- Amazon.co.jp ・本 (421ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121600363
感想・レビュー・書評
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とても面白い。論証的に怪しいところは多々あるが、読んでいると日本人のふるさと、常世へのあこがれが思い出されて来るような懐かしい感じがして来る。語源を遡ると、想像が拡がってゆく。常世、常夜、楽園、母の国、海の彼方、水と女、羊水、産湯、母の腹の暗闇、誕生、春の水、田植え…。特に面白いのが、「祭りの発生」。冬の原義は、籠るという意味であり、春での新生のために、物忌みをし、ケガレを祓う時期だという。そして、年初めの若水=産湯を浴び、生まれ変わるのだ。天子を若水で祓うのは巫女の役目であり、巫女は天子を育てる女であり、成長してからは妻となるという。
また、日本の祭りの分析を読むと、日本のまつりごと(政治)の根源的イメージが分かるような気がする。神と形代と依代の同一視…。
宮沢賢治が好きな人はきっと面白く読めると思う。 -
(2010年渡辺正人先生推薦)
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母の蔵書より拝借。
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折口氏の肩書きは、いったいいくつあるのでしょうか。国文学者、民俗学者、歌人、詩人、小説家。私はこれに、民間芸能史学者と国学者を付け加えてもいいと思いますが、とにかく多才な人だったんだなあと思います。さて本書「古代研究」は、折口氏の中核的研究をまとめたものです。その内容はといえば、大阪の祭りに現れる山車について描いた「だいがくの研究」、水神から河童までを論じた「水の女」、日本人の異郷への憧れをスサノオから見る「妣が国へ、常世へ」などなど、まさにさまざま。その中でも異種婚姻譚のルーツを探究した「信太妻の話」や、貴種流離譚を分析する「愛護若」などは、どちらも説経節を扱ったものですが、何かミステリーを読むような錯覚を覚えるほどです。この一冊で、十分に折口学を満喫できるでしょう。
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