立正安国論ほか (中公クラシックス J 3)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (406ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121600158

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  •  日蓮 (1222-1282) は、「立正安国論」を著して蒙古襲来を予言し、北条時頼に送ったが容れられなかった。他宗を激しく批判し、国難を説いたため、断罪されるところを奇蹟的に免れ (竜の口の法難、1271)、佐渡に流された。赦免後、伊豆に戻り、この年に蒙古襲来があった (文永の役、1274)。
     今日の我々は、「竜の口の法難」の奇蹟をそのまま信じることはできない。しかし、何らかの奇蹟的な出来事によって日蓮が断罪を免れたことは事実あろう。これについて、日蓮自身は『種種御振舞御書 (しゅじゅおふるまいごしょ』において次のように記している。

     「腰越竜の口 (こしごえたつのくち) まで来てしまった。ここで頸(くび)斬るのであろうと思ったところ、案にたがわず兵士(つわもの)どもは走りまわって騒いだ。左衛門尉は「只今なり」と泣いた。日蓮申すよう、「不覚の殿ばらかな。これほどの悦びをお笑いあれ。なにゆえ、かねての約束を違(たが)えられるぞ」と。申したそのとき、江の島の方角より月のごとく光ったものが、まりのように辰巳(たつみ)の方より戌亥(いぬい)の方へ光り渡った。十二日の夜の昩爽(ひきあけ)、人の顔も見えぬほど暗かったのに、この物の光が月夜のようで人々の顔もはっきりと見えた。太刀(たち)取(とり)は、目がくらんで倒れ伏し、兵(つわもの)どもはおじけづき、気おくれして、一町ばかりも走り退(の)き、あるいは馬より下りてかしこまり、あるいは馬上にてうずくまる者もある」

  • 冒頭の訳者のイキリエピソードが痛い
    自分一人が交通事故で死ぬなら構わないが
    他人を巻き込んだらどうするつもりだろう
    まるで老害特有の武勇伝だ
    このような恥知らずな大人のなってはならない

    またこれを日蓮に掛けて行なっているのが輪をかけて悪い
    もし日蓮だったならばエゴイスティックな行いわしないだろう

  • 立正安国論自体はこれといって普通だった
    日蓮独自の思索についてはわからなかった。
    部分的にしか読んでいない。
    佐渡から生きて返ってきたのはすごい。

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著者プロフィール

1938年静岡県生まれ。立正大学大学院博士課程単位取得。立正大学仏教学部教授、日蓮教学研究所所長を経て、現在、立正大学名誉教授。東京池上・法養寺住職。編著書として、冠賢一共編『日蓮宗小事典』(法蔵館)、渡辺寶陽共編『日蓮聖人全集』全七巻(春秋社)などがある。

「2010年 『日蓮「立正安国論」「開目抄」 ビギナーズ 日本の思想』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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