J-46 人間にとって科学とはなにか (中公クラシックス J 46)

  • 中央公論新社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121601308

作品紹介・あらすじ

科学を相対化し、いかに「人間化」するか。示唆に富む知的興奮。

感想・レビュー・書評

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  • 図書館で借りた。
    ノーベル賞を受賞した湯川秀樹氏と、『文明の生態史観』等で著名な梅棹忠夫氏の対談録。
    2人の対談ってだけでも興味がそそられるが、その内容が深い。「科学とはなにか」湯川氏も非常に困ったような反応も多く、「科学者の立場で下手なことは言えないぞ」という反応がうかがえる。「ノーベル賞の天才科学者も悩むのだなぁ」と感じ、その点でも面白い。
    また、ふたりとも京都に馴染みが深く、関西弁が時折出てきたり、ローカルな話題にも入っていくのも興味深い。

    雑誌の企画くらいの感覚で読み進められる。非常に楽しい本でした。
    この本が中公クラシックスというのも意外だ。

  • サイエンス

  • 図書館で借りて、実はまだパラパラとしか読んでないけどこの本が私に必要すぎて今度買うことにした。
    梅棹せんせいの言う通り、情報の蓄積がある意味では科学の楽しみを奪っているというのは感覚的にはその通りだと思うけど、だからこそもっと時間をかけて私が色々考えたい。

  • 【配置場所】特集コーナー【請求記号】 404||Y
    【資料ID】91120058

  • 多くの示唆にシビれる1冊。50年前に草食男子を予見していたり、パラダイムの概念を暗示するような発言があったり。
    科学を相対化して考えるのにもってこい。

  •  科学的探求の根本原理は、真理の探求であって、究極的にはその無目的生、価値不在にいきつく。科学の成果は発見され、しかるのちに、目的と価値が人間によって与えられることになる。ハーバーマス的な言説でいうと、生活世界とシステムが分離していくように、科学もあるとき人間の手から離れるような瞬間がある。思惑とは別に、それ自体が生命を持っているかのように自己増殖していく。人間にとって、科学とはなんであったのか。どうあるのか。将来においてどうあるべきなのか。今一度問い直す必要があることは間違いない。

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著者プロフィール

理学博士。専門は理論物理学。京都大学名誉教授、大阪大学名誉教授。
1907年に地質学者小川琢治の三男として東京生まれ、その後、1歳で転居した京都市で育つ。23年に京都の第三高等学校理科甲類(16歳)、26年に京都帝国大学理学部物理学科に入学する。33年からは大阪帝国大学講師を兼任し、1934年に大阪帝国大学理学部専任講師となる(27歳)。同年に「素粒子の相互作用についてⅠ」(中間子論)を発表。日本数学物理学会の欧文誌に投稿し掲載されている。36年に同助教授となり39年までの教育と研究のなかで38年に「素粒子の相互作用についてⅠ」を主論文として大阪帝国大学より理学博士の学位を取得する(31歳)。1939年から京都帝国大学理学部教授となり、43年に文化勲章を受章。49年からコロンビア大学客員教授となりニューヨークに移る(42歳)。同1949年に、34年発表の業績「中間子論」により、日本人初のノーベル物理学賞を受賞。1953年京都大学基礎物理学研究所が設立され、所長となる(46歳)。1981年(74歳)没。『旅人―ある物理学者の回想』、『創造への飛躍』『物理講義』など著書多数。

「2021年 『湯川秀樹 量子力学序説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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