章 低地・高緯度のオランダが育んだ「光の絵画」
第2章 島国イギリスの気象が生んだ「風景画」
第3章 温暖なフランスだからこそ印象派が花開く
第4章 豊かな日本の雲と雨
補章 マンガ、アニメで描かれる気象現象
・気象用語解説 ・おわりに ・参考文献有り。
14~19世紀前半までの「小氷期」の影響。
太陽の光を求める人々の渇望に応えた、フェルメールの青空。
気象学を絵画に反映した、コンスタブルの雲の描写。
フランスの記録的な大寒波。その解氷を記録した、モネ。
モネの、時間と天候の追求は《ルーアン大聖堂》連作を
ずらりと並べたのを観たくなりました。
クラカタウ火山の噴火での火山灰は世界に。ムンクの絵にも。
広重の多彩な雨の表現や夕焼け、蜃気楼。
北斎の描く季節の雲の、種類と風。ベロ藍の青空。
マンガ(特に「鬼滅の刃」)、アニメでの気象現象と、雷、霧。
雪の結晶の流行の話で猗窩座が人だった時期が分かるのが、
興味深かったです。『雪華図説』や『北越雪譜』の後なのね。
絵画の中の気象により、季節や時間が知れるのが面白かったです。
他の名画ではどうなのかも、知りたくなりました。
但し、口絵以外の画像がモノクロなため、
色味や表現がうまく伝わってこなかったことが、残念。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
-
『天気でよみとく名画 フェルメールのち浮世絵、ときどきマンガ』長谷部愛著 | レビュー | Book Bang(読売新聞 2024年6月21...『天気でよみとく名画 フェルメールのち浮世絵、ときどきマンガ』長谷部愛著 | レビュー | Book Bang(読売新聞 2024年6月21日 掲載)
https://www.bookbang.jp/review/article/7803342024/06/28
-
-
名画に描かれた雲、太陽光、風などの気象現象から、モチーフとなった季節や時間帯、その土地の当時の気候などが考察された、面白い視点の本。
一例として、同じ晴天の空でも、地中海の乾燥したイタリアの絵画と、比較的湿度の高いフランスとでは、青みの度合いが全く違う。
このような見た目の違い以外にも、描かれた天気は当時のその地域の人々や画家本人の心情をも表していることもある。
描かれた天気に注目してみると、絵を見るときの考え方もまた1つ変わってきそうだと思いました。
-
絵画×天気という、面白い発想。
この筆者さん、単に天気の知識だけではなくて、絵画の解説や、顔料のことまで説明していて、すごい。
漫画の技名がよく出てくるのは趣味なのだと思うけれど、ちゃんと技の効果と天候を重ね合わせて伝えてくれる。 -
大好きなゴッホの「星月夜」
星と月の間を縫うように波打つ曲線は、フランス特有のミストラルである、という仮説に納得!冷たい暴風は陰鬱さと不安の象徴に最適かも。
雪遊びができるほど雪が降り積もるのは日本とヨーロッパの一部、アメリカ五大湖周辺、というのは意外だった。日本は気象現象においても豊かな国なんだね。
マンガやアニメのキャラクターが繰り出す必殺技にも気象現象が元になっている物が多い。そうかも!自然の脅威を自在に操る事ができれば無敵だもんね。
たくさん「納得」のある本でした。 -
TBSラジオに爽やかな声で登場する気象予報士、長谷部愛さん。東京造形大学特任教授でもあったんだ。
顔写真が出てるけど、声のイメージとちと違う。
そしてこの新書のイメージも、本人が話題にしていたのとちょっと違う。
先にWEB特設ページを見ていたけど、ここで画像を見ながら、長谷部さんの声で解説を聴くのが
一番良いような気がした。
新書の小さい写真、それもカラーは一部でモノクロが多い、、
と、文字を追っているだけでは、あまりピンとこなかった。
気象に興味がないわけではないと思うんだけど。
1章 低地・高緯度のオランダが育んだ「光の絵画」
2章 島国イギリスの気象が生んだ「風景画」
3章 温暖なフランスだからこそ印象派が花開く
4章 豊かな日本の雲と雨
補章 漫画、アニメで描かれる気象現象
気象用語解説
https://www.chuko.co.jp/special/tenkideyomitoku/
1ヨハネス・フェルメール《デルフト眺望》(口絵1)
「世界一美しい」と称されたわけは、オランダの特有の天気と時代の天気にあった?!
2-1レンブラント・ファン・レイン《夜警》(口絵2)
オランダだからこそ生まれた光の表現の源泉は、気象現象にあり
2-2薄明光線(天使の梯子)
2-3
薄明光線(天使の梯子)
3ピーテル・ブリューゲル《雪中の狩人》
この絵の人々はいったい何をしているのでしょうか?
