養生訓 ほか (中公クラシックス J 27)

  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121600851

感想・レビュー・書評

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  •  貝原益軒 (1630-1714) は京都、江戸、長崎など日本各地を歩き回った。その膨大な著作は儒学、本草学 (薬用目的の植物・動物・鉱物研究)、医学、教育、人生論、紀行文などと幅広く、当時、出版されてロングセラーとなったものも多い。
     『養生訓』には科学的でない部分も多い。『楽訓」は、益軒の代表作として取り上げられることがない。しかし、必読書となるべき、価値の高い日本の幸福論である。次は、その一節である。

     「朝夕の目のまえに満ちた天地の大いなるしわざ、日月の輝く光、春夏秋冬の回帰する整合、おりおりの景色の美しさ、雲烟(うんえん)のたなびく朝夕の変化、山のたたずまい、川の流れ、風のそよぎ、朝露のうるおい、雪の清冽(せいれつ)、花のよそおい、わか草のさかえ、木々のしげり、鳥獣虫魚の生きるさままで、すべて万物の生きる心のたえてやまぬのを賞し愛でれば、かぎりない楽しみである」

  • 読了。図書館で借りてきたが、本も購入した。松田道雄は、育児の百科の人で、2ちゃんで翁と呼ばれてる人である。

  • 2015年 10月新着

  • 貝原益軒は、最晩年に『楽訓』という本を書いております。この本の内容は、そのタイトル通り、人生を楽しむライフスタイルを提案したもので、時間に追われたり、仕事に追われる現代人においても、“楽に生きる”ことの楽しさを伝えてくれます。『養生訓』があまりにも有名なために埋もれてしまっていますが、この『楽訓』もまた、多くの人に読んでいただきたい内容です。

     こちらの『養生訓ほか(中公クラシックス)』は、『養生訓』だけではなく、『楽訓』も収録されていますので、両者を読みたい方にはお奨めです。どちらも平易な現代語で書かれています。ただし原文がありませんのでご注意ください。

    ※ 原文がないのでその分☆は3つの評価にしましたが、『楽訓』を前文通しで読めるものはこれしかないので、そういった意味では☆4つ以上の価値はあります。


    『東洋医学・鍼灸を学ぼう!』内レビューへ
    http://hariq-study.genpoudou.com/hariq-books/books_toyo14.html

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著者プロフィール

貝原益軒

一六三〇年生まれ。江戸前期から中期にかけての儒学者、博物学者、教育家。筑前福岡藩主黒田家に仕えた。藩費で十年間京都に遊学する間に、朱子学者、博物学者と交際し、上方に興りつつあった経験・実証主義思潮に触れたのが、その後の学風に生かされた。膨大な編著は各方面にわたり、儒学では『大疑録』、博物学では『大和本草』『花譜』『菜譜』などが知られる。晩年には『養生訓』『大和俗訓』など多くの教訓書を書いた。一七一四年没。



松田道雄

明治四十一年(一九〇八)、茨城県生まれ。昭和七年、京都帝国大学医学部を卒業、小児科教室に入る。昭和十二年より府立西ノ京健康相談所に勤め、結核患者の診療をおこなう。昭和二十二年に京都で小児科を開業。診療のかたわら、ロシア思想を学び、思想史家としても知られる。著書に『私は赤ちゃん』『育児百科』『洛中洛外』など多数。平成十年(一九九八)没。

「2020年 『養生訓』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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