- Amazon.co.jp ・本 (418ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121600141
感想・レビュー・書評
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悲惨が人間の価値である、人間は考える葦であるという有名なパスカルのパンセ。草稿だったんですね、これって。それにしてもヒュームにしてもデカルトにしても、またパスカルにしてもどうしてキリスト教になると、急に無茶な議論になっちゃうんでしょうね。イスラム教や中国に対しても偏見たっぷりです。ヘーゲルもそうだったなあ。
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哲学
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精神とか哲学、宗教について言い切ってしまう言葉にすごく惹かれた。もちろんこれは危険なこともあるかもしれないけど、パスカルはどこかそんな自分も引いて見てるような気がした。でも、すごい好きな本だけど、宗教の部分はよく分かんなかった。
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かなり飛ばし読みでイマイチよくわからんまま読了した。、あたいつか時間があればしっかりと取り組んでみよう。
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では、考えない人間は何なのか?
「人間は考える葦である」
では、考えない人間は何なのか?ということが気になって読みました。
知らなかった。若くして亡くなってしまったパスカルの周りの人が、パスカルが書き記したノートをまとめた本なのですね。
なので、本当短文、メモがあれこれと連なっている内容になっています。
これパスカルは本望なのかなあ。
もっと、ちゃんとした文章を世間に出したかったのでは?と思います。
自分が仮に明日不本意にも亡くなって中二病丸出しの日記を人に読まれたら、と思うと死んでも死にきれないですよ。
事故で亡くなった友人のパソコンを壊す芥川賞受賞作の「沖で待つ」はポエムを見られたくなくて死んだらパソコンを壊してね、と友人に頼んだわけですし。
でも、そんなメモレベルでさえも、世界に表出させる価値のあることばたちだというのは、やはり、パスカル、凄い。
読んでても、やはり、大きな影響を受けました。
まずはここ。
「その広がりにおいて驚嘆すべきほかの不可思議と同様に、その小ささにおいて驚嘆すべきこれらの不可思議に、茫然自失するがいい。
なぜなら、われわれの身体は、つい先ほどまでは、宇宙のなかにあって知覚できないほどのものであり、その宇宙すら、全体のうちにあって知覚しがたいほどのものであったにもかかわらず、今やその身体が、人の到達できない虚無に対しては一個の巨人であり、一つの世界であり、いな、むしろ全体であるということについて、だれか感嘆しない者があるであろうか」
読んでいて自分の宇宙はここまで、と認識していたところからまた膨張していくようなイメージが浮かんできました。
自分の世界観が変わる瞬間です。
次いで、今を生きよう、未来の幸福の準備はそろそろやめて、今を大切に行動しよう、という気持ちは決して誤っていなかったというその礎になることばをみつけました。
「われわれは、決して現在生きているのではなく、将来生きることを希望しているのである。
そして、われわれは幸福になる準備ばかりいつまでもしているので、現に幸福になることなどできなくなるのも、いたしかたがないわけである。」
「人は自分自身を知らなければならない。それがたとえ真理を見いだすのに役立たないとしても、すくなくとも自分の生活を律するには役立つ。そして、これ以上正当なことはない。」
この言葉では、なんとなく、有名な人をネットで中傷する人たちの姿を思い浮かべました。
「彼らは、われわれとの交わりからすっかり引き離れて、宙に浮いているのではない。
否、否、彼らの丈がわれわれより高いのは、彼らの頭がわれわれよりも高いところにあるからなのであって、彼らの足のほうは、われわれのと同じように低いところにあるのである。」
本題の考えない人間について。
「私は、手も足も頭もない人間を思ってみることができる。なぜなら、頭が足よりも必要だということは、経験だけしか教えてくれないからである。だが、私は、考えない人間を思ってみることができない。そんなものは、石か、獣であろう。」
石か獣なんですね。疑問がとけました。
そして考える葦であるはここ。
「人間はひとくきの葦にすぎない。自然のなかで最も弱いものである。だが、それは考える葦である。
彼をおしつぶすために、宇宙全体が武装するには及ばない。蒸気や一滴の水でも彼を殺すのに十分である。だが、たとい宇宙が彼をおしつぶしても、人間は彼を殺すものより尊いだろう。
なぜなら、彼は自分が死ぬことと、宇宙の自分に対する優勢とを知っているからである。宇宙は何も知らない。
だから、われわれの尊厳のすべては、考えることのなかにある。われわれはそこから立ち上がらなければならないのであって、われわれが満たすことのできない空間や時間からではない。だから、よく考えることを努めよう。ここに道徳の原理がある。」
これですよ。
人間は葦で、か弱いものだけど、弱いということを知っている。知っていること、考えることが人間のすべてであると。
まさに、ここに書いてあるように空間や時間を埋めようと、ときに私は饒舌に話すことがあるのですがそうするのではない、よく考えることが必要なのだ、とパスカルさんは教えてくれました。
新しい発見が多く示唆に富む本でありましたが、やっぱり宗教のところは、感覚的にそこまでキリスト教を絶対的なものとしてほかの宗教と区別するのかがわからないんですよね。
Ⅱの方はより宗教関係の話が多そうだったので、今読むことは遠慮して、また機が熟すのを待ちたいと思います。 -
第一章 精神と文体とに関する思想
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意外と読みやすく面白い。好き。
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死神の浮力、つながり。「人間はひとくきの葦にすぎない。自然のなかで最も弱いものである。だが、それは考える葦である。」「人は決して人そのものを愛するのではなく、その性質だけを愛しているのである」「人間のむなしさを知ろうと思うなら、恋愛の原因と結果とをよく眺めてみるだけでいい。原因は、「私にはわからない何か」(コルネイユ)であり、その結果は恐るべきものである。」
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すべての日記は人に読まれることを前提に書かれているらしいが、これを読めばなるほどという気がする。