4-1ピーテル・パウル・ルーベンス《虹のある風景》(口絵3)
虹はいつから7色になったのか
4-2歌川広重《名所江戸百景 高輪うしまち》
出典:国立国会図書館「錦絵でたのしむ江戸の名所」 (https://www.ndl.go.jp/landmarks/)
4-3虹と副虹 提供:ウェザーマップ
5-1《阿弥陀聖衆来迎図》鎌倉時代色づく雲(彩雲)の歴史 古い絵画の他、マンガにも登場
出典:国立文化財機構所蔵品統合検索システム (https://colbase.nich.go.jp/collection_items/tnm/A-11974-2?locale=ja)
5-2彩雲 提供:ウェザーマップ
6ジョセフ・マロード・ウィリアム・ターナー《ノラム城 日の出》
日本とイギリスの天気の共通点が生んだ表現とは 現代アニメにも活用
7ジョセフ・マロード・ウィリアム・ターナー《吹雪 港から流された汽船》
絵画からわかるヨーロッパと日本の自然観とは
8ジョン・コンスタブル《デダムの谷》
気象学が絵画を変える
9クロード・モネ《カササギ》
気象予報士のロマン・・・モネが描く水、氷、蒸気の味わい深さ
10クロード・モネ《ルーアン大聖堂》(口絵4)
ブルーアワー・ブルーモーメントがつくる美しい空の印象か
11フィンセント・ファン・ゴッホ《月》
悪魔の正体は「局地風」 江戸とフランスアルルなどの共通点
12エドヴァルド・ムンク《叫び》
火山噴火が及ぼす絵画への影響
13-1クロード・モネ《チャリング・クロス橋》
産業革命が絵画に与えた影響とは
13-2クロード・モネ《チャリング・クロス橋》
14-1歌川広重《東海道五拾三次 庄野白雨》
広重の豊かな雨の表現は日本ならでは
14-2歌川広重《東海道五拾三次 大礒 虎ヶ雨》
書籍ではまた違う雰囲気の雨の浮世絵も紹介しています。
15-1歌川広重名所江戸百景 亀戸梅屋舗》(口絵7)
上下反転?真っ赤な空の秘密とは・・・
15-2雲が赤く色づいた夕焼け
15-3歌川広重《名所江戸百景 永代橋佃しま》
広重が描く魅力的な薄明
出典:国立国会図書館「錦絵でたのしむ江戸の名所」 (https://www.ndl.go.jp/landmarks/)
16-1葛飾北斎《冨嶽三十六景 山下白雨》
雲の形に注目!
東京富士美術館蔵 「東京富士美術館収蔵品データベース」収録
16-2歌川広重《名所江戸百景 するかてふ》
雲の形に注目!
書籍では、東海道五捨三次の中にある浮世絵を紹介しています。
出典:国立国会図書館「錦絵でたのしむ江戸の名所」 (https://www.ndl.go.jp/landmarks/)
17-1葛飾北斎《冨嶽三十六景 駿州江尻》
古代から現代アニメまで 風の描かれ方とは
17-2魔女の宅急便
18葛飾北斎《冨嶽三十六景 礫川雪ノ旦》
豊かな北斎の空のヒミツは、ベロ藍と江戸の空にあり
19葛飾北斎《冨嶽三十六景 凱風快晴》(口絵8)
初摺でこそ味わえる北斎の表現とは
20不知火大人気マンガ・アニメの『鬼滅の刃』にも登場、不知火!
熊本県宇城市教育委員会
21-1雪華図説
出典:NDLイメージバンク
21-2雪華図説
雪の結晶のデザインは江戸で大流行 科学とも関係が深いのです
出典:NDLイメージバンク
21-3一猛斎芳虎《隅田川雪見》
雪の結晶は着物などの柄にも取り入れられました。
出典:国立国会図書館「錦絵でたのしむ江戸の名所」 (https://www.ndl.go.jp/landmarks/)
21-4実際に撮影した雪の結晶
スマートフォンなどでも手軽に撮れます!
22ファフロツキーズ(怪雨)
激しい嵐の中でネズミの雨が降っている
有名なのは、オタマジャクシや魚が降ってきたというもの
《ジョジョの奇妙な冒険》にも登場
出典:NOAA's National Weather Service (NWS) Collection, NOAA Photo Library
23日暈と幻日
大きな輪が日暈、太陽の真横にある光点が幻日
24ブロッケン現象
提供:ウェザーマップ
25夕焼けのしくみ
水だけ入れたペットボトルに底から光を当てても変化はないが、牛乳を少し入れたペットボトルにライトを当てると、奥がオレンジ色っぽくなる
26-1上位蜃気楼
出典:魚津埋没林博物館
26-2逃げ水
提供:日本蜃気楼協議会 佐藤トモ子
27雲海(秩父雲海) -
楽しい!
そんな目で絵画鑑賞したことなかった。
そうだよね、写真がなかった時代
絵画が、その頃の空気を残す良い情報源。
オランダ、イギリス、フランスの絵画と
日本の浮世絵、さらに漫画を取り上げて
「ここから天候がわかる」と
解説してくれています。
『鬼滅の刃』に登場した柱の必殺技をみて
気象用語が語源になってるぅヽ(´▽`)/
とテンションが上がる著者。
本当にお天気のことが好きなんですねぇ。 -
ホドラー展で見たアルプスの雲が印象的でスイスって面白い雲がかかるんだと思い込んでしまい、スイスの空を見た時
「日本と同じジャン!」と叫んだらスイス人がゲラゲラ大笑い。
「ホドラーだよ。」
「散歩が楽しくなる 空の手帳」と空を見比べて季節を感じるのが好きです。
だから、この本を知った時は嬉しかった。
美術とお天気。
ただこの本、カラーページが
少なくて白黒の写真では
スマホで探せば出てくるけど
そこがなぁ~。
-
夫が面白かったからと勧めてきた。
絵画が好きな人なら読み物としては面白いかな。
気象予報士が絵画を解説するとこうなるんだーって感じ。
ぜいたくかもだけど、絵画や写真はカラーにしてほしかった。 -
-
ゴッホ、フェルメール、ブリューゲルから、歌川広重、鬼滅の刃、細田守など「名画」の守備範囲が広い。あわよくば掲載作品は全てカラーであってほしかったけれど、どうしても見たい時は検索しながら読み進めればまあよいか。
フェルメールの描く青空やレンブラントの描く夜警の光、エル・グレコの光の表現など、昔から無意識に絵の中の天気を見てしまうので、それによる絵の印象が大きく変わることは直感的に感じていた。
レンブラントでは「薄明光線」、ターナーの光や霧の表現から想起される曖昧さのある天気の美など、日常の切り取り方の面白さと絵にしてくれたからこそ感じる天気現象の美しさに著者が魅せられているところが良い。
東京の年間霧日数は1930年代で平均50日、60年代で平均20日だったのが、2012年12月から2019年10月まで1日も観測されないと変化していることに、「へー」と思い、歌川広重の三島の朝霧の絵のような景色も昔ほどは見られなくなっているという変化も面白い。北斎も含め、過去の日本について当時の天気の様子や天気をどのように描き捉えていたのかという視点を中心に作品を眺めるのも楽しそうだな。
チャリング・クロス橋のように霧の絵が印象的なモネが描いた「カササギ」という冬晴れの日の雪景色の絵が気に入った。雪が一番映える日・時間を切り取ったらこうした美しい景色を切り取ることができるのか。
チャリング・クロス橋自体も、くすんだ色の霧が産業革命によるスモッグを描いたのではという話を聞くと、絵を見る目もかわってくる。
青が好きなので青空のある風景画に魅入る癖があるけれども、この本を読む分に、青空に限らず移り変わりのある天気をぼんやりと見ることや、感動をなんとか絵にしようと書いてくれた人の描く過程などがきっと好きなんだなとも思えた。 -
気象予報士から見た名画の考察ということで違う視点から名画を知ることができて良かった。
それにしても長谷部さんの画と気象の造詣の深さに驚き。
参考文献の数も一気象予報士の書いた新書のレベルを超えてるしさすが大学教授って感じ。
そんじょそこらの気象予報士とは明らかに違うな。 -
息子が東京造形大学を卒業したので、そこで講師をされている気象予報士を知っているか?と聞いたら、受講していたらしい。
というわけでその人の書かれた本を読んでみることにしました。
有名な画家の描いた風景画の中の雲の形、光の表現、風の形などからその季節や、地域、時刻などを想定して、その表現の正確さであったり、アートとしてのアレンジなどについて語る。 -
タイトルに『名画』と付くなら、写真はカラーにすべきでしょう。
『色づく雲は、めでたいことが起こるしるし』と、紹介する来迎図は白黒だし、『夕焼けに染まる雲』とあっても白黒・・
説明は丁寧で興味深いものの、ほとんどが白黒の写真なので、実際の空はどんな青なのか、雲はどんな灰色なのか非常にイライラした。 -
20240317
-
佐賀大学附属図書館OPACはこちら↓
https://opac.lib.saga-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BD05607928 -
本文中の絵画の大半が白黒だし小さいので、天候の描写の説明があってもピンとこなかったのが残念。
-
いこまブロック予選E全国大学ビブリオバトル2025で紹介された本です。
2025.9.28 -
普段ラジオで聞いている長谷部愛さんの豊富な知識に脱帽した。天気と美術への愛を感じた
