日本的霊性 (中公クラシックス)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 39
レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (383ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121601025

作品紹介・あらすじ

日本を代表する仏教思想家が禅体験から紡ぎだす「さとり」の極北。

感想・レビュー・書評

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  • やー。
    これはすごいわ。
    もう、そんな感想しか出てきません。
    でも、頑張って書いてみる。

    まず題名から、いわゆるspiritualな本のように感じるかもしれません。
    しかし、そのような期待で本書を読むと、見事に裏切られるでしょう。
    もう、とことん理詰めで、徹底的に現実的な考察だと思います。
    それは、鈴木大拙という人物像を知れば、納得の結果となるはず。
    <a href=http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%88%B4%E6%9C%A8%E5%A4%A7%E6%8B%99>Wikipediaの記事</a>を貼っておきます。
    他にも、検索すれば関連記事はたくさん出てきます。

    多分、ぼくが何を書いても胡散臭げな言葉になってしまうような気がします。
    とりあえず読んでみるべき、としか言えないですね。
    本当に、この本は多くの人に読まれるべき本だと心から思います。
    いろんなことに気付かせてくれる作品だと思います。
    『宗教』という枠を越えた、もっと多面的な何かを見出せるはず。

    とりあえず。全然関係ない方向でお茶を濁すことにします。

    宗教というのは、哲学と対をなすものだと最近思います。
    どちらか一方だけでは足りない、というか、同じ面の表と裏。
    というと、あまりに陳腐に過ぎるのですけれど、他に言いようがない。
    『知』からのapproachと、『情』からのapproach。
    冷静で論理的な、段階を重ねることで近づいていく『哲学』。
    直感と感性で、あらゆる物事を一足飛びで越えながら近づいていく『宗教』。
    んー、やっぱり胡散臭いですか・・・(苦笑)。

    とにかく、本書を読んでその事を痛感したのです。
    なるほどな、こっちからこういう風に進んでいくのか、と。
    『有』とは『無』であるのだから、『有』は『有』となる。
    『無』とは『有』であるのだから、『無』は『無』となる。
    言葉で提示されても、多分、絶対に「分かる」ことは無いでしょう。
    それを実感として『理解』するために、どうすればいいのか。
    そもそも、なぜ『そのこと』を『理解』しなくてはいけないのか。
    それが、ある面では哲学という形を取り、ある面では禅という形を取る。
    お互いに補い合うわけでもなく、それぞれはそれぞれで独立して存在する。
    しかし、それらは明らかに『繋がっている』のです。

    ぼくは、両方共に単なる半可通だと自覚しています。
    なので、この理解が正しいなんて全く思っていません。
    けれど、この理解は、ぼくにとっての『真実』です。
    重要なのは、たぶんその部分、なんだと思うのです。

    外国の方は、『宗教』を持たない人を馬鹿にする、と聞いたことがあります。
    本書を読んで、なるほど、それもある意味で当然のことなのかも知れない、と思いました。
    ただ、日本人は、『無宗教』ではないですね。無自覚なだけなのでしょう。
    たぶん、外国のようにくっきりとした形を取っていないだけ。
    あとは、自分が属しているものを、自覚出来るかどうか、なのだと思います。
    つまりそれが、「日本的霊性」なのだと思うのです。

  • 2012/02/15
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著者プロフィール

1870年、石川県金沢市に生まれる。本名、貞太郎。1891年に上京後、鎌倉円覚寺の今北洪川、釈宗演に参禅。1996年の蝋八接心で見性。1997年より米国でオープンコート社編集員となり、1909年に帰国。学習院教授、東京帝国大学講師を歴任。1921年大谷大学教授となり、The Eastern Buddhist Societyを設立。禅や浄土系思想を発信する拠点とする。その後、米英の諸大学で禅と日本文化についての講義を続ける。1949年、学士院会員となり、文化勲章を受賞。1966年、没。

「2021年 『真宗とは何か』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